かみぽこぽこ。

さて、今日は久しぶりにうちの学校の1年。

うちの学校では3月中旬から4月中旬まで
長い春休みがある。

いわゆるイースター・ホリディと呼ばれる休みで、
日本の大学よりは少し長めの春休みだ。

もう先週から春学期は始まっているのだが、
今日は春休みを含む冬休み、夏休みなど
休み期間の学校の様子を書いてみたい。

「また、たくさんやってきましたねー」

私がうちの学校の国際局に行くと、
そこの受付でバイトしてる
日系人のムハンマドが言う。
（彼についてはまた後日）

たくさんやってきたとは？？

国際局での用事をすませ、
私はいつものように芸術会館のオープンカフェに座る。

そこを。

ごそごそごそごそ。。。

ごそごそごそごそ。。。

と、集団となって動いている10人くらいの女の子たち。

同じような背丈で、
同じような茶色に染めた髪。
同じような黒っぽいコートを着て、
同じような巻き方をしたマフラー。。。。

そう、彼女たちは日本の大学から来た
1ー3ヶ月間の短期の語学留学の女の子達である。

うちの学校は、
日本のいろんな大学と
この短期の語学留学の提携をしている。

そして、春休み、夏休みの期間に
大体１校１０ー２０人くらいのグループで
うちの学校にやってくる。

１回の休み期間に３ー４校くらい一度に来るので、
学校内は一挙に日本人で溢れかえるわけだ。。。

ここまで、私は女の子達、という書き方をしてきたが、
もちろん男の子もいる。
ただ、割合的に男の子は２割くらいで、
語学留学生の大多数は女の子である。

なんでなのかはわからないが、
そもそもうちの学校が提携してるのは
まず女子大が多いということと、
次に英文科から来るので、
そもそも女の子が多いということがあろう。

そして、私が男だからかもしれないけど、
どうにも女の子ばかり目に付いてしまうこと。

更に、うちの学校の外国人達から
「短期留学の『日本の女の子達』」
という一般的イメージを持たれていること。

これらの理由で、中には男の子もいるんだけど、
とお断りした上で、今日は「短期留学の女の子達」
という書き方をします。

この女の子達、
本人達無自覚だろうけど、
とにかくなんか目立つのである。

まず、なんかみんな同じに見えるというのが、
外国人からみて不思議らしい。

次に、これは決して悪い意味ではないんだけど、
学校内では圧倒的にこぎれいな格好をしている。
学校内では誰も格好なんて構ってないし、
女性も化粧すらしたない人が多いからね。

彼女達の語学コースのカリキュラムが
また結構おもしろい。

例えば、学校内をうろついて
英国人に声をかけて
英語でインタビューしましょう！
というカリキュラムがある。

それで、彼女達は
私が座っている芸術会館のカフェの周りも
うろうろうろうろして、
時に何かを決意したように
座っている人に近寄って話しかけて
インタビューを決行する。

実は私も１回だけ声をかけられたことがある。
どこが英国人に見えたのかわからないが。。。。

そして、質問をされたのだけど
その質問というのが。。。

「Do you think whether British food is terrible or not?」

これはつまり、

「英国料理はひどいと思いますか？」

ってこと。（笑）

。。。。。。これ、ほんとに英国人に質問する気？

おいおい、こんなん聞くなよ英国人に、
と思うのだが、
案外に英国人というのはおおらかで、
彼女達から質問を受けると、
目をひんむいだような表情を作って

「いやー、まったくひどいもんだねえ。」

とかおどけて回答するのを何度も目撃している。
英国人というのは、ほんとに余裕があって大人だ。

これに対し、
この短期留学の女の子達を見て、
冷ややかな視線を投げる
余裕のない人たちがいる。

それは、実は同じ日本人。

それも正規の留学生なのだ。
特にマスターの人のなかにこういう人が多い。。。

「また来たわね。ああうっとうしい。。。」

「嫌よねえ。ああいうのと一緒にされると。。。」

などなど。。。

特にひどかったのは、私がマスターだった３年前の人。。。
この年の人は、よくも悪くも「個性的」な人が多くて、
その一端はすでにメルマガの回想録に書き始めてるけど
この短期留学生に対する陰での悪口というのはすごかった。

果ては、この短期留学の女の子達を

「ゴキブリ･ギャルズ」

と名づけた人がいたもんね。。。

さっき書いたように、
この子達が
黒っぽいコートを着て、
集団でごそごそごそごそって感じで
移動することから名づけたみたいなんだけど、
いくらなんでもちょっとね。。。

でも、私は思うんだけど
「ああいうのと一緒にされたくない」
みたいな言い方は、
我が身を忘れてるよね。

自分だって、
今は大学院に留学してるかもしれないけど、
最初は語学学校かなんか入って
「あー、うー」って片言の英語しゃべって
苦労したんじゃん。

私だってブリカンで
「あー、うー」って言って
プレセッショナルコースで
やっぱり「あー、うー」って言って、
恥ずかしい思いをたくさんしてって、
そういうところから始まったわけで。

一部の帰国子女を除いて、
それは留学する誰もが最初通ってる道だ。

だから、
大学に入りました、
英文科のカリキュラムで
初めて外国に来ました、
みたいな子が、
「あー、うー」って
右往左往しながらやってるとしても、
「ああいうの」
みたいな言い方はないんじゃないかと思う。

彼女達は彼女達なりに、
よくなりたいと思ってがんばっているのだし、
じゃあ同じ年代の頃、
彼女達と比べてちゃんとやってたかというと、
決してそうではない人が多いと思うしね。

まあでも、
私のことを振りかえると、
３年前はどうだったか。

悪口こそ言わなかったけど、
語学留学の女の子達をおおらかに見てあげる
気持ちの余裕まではなかっただろう。

何かをまだ成し遂げていない
マスターを取ることに必死な人に
気持ちの余裕持てというのは
酷なのかもしれないね。

だから私は、
ゴキブリ・ギャルズに冷たい視線を投げる人に
そういうのはあんまりよくないと思うけれども、
それをやめなさいとは言わない。

今、自分がやるべきことを、
とにかく一生懸命がんばってね、
とだけ、言いたいと思う。