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2004年09月16日
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さて、「かみぽこ政治学」です。
今日はこれでいきましょう。

『郵政民営化基本方針を閣議決定、通常国会に関連法案
政府は10日、首相官邸で経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)と臨時閣議を相次いで開き、郵政民営化の基本方針を正式決定した。(1)2007年4月の民営化当初から窓口ネットワーク、郵便、郵便貯金、郵便保険の四事業を分社化し、純粋持ち株会社の傘下に置く(2)郵政職員は国家公務員の身分を離れる(3)最長10年の移行期間に郵貯・郵便保険会社の株式を売却し完全民営化を実現する――などが柱。

10日の閣議決定は早急だとして見送りを求めていた自民党は「閣議決定を妨げることはできないが、法案作成の段階で所要の手続きを進める」方針を決定した。与党が了承しない案件を閣議決定するのは極めて異例で、今後の法案化作業に影響を与えるのは必至だ。

首相は臨時閣議で「明治以降の大改革である郵政民営化が閣議決定できた。与党とも今後、緊密に調整し通常国会に法案を提出、成立を目指す」と述べ、郵政民営化関連法案(仮称)を1月の通常国会に提出する意向を表明した。同時に全閣僚で構成する「郵政民営化推進本部」の設置も決めた。 』(日経新聞)

なるほど。。。

まあ郵政民営化もいろいろあるんだけど、
その改革案の内容の是非はここでは論じない。

というのは、
この改革案が良いか悪いかは
専門的に結果をシミュレートしてみて
初めて言えることであって、
なんとなく私はこう思う
みたいな次元で論じられることではない。

これは私の専門の守備範囲を超えるので、
論じたくないのだ。

まあ、いつか経済学部のO田を呼んで、
黄昏ぶらざーずとして語ってみたいとは思う。

それで「かみぽこ政治学」として
今日注目するのは、

「閣議決定」

である。

みなさんは不思議に思わないだろうか。
なんで「閣議決定」にこんなに政治家は大騒ぎしているのか。

だって、法律案というのは、
国会で可決しないと法律にはならない。
ということは、首相が与党の了解を得ないで
独断で閣議決定したとしても、
国会で反対して否決すればいいじゃないか。

なにを政治家は慌てているのか。
そう不思議に思わないだろうか。

だから、今日はこの「閣議決定」とはなんなのか。
ということについて説明してみたいと思う。

最初に「閣議決定」そのものについて簡単に説明する。

まず「閣議」なのだが、読んで字の如し
内閣総理大臣が主催する会議のことである。

よくNHKの7時のニュースを観てると、
首相を中心に左右を大臣が囲んだ
会議前の様子が映るでしょう。
あれが閣議。

この閣議、3種類あって
毎週2回行われる定例閣議、
臨時に行われる臨時閣議、
閣議を開催せずに書く閣僚の間を持ち回って
賛否を求めて決定する持ち回り閣議がある。

それで「閣議決定」というのは、
その閣議での意思決定なのだが、
閣議での意思決定というのは
「決定」「承認」「了解」
という3つの種類がある。

「決定」というのはこの中で一番重要で
法案などは「決定」されるのだ。

ちなみに役所の人事ってのは「了解」だそうで、
この「了解」ってのは3つの中で一番重要度が低い。

つまり、役所の人事ってのは
ほとんど閣議では重要ではないという扱いなのだが、
逆に言うと、政治は役所に手を出すなという意味になる。

手を出すと、田中真紀子さんのようになるということですな。

ちなみにこの閣議での意思決定は
全て全会一致ということになっていて、
また秘密会ということで議事録等は残さない。

何が決定したかとかは官報に載りますが。

それで、閣議で決定される法律案などだけれども、
通常は、いわゆる「与党事前審査」と呼ばれる
与党の政調会部会で調整され、
各役所の間でも調整され、
事務次官会議で承認されるという過程を経て、
閣議に上がってくるものである。

今回「閣議決定」された
郵政民営化基本方針は法律案ではないけど、
この与党との調整が十分ではなかったということで、
自民党の方々は騒いでおられたのですな。

しかし、いつものことながら
小泉首相は涼しい顔をしている。。。

なぜなら、実はこの

与党事前審査→事務次官会議→閣議

という流れは、
実は日本国憲法、その他に別段の定めがない
長い間にできた慣習でしかないからである。

だから、首相からすれば

「法律で決められてることじゃないんだから、
別に与党の了解がなくても閣議決定できる。」

ということになる。

逆に与党側からすれば

「閣議決定は与党で議論が尽くされてからするものだ。
それが長年の慣習だ。」

ということになる。

さて、ここまで来て、
今日の最初の疑問に戻るわけだが、
なんで閣議決定に大騒ぎするのか、
ということだ。

与党は堂々と国会で閣議決定を否定すればいいではないか。

それができないものなのである。
閣議決定という首相が主催する会議での決定は
実に実に重いものなのである。

この閣議決定に限らず、日本の政治において
首相の決断というのは実に重い意味を持つ。

一般的に日本の首相は指導力が弱いと言われているが、
究極的な局面になると、実はものすごく強かったりする。

例えばなのだけど、
1990年代まで日米貿易摩擦というのがあって、
佐藤内閣の日米繊維交渉から始まって、
電気通信分野、建設市場の開放問題、
日米自動車交渉、FSX(次期支援戦闘機)選定問題
などなどいろいろありましたな。

まあ、これらの交渉で日本の政治家・官僚も
なかなかにハードな交渉をされたわけだが、
交渉事なので妥協した部分も多かった。

妥協した部分については、
日本国内の業界や
それに関係の族議員が騒いだりしたわけだが、
これを政府が抑えるのに、
いわゆる「外圧」を使ったと
言われているわけだ。

これが妥協した部分が強調されることと合わさって
日本政府、ひいては首相の指導力不足と
言われたことが多いのだが、
実はこの見方は重要な事実認識を欠いている。

それは、業界や族議員は「外圧」そのものに
屈したわけではないということである。

「外圧」というのは、あくまで外国からのものなので、
日本国内にいる業界や族議員には関係ないことだ。
「外圧」があろうがなかろうが、
彼らは反対し続けて何の問題もない。

彼らが屈したのは、実は
「外圧があるから妥協しなければならない」
と首相が決断したからなのである。

首相が決断したから、彼らはしぶしぶでも納得したのだ。
業界・族議員を屈服させたのは米国ではなく、
あくまで首相だったというのが正しい事実認識なのだ。

実は日本の政治において究極の場面では
首相の指導力は非常に強いという1つの事例だ。

これに関連して、
古くて恐縮だが1つおもしろい話を書くと、
佐藤内閣の日米繊維交渉の時、
実は沖縄返還問題が大詰めを迎えていたので、
佐藤首相は国内で何の調整もせず
妥協することを1人で決めて米国に内々話をしてしまった。

ここで普通なら、首相が勝手に話を決めたと
けしからん退陣しろみたいな話になりそうなものだが、
自民党内は逆に首相が決めたんならしゃーないなという
動きになった。

まず、宮沢喜一通産相は米国に行って
堪能な英語と政策通であることを発揮し、
一歩も引かないタフな交渉をしてきた。

これは政府も頑張っていると国民に印象付けて、
米国の要求も強硬だということも同時に印象付ける
パフォーマンスだった。

次に、後任の通産相になった田中角栄は
あっさり米国に妥協すると同時に、

「さーて、こっち業界にはいくらゼニを渡して、
あっちの業界にはいくらゼニを渡して。。。」

と、パチパチとそろばんをはじいて、
交渉妥結後の国内業界への補助金の計算をして

「まーそのー、これで1つよろしくお願いしたいと」

とやって、関連業界を全部納得させたのである。(笑)

宮沢さんと角さんの見事な役割分担だったわけだが
(いやあ、昔は本当に人材が豊富だったんですねえ。。。)
ここで1つ言えることは、
意思決定の手続きに問題があろうと、
首相が決めちゃったことに対しては
みんなが全力で実現に向かって動くもんだということである。

こういう首相決断の重さっていうのは、
なんなのかということなのだが、
これこそどこにも書かれているわけではない

「日本政治の長年の慣習」

なのである。
慣習というのは、日本に限らず
政治において重要な要素である。

例えば英国など、
そもそも成文憲法がないのだから
やることなすこと全て慣習だ。

私が以前書いた「クイーンズ・スピーチ」
つまり、議会の会期始めに
女王が「私の政府がこんなことをやる」
と演説するわけだが、

こんな形式的なこと、何のためにやるの?
と私の指導教官のドン・キーン博士に聞いたが、

「さあ。。。ずっとやっていることから。。。」

と言って、さらにこう続けた。

「でも、それで世の中丸く収まるのさ。」

そう、政治の世界においては、
こうすれば世の中うまく回ったという
長年の経験の蓄積が「慣習」となっていくのだ。

「閣議決定」のような首相の決断というのは、
それを出すことで解決困難な問題を
うまくまとめることができるから
政界の慣習として定着しているのだ。

そう考えると、今回の郵政民営化基本計画の閣議決定は
どうだろうか。

ここで、私が以前書いたこの文章を読んでいただきたいのだが、
傷だらけの勲章(2):首相の決断とは?

要するに、「首相決断」とは何のためにあるかというと、
構造改革のような政治家の選挙区で
反対が強いだろう政策が実現されるに当たって、
1人1人の政治家の格好がつくようにするためなのである。

政治家というのは馬鹿じゃない。
郵政民営化のような改革が必要なことはわかっている。

しかし、政治家は選挙落ちればただの人である。
選挙区の反対が強い政策はいくら重要でも推進しづらい。

「首相の決断」とは、
この政治家の「重要政策」と「選挙区」の間の
板ばさみ状態を解決するためのものなのだ。

つまり、簡単に言えば、

「一生懸命反対したんですけど、
首相が決断したのでどうにもなりません。
申し訳ありません。」

と1人1人の政治家が
選挙区に頭を下げて言い訳ができるように
するためにあるのだ。
こうなると、選挙区の支持者も

「まあ、首相決めたんならしょうがないですな」

と矛を収めることになる。

ただ、ここで大事なのは、
政治家は選挙区にいる支持者に対して、
一度は政府に徹底抗戦したのだという
パフォーマンスを見せられるかということである。

会議の場で大声で喚いているとか、
座り込みをやって抗議しているとか、
椅子の1つでもぶん投げているとか、
(まあこれは時代遅れだが。。。。)
こういう姿がTV画面に大写しになって、

「まあ先生も一生懸命やってくれたんだから、
仕方ないか。。。」

と支持者に思ってもらわないといけないからだ。
いくらなんでも、無抵抗で首相が決断しましたでは、
さすがに支持者も矛を収められないからだ。

今回の閣議決定の問題点はここにないだろうか。

つまり、1人1人の政治家が選挙区向けに
徹底抗戦の大パフォーマンスをやる前に、
小泉首相がさっさと閣議決定してしまったと。。。

これでは、政治家は選挙区の支持者に顔が立たないのではないか。
政治家の多くは、まだ暴れ足りないと思っているのではないか。。。

はたして今回の閣議決定が、
これまでの日本政治の慣習のように
与党に対して強い拘束力を持てるかどうか、
今後の展開が注目される。





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最終更新日  2004年09月16日 03時03分35秒



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