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2006年04月13日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
さて、「英国留学回想録」。
今日から新しい章に入ります。
新しい章のタイトルは

「大学院入学への最後の戦い」
(2000年8月末)

第一回の今日は

「サッチャーとけんかしたおじいちゃん」

です。

これまで書き忘れていたのだが、
うちの学校のプレセッショナル・イングリッシュコースは、
一ヶ月を一区切りに3つの学期に分かれている。

最初は6月末―7月末の一ヶ月。
次に7月末―8月末の一ヶ月。
最後に8月末―9月末の一ヶ月。
それで、この3つの学期のうち、
どこから参加したらいいのかは、
英語力によって分けられる。

IELTS5.0の人は6月末からの参加
IELTS5.5の人は7月末からの参加
IELTS6.0の人は8月末からの参加

と決められていた。
だから、私(IELTS5.5)は7月末からこのコースに参加した。

ところがね。。。
今はもう少し基準が厳しくなっていて、
IELTS5.5の人は6月末から参加とされているらしい。

というのは、うちの学部の大学院の受け入れ基準が
私の頃はIELTS6.5だったのだけど、
今はIELTS7.0になったかららしい。

ということはね。。。

私がもし今年留学の準備をしていたとすると、
うちの大学には入れないということだ。

はは、はははは。。。。
ラッキーだったんだね、私。

これは今年うちの学部で修士やってる人には
黙っとかないかん。えらそうな顔ができなくなる。(苦笑)

ということで、
宿題に追われ、エッセイを悩みながら書き、
英語の発音に悩んだプレセッショナル・コースも8月末で一区切り。
1週間の休暇となった。

ここで私は、ある人に会おうと思った。

アラン・レイトン=スミス教授。

私がプレセッショナルコースを無事に終えて、
英語の試験を受けて合格すれば入学できる
「政治学研究科修士課程」
のコースダイレクターだった。

まだ本コースが始まっていないとはいえ、
もう近くにいるのだから、
1回くらい挨拶でもしといたほうがいいかなと思い、
彼にメールを入れてみた。

「会いましょう。私の部屋は。。。」

すぐ返事が来た。
早速行ってみた。

プレセッショナル・コースが行われているキャンパスは
メインキャンパスから歩いて15分くらいのところにある。

図書館とか行くときはメインキャンパスに行かないといけないので、
「メインキャンパス(大学院)への遠い道のり。。。」
なんてこの頃半分冗談半分本気でよく言っていたものだが、

とにかくこの時もてくてくと15分くらい歩いて行った。
「政治・国際関係学部」の建物の中に初めて入った。

今思うとね、どうってことない建物なのだ。
新しいし、風格もなんにもないし。
そりゃね、ロンドンやオックスフォードに比べたら
全然だめ。

でも、あの当時のそんなこと何にも知らない。
単純に英国の大学の建物に入るということで
それなりの緊張感があった。

部屋を見つける。

「アラン・レイトン=スミス教授」

表札があった。
どんな人なんだろ?
なんせ大学の先生だからな、
気難しかったらどうしよう。。。

とか思いながら
コンコンとノックしてみる。

「カミ・イーン!」

声がした。ドアを開いてみる。

中には、おじいちゃんがいた。
小太りで背が低く、
白髪、鼻が大きく、少したれ目。
優しそうなおじいちゃんじゃないか。

少しほっとした。

「はじめまして。今度政治学修士課程に入る予定のかみぽこです」

と、ちょっと緊張してあーあー、うーうー言いながら
挨拶した。

「こちらこそはじめまして。わざわざ来てくれてありがとう。
まあ、座りなさい。」

にかっと笑いながらおじいちゃんが答えた。

「今は英語の勉強をしてるんだね。
しかし、君のメールの英語を見る限り、
そんなに問題はないと思うよ。

まあ、がんばりなさい。」

と言ってくれた。
やけにゆっくりで聞き取りやすい英語だった。
顔つきからイタリア移民??
と思わせるところもあったので、
英語はカタコトなのかな
と思ったりした。

後でえらい勘違いだと気づいたのだけど。
要は、うちの大学の先生は留学生に慣れているので、
相手の英語のレベルに合わせて、
話すスピードをで自在に変えられる。

この時、「この先生、英語カタコト?」
と思うくらいのスピードでヘンリー=スミスさんが話したのは、
要は私の英語力がその程度だったということだ。

気づかないということは恐ろしい。。。(苦笑)

「私はこれまでたくさんの日本人学生を教えてきたよ。
日本人は極端に分かれるね。
ものすごく優秀な若者と、ものすごくできない若者に。
まあ、君は経歴的に言っても、
大丈夫でしょう。期待してるよ。」

とにかっと笑いながらヘンリー=スミスさんは言う。
どきっとした。
なんせ、推薦状に書いてあることは半分以上うそだ。
経歴的に大丈夫と言われてもねえ。。。(笑)

実際にはものすごくできない若者の側だ。。。

この時の彼のこの発言は今でもはっきり覚えている。
そして後日書くが、私の大学院への入学正式決定の経緯と合わせて、
私は修士での1年間、とにかく私を信じて受け入れてくれた
ヘンリー=スミスさんに恥をかかせられないと必死になったのである。

「それと、君の将来の希望が非常にエキサイティングだ!
政治家になりたいんだね。ぜひ、一生懸命勉強してもらいたい」

にかっと笑いながら、彼は続けた。
これもね、その後私は政治家には絶対ならないと
路線変更するんだけどね。(笑)

「政治学修士課程のコア・コースの先生2人を紹介しよう。
ソフィア・デラ=ロッサとヘーゼル・ウィリアムス教授。
メールを送ってみなさい。」

今の私の指導教官、ソフィアの名前を初めて聞いたのはここだった。

とにかく、レイトン=スミスさんとの面談の15分くらいの間、
彼はにかっと笑ってゆっくりゆっくり話しながら、
私を励まし続けた。

部屋を出たとき、ほっとしたし、
これならなんとかやっていけるかな
と少し思った。

このアラン・レイトン=スミス教授については
この後からわかった話があった。

この優しそうなおじいちゃん、
移民政策の専門家なのだが、

実はかつてあのマーガレット・サッチャー首相と
移民政策をめぐり10年以上も激しい論争を展開した
有名な大学教授だったらしい。

あの「鉄の女」と大喧嘩した男。。。

ある時、学校である英国人(たぶん別の学部の先生)と話したとき、
私がレイトン=スミスさんの話を出したら
「あの人はすごい人だ」
と言って、サッチャーとの話をしてくれた。

正直びっくりした。
あんな優しそうで、
私のようなどうでもいい学生にわざわざ会ってくれて、
ゆっくりした英語で励ましてくれた人が。。。

人は見かけによらないというか、
能ある鷹は爪隠すというか、
そんなことを改めて思い知らされたのであった。





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最終更新日  2006年05月12日 00時21分58秒



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