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2009年03月04日
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英露の間には、英国に亡命中の
反プーチン派リトビネンコ氏が急死した

「リトビネンコ事件」

という問題がある。

そして、リトビネンコ氏の体内から
致死性の高い放射性物質
ポロニウム210が検出されたことで、
暗殺へのロシアの関与が
ささやかれたわけだ。

英国検察当局は
FSBの前身・KGBの元職員
ルゴボイ氏を容疑者と断定し、
ロシアに引渡しを求めた。

ロシア側はこれを、

「憲法は外国への自国民引き渡しを禁じている」

として、拒否した。

そして、英国に亡命中の
ボリス・ベレゾフスキー氏の
政治犯としての引渡しを
英国に要求。

英国はこれを拒否して、
英露ともに一歩も譲らない
緊迫した事態に発展した。

しかし、これに対して

英国のディビッド・ミリバンド外相が
ルゴボイ容疑者の引き渡しを拒否する
ロシアへの報復措置として
英国駐在のロシア外交官4人を
国外追放にする措置を発表した。

ミリバンド外相は

「政府はやむを得ず、
(露外交官追放)を発表するに至った」

と述べた。
また、英・ロシア間の
査証(ビザ)簡素化協議の停止を
検討するとも明言した。

これに対してロシアは
最初、激しく英国を
批判したんだよね。

「英当局の決定は誤りだ。
ロシア側からの報復なしでは済まない。
被害はロシア側ではなく
英国の方が大きい」

でも、その後ロシアは
明らかにトーンダウンする。

ロシアは報復措置として
英国の外交官4人を
国外退去処分にし、
英政府関係者へのビザ発給、
テロ対策での英国との協力を停止し、
当面、ロシア政府関係者の
英国への渡航を見合わせると
発表した。

ロシアは
4人の追放に対して
4人の追放で
対抗したわけで(苦笑)
英国の対ロシア露制裁措置と
ほぼ同じ内容。

「被害はロシア側ではなく
英国の方が大きい」

って、言ってたのに、
蓋を開けると
カムイニン報道官は

「常識的な行動が取られると確信している」

と言うし、
プーチン大統領まで

「常識に基づいて行動し、
互いの権利を尊重すれば
すべてがうまくいく。
われわれはこの

『小さな危機』

も克服できるだろう」

と発言した。

一方の英国側は
ミリバンド外相を中心に
強気の姿勢を崩さなかった。

「外交官4人の国外追放は
不当な措置であることは明らかだ」

「ロシアは事の重大性を認識してない。
わが国の中で、ポロニウム210が使われた
暗殺事件が発生しているのだ。

英国民の生命と安全が
重大な危機に晒されているのだ」

英国側は、ロシアに対して
一歩も譲らなかった。

なぜ英国はロシアを恐れず、
ロシアは英国に報復できなかったのか。

それは、英国がロシア経済の弱点を
熟知していたからだ。

ロシアは旧ソ連時代の
軍需産業のような
高度な技術力を失っている。

要は、資源は豊富にあっても、
その開発は欧米メジャーの
技術がなければ
できないのだ。

私は英国にいた頃、
ロシアがBP追放に
動いていた時、
英エコノミスト誌に
資源開発について
仏トタールへの依存が
高くなることが
プーチン大統領(当時)の
悩みだという記事が
載っていたのを読んだ。

ロシアは欧米メジャーの
どこかのシェアが
突出して高くなるのを
避けている。

ロシアがどこかの国の影響下に
入らざるを得なくなるのを
避けようとして
バランスを取っているのだ。

そして、言うまでもないことだが
モノを作る技術力がなく、
石油・天然ガスを単純に
輸出するだけだと、
価格の下落は経済力低下に直結する。

その原油などの資源価格を
コントロールしているのは
ロンドン市場なのだ。

もちろん英国政府は
原油価格を操作できない。

しかし「英国人」が動かす市場が
ロシア経済の生殺与奪を
握っているとなると、
ロシアは英国に対して
なかなか強気に
出られなかったのではないか。

ロシア経済の弱点は
世界同時不況で表面化した。

石油価格がピークの
3分の1以下に
落ち込んだ結果、
石油・天然ガス関係企業は
開発投資の大幅見直しを始め、
生産に急速なブレーキがかかった。

アルミ、銅、石炭、鉄鋼、
石油化学、自動車など
各産業でも生産縮小や
工場閉鎖が始まった。

ロシア経済は破滅的な状況に陥ったのだ。

更に問題なのは、
欧米からの投資が
ロシアから次々と
撤退していることだ。

ロシアに投資できる
金がなくなったと
いうことがあるが
それと同時に、
かつてのロシアの
高飛車な態度のせいか、
欧州はガスの調達先や
輸入ルートの変更、
原子力発電の見直しなど
エネルギー政策の転換を模索し、
これを機会に
ロシアへの依存を
減らそうとしているのだ。

現在、ロシア政府は
歳入が大幅に落ち込み、
予算破たんは
必至の情勢になっている。

ロシアは欧米に代わる投資家を
切実に探しているわけだ。

そして、中国のことだが、
私の恩師で、
日本・北朝鮮を専門とする
地域研究家である
英ウォーリック大学の
クリストファー・ヒューズ教授は、
以前ガーディアン紙に対して

「ロシアは極東で非常に弱い立場にある。
ロシアは極東に軍事プレゼンスがなきに等しい」

と答えた。ヒューズ教授は、
極東・シベリアが
いずれ中国の影響下に
入ってしまうという懸念を
ロシアが持っていることを
指摘しているのだ。

だから、ロシアは
シベリアの開発を急ぎたい。
それに対する支援を
中国以外から探したい。

要するに、ロシアは
欧米のロシアからの投資引き揚げ、
シベリアでの中国の
影響力拡大の不安に対して、
日本の技術と資金を
必要としているのだ。

そして、それとともに
エネルギー資源依存の経済から
先端技術産業と
知識産業のハイテク国家への
転換を図りたい。

だから、ロシアにとって
戦略的な意味をもつ
サハリン2の稼働式典に
麻生首相を招待したのである。

首脳会談では、極東・東シベリア

「官民一体の具体的なプロジェクトに取り組む」

との合意がなされ、
ロシアの目的は
達成されたようである。

それに対して、日本が目指した
北方領土問題については、
どうだろうか。

ロシアが2島変換での
最終決着をめざす
従来の立場から踏み込んで、
日本の要求に
歩み寄ったとは
言えないんじゃないだろうか。

日露関係について
日本政府・外務省は
近年の経済面での
協力関係の進展を背景に

「ロシアに対日関係改善の機運があり、
北方領土問題でも譲歩してくる可能性がある」

との認識を持っているという。

だから外務省はロシアに対して
首脳会談実現を積極的に働き掛けてきた。

私は、外務省の認識自体は
その通りだと思う。

しかし、日本側から
ロシアに首脳会談を
働きかける必要はない。

ロシアが日本を必要としているのだから、
日本から動かなくても、
いずれロシアから近づいてくる。

ロシアから近づいてくれば、
それだけ日本に有利な
外交交渉ができる。

ところが、わざわざ日本から
働きかけたために

「内政で窮地に陥っている首相が、
外交で得点を稼ごうと焦っている」

とロシアに見透かされる。
そして、ロシアでは

「領土問題が解決せずとも日本はやってくる」

との考え方が
広がってしまっている
ようなのだ。

世界同時不況下での
日本外交のあり方は、
こちらから動かず
どっしり構えていることだ。

現在、日本は国際社会に
資金援助ができる
数少ない国なのだ。

落ち着いていれば
向こうから資金を求めて
日本に寄ってくる。

そして、外交交渉では
日本のペースで話を進められるのだ。

クリントン国務長官の訪日も
麻生・オバマ会談も
外務省が必死に働き掛けて
ようやく実現したと
いう話がある。

国内で支持を失い、
外交に活路を見出そうとする
麻生政権の余裕のない行動は、
相手から言われる前に
お金を出してしまう

「貢上外交」

となってしまっている。

それは、日本が外交交渉で
本来得られる利益を
大きく損なっているのでは
ないだろうか。

このブログでは何度も
言ってきたことだけれども
国際関係をやっている論者は
国内政治を軽視しがちなのだけど
やっぱり私は
国内政治の専門家としての
視点から見て
確固たる国内の基盤を
持たない政権が
外交をやるのは
それ自体が罪であると
思うんだよね。

それでは、またね

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「グリニッジ標準時の国際関係学」バックナンバーはこちら。






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最終更新日  2009年03月05日 00時20分49秒



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