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日本の官僚制を機能させるには
これまでの発想を完全に転換する 必要があるように思う。 これまで公務員制度改革といえば、 「いかに官僚を抑えるか」 が焦点であった。 「天下り」の規制など 典型だけれども 政治家が規制を作れば 官僚が抜け道を見つけるの 堂々巡りが 続いていたわけだ。 それをみて、また 官僚はけしからんと いうことになって、 バッシングが激しくなるという 繰り返しだね。 じゃあなんで官僚は バッシングされるのに、 必死に抜け道を探して 「天下り先」を確保しようと するんだろうね。 それは、早期退職慣行はそのまま、 給料も退職金も上がらず、 「天下り」もないとなると、 退官した時、 食べていけなくなって 路頭に迷うことに なるかもしれないわけだ。 そりゃ、本来業務を そっちのけにしても 「天下り」を 守りたくなるよ。 これは、人間としての 生存のための自然な行動だ。 それを抑えつけて 政治家の言うことを 聞けといっても そりゃ無理ですよ。 それじゃ、官僚を抑えつけずに 官僚を使いこなすには どうしたらいいかだけどね。 そこで、過去の行政改革を 振り返ってみたいと思う。 過去の改革の過程では、 政治家が改革を 推進しようとするときに、 それに協力することが 官僚自身の地位・名誉・出世に つながるならば、 官僚は必ずしも 組織の権限を守ることに 固執していないのだ。 それどころか、例えば 「金融ビッグバン」や 「小泉構造改革」 など、これまで部分的にせよ 一定の成功を収めた「改革」は、 官僚が改革の推進に 強いインセンティブを持って 参加したからこそ、 実現できたのだと言える。 逆に、官僚を抑えることで 成功した改革はないと 思うんだよね。 例えば、橋本政権の頃から ずっと取り組まれてきた 公務員制度改革が 天下り根絶に固執することで 官僚に抵抗され続けて 失敗続きとなっているのが 典型的な事例だよね。 具体的に話をしてみたい。 橋本政権時に断行された 「金融ビッグバン」を 主導したのは、 大蔵省(当時)の長野厖士(あつし)証券局長や 榊原英資国際金融局長らだった。 彼らがなぜ大蔵省金融部局の権限を ほとんど失わせることになる ビッグバンを主導したか。 それは、彼らが大蔵省の 出世コースから 既に脱落していたことが 大きく関係していると 思うんだよね。 長野さんは大蔵官僚に対する 過剰接待事件に関連し、 榊原さんは若い頃 新自由クラブから衆院選に 出馬しようとしたことが影響してか 埼玉大教授として出向するなど 大蔵省の主流から外れていた。 彼らが金融部局の局長として 第一線に復帰したのは 金融危機に直面して その優秀さが必要だったからだ。 しかし、彼らはそれまで 冷や飯を食ってきた経緯から、 大蔵省の組織や権限を どうしても守ろうとしたとは 考え難い。 むしろ、規制緩和を進めて 金融行政を 大胆に転換することで 大蔵省内部の 秩序破壊を行って、 出世コースに乗っている 省内の主流派を 排除したほうが あわよくば 更なる出世の可能性も 出てくると考えられた。 実際、ビッグバンをやって 大蔵省の権限を ほとんど手放したし、 金融庁の大蔵省からの分離にも 関わったのに、 榊原さんは財務官に昇進し 「ミスター円」 と呼ばれたし、 長野さんは自力で 弁護士に転身できたので、 大蔵省の組織がどうだとか 関心がなかった。 要するに、榊原さんや長野さんは 大蔵省内の権力闘争に勝つために 「金融ビッグバン」を 推進したと考えられるのだ。 ちなみにこの「金融ビッグバン」は、 大蔵省に対する 世論の厳しい批判に対応した 橋本政権の「金融行政改革」の 一環として行われたものだ。 つまり、ビッグバンを 政治の側からみると、 榊原さんや長野さんに 大蔵省の秩序破壊による 復活の機会を与えることで ビッグバンを推進することが できたと言える。 「民主党による政権交代」 「小泉構造改革」「橋本行革」 などの様々な改革は、 このような 「官僚組織内の権力闘争」 という側面があったと思う。 改革の実現には、常に 「官僚組織内の主流派 VS改革派官僚」 の権力闘争が あったということだ。 政治家が官僚を使いこなすには、 政府が志向する政策を 立案し実行していくことが 官僚の出世につながるという 仕組みを作ることが重要だ。 官僚のやる気を引き出すことである。 特に、実力がありながら 官僚組織の中で 埋もれてきた人材を発掘し、 チャンスを与えることは 重要だと思うんだよね。 私は、官僚のポジティブな 業務への取り組みを評価するために 「内閣人事局」のような 組織を作ることは いいことだと思う。 それだからこそ、 作るならば しっかりとした権限を持った 組織にしてほしいものだ。 それと、官僚がやってきたことを 政治が取り上げるという 発想だけではなく 「官僚にこれをやってほしい!」 というものを、 政治は考えてほしいと 思うね。 それでは、またね。 ------------------------------------------- 「かみぽこ政治学」バックナンバーはこちら。 「かみぽこ政治学・2」バックナンバーはこちら。
最終更新日
2010年03月02日 15時51分08秒
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