作者の都合

業績が悪化し過ぎてこのままではジリ貧であるから何か変えよとなった。そう言われても恐慌は一国全体の問題だから個々の企業に対応できる話ではない。打てる手が何もなく誰も改善案を出せないでいる内に、議題が業績から変更にすり替わった。変える事そのものが目的化してしまったのだ。結果、倉庫の棚番が変更され、そして、それ以外何も出てこなかったため、そこで改革が終わった。

　それまでは３号棟２階１番通路３番２段目を３２０１０３０２の様に書いていたのが、管理コンピューターの内部処理番号をそのまま出力してくる様になったのである。コンピューターの内部では棟も階も棚番もなく、ただフラットに連続した番号が付いていただけだ。１号棟の最後の番号に１を足した数列が２号棟の最初の棚である。丸暗記するしかない。

　棚札を貼り替えるために専用のチームが編成され１ヶ月かけて（ほぼ）作業が終わった。新しい棚札にはバーコードが印刷されていたので入庫した場所を手入力しなくて済むという長所があるにはあった。それも貼り替えが終わる頃には汚れて読めなくなった。新しい棚札は総務のプリンターで印刷しただけのシールだったからだ。ドットが見えるやつ。

　慣れるしかないし、実際慣れたのだが、ホラ大丈夫だっただろで済む話ではない。大丈夫だったはプラスゼロで上積みがないからだ。ひょっとしたら何か良い方向の変化があったのかもしれないが、とにかく検証だけはされないので分からないままなのだ。Ｍ＄やグーグルが頻繁にＵＩを変更してくるのはこれだと思っている。

　『ロバに乗るのに慣れている人は、馬には乗らない』（アフリカのことわざより引用）
　https://twitter.com/africakotowaza/status/1646437071123279872