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2009.06.25
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カテゴリ:理系大学院
●東大の研究者のたまごは厚遇されているのか?●


 以前、共同通信が「東大大学院生もつらいよ 親の年収下がり就職厳しく」
という記事を報じた。これは東京大学学生生活委員会学生生活調査室が、
実施した、第54回学生生活実態調査の結果を、ニュースソースとしており、
学内広報No.1325で公表されている。

 見出しには「親の年収下がり就職厳しく」とあるが、どうもそれだけでは
なさそうだ。果たして、東大の研究者である大学院生は、恵まれた環境にいる
のだろうか。文系と理系という切り口で、調査の内容を掘り下げてみた。


● 理系はアルバイトでも大学から出ない!?

 修士課程、博士課程を問わず、東大の大学院生の約半数49.8%が、一カ月以上
の継続的なアルバイトをしていると、回答している。前回5年前の調査から比較
すると、3.1ポイントの微増で、前回は塾講師、家庭教師が、過半数を占めていた。

 だが、現在は39.1%と13.5ポイントのダウン。伸びているのは、前回無かった
TA(ティーチング・アシスタント)とRA(リサーチ・アシスタント)が、約4割
を占める。

 博士課程では6割が、TAとRAに依存している。但し、理系では軒並み半数に
上るものの、文系ではTAやRAの募集自体が少ないため、1割に満たない研究科
もあり、その分、塾講師や家庭教師が増えている。一般事務やサービス業などの
アルバイトをしている、大学院生も文系に偏っており、理系はアルバイトでも大学
を離れず、社会と断絶している様子が伺える。しかも、アルバイト収入の使途は、
7割弱が生活費で、アルバイトの理由の過半数が、生活費を稼ぐため、となっている。

● 就職は理系が有利!?

 就職についても、理系の過半数が、既に決まっている(22.7%)、見通しは明るい(7.0%)、
何とかなる(34.7%)なのに対し、文系ではかなり厳しい(32.8%)、見通しが立たない
(19.7%)が過半数と逆転している。

 就職の情報も公募で探すほか、自己収集がほとんど。文系は6割強が研究・教育職、
いわゆるアカデミック・ポストを希望しているのに対して、理系は4割弱だが、
国立研究機関や企業の研究職など、への希望も4割弱ある。理系の就職については
現実的な選択肢があるのに対して、文系には現実的な選択肢がないことが、浮き彫り
にされている。

● ポスドク問題への対応を要望

 このようなあまり良くない、就職事情を反映してか、大学への要望では、
「オーバードクター問題や、ポスドク問題への対応」が、多くの研究科で1位を占め、
ほぼ同じポイントでの2位に、「奨学金などの拡充や増額」が挙げられている。

 自由記述では「大学で指導する教員は、研究に対してはプロであっても、教育に
対してはプロではない」「すべての研究者が、教育能力があるかというと、そうで
はない」(いずれも博士課程学生)など、多くの大学院生が、進路として希望している
大学教員の教育能力について、指導教員には直接は言えない疑問が、垣間見られる。

● 裕福な家庭の子どもだけが、大学院に進学しているわけではない
 
 「奨学金などの拡充や増額」を希望するほど、大学院生にはお金がかかるのだろうか。

 家計の年収も共同通信では、独身の年収平均では915万円で、下がったと報道
されたが、既婚者も入れた全体の平均年収は907万円。しかし、250万円未満も8.7%、
450万円未満まで、広げると2割になり、年収の分布は幅広く、裕福な家庭の子ども
だけが、大学院に進学しているわけではない。

 食費、住居費、光熱費などの生活費の支出総額も、月間平均は約15万円で、
9万円未満で3割弱を占めている。首都圏で月間10万円程度では、決してよい暮らしは
できないだろう。

● 収入不足を支える奨学金の功罪

 参考文献など書籍購入費、学会参加費用などの研究費の自己負担額は、平均で169万円
だが、10万円までが過半数を占めている。さらに、学費は年間52万円(博士課程)。

 そして、生活費では年間平均にすると、180万円程度かかる。一般的な大学院生として
年間250万円にもなる支出を、補うために奨学金を利用する人が46%、その使途の
9割弱が生活費となっている。

 奨学金を受けている人の74.6%を占めるのが、日本学生支援機構(前身は日本育英会)
からだが、奨学金を受けなかった人の理由の中には、「貸与なので申請しなかった」が
23.9%いる。
就職も決まるか分からないのに、借金をすることへの不安がうかがえる。

● 努力して進学した大学院生と、就職先が見つからない女子学生を、同列で考えるべきか
 
 世の中には「研究者だけ厚遇されるのはなぜか。就職先が見つからない女子学生
のため税金が投入されたという話は、聞いたことがありません。博士号を取るほど
優秀であれば、自分の進路は自分で切り開いてほしいものです。」などと、来年度に
文部科学省が、概算要求した「科学技術関係人材の、キャリアパス多様化推進事業」
を皮肉る声も聞こえる。

 はたして研究者は厚遇されているのだろうか。女子学生は努力をしても就職先が
見つからないのだろうか。少なくとも選抜を経て、大学院に進んだ学生の努力を支援し、
恵まれていない、日本の研究者環境を良くすることが、科学技術振興につながらない
のだとしたら、日本も終わりだ。


・・・ライブドアニュースより



参考:
大学教授になるのに、必要な学歴は?

大学教授と弁護士、どちらになるのが難しい?









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Last updated  2009.06.25 16:55:56
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