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カテゴリ:小説(女性作家)
読み終わったら手放すつもりで、数年ぶりにページを開いた。
四分の一ぐらいまで、読みながら「あ、これ好きな感じ」と思った。 頭を打ってから記憶があやふやな「私」。 二度の結婚を経て独身の母と、父親の違う幼い弟。死んだ妹、妹の恋人だった小説家。 妹の恋人と、そういう仲になってしまったあたりから どんどんあれあれ、面倒臭い方面に。 後半はほぼ、不思議ちゃんたちのオカルト話。 それから、手元にあるのは1997年に刷られた角川文庫なのだけど 表紙をめくってすぐに、その、当時の吉本ばななさんの顔写真があって それが、ページを捲るたびに目に入っちゃうのが、なんとも。 この主人公の「私」のイメージが、個人的に好まない風貌のばなな氏と重なってしまって辛かった。 ...悪口になってしまったけども、 好きな描写や、言葉もいっぱいあった。 ちょっとドキッとしたのは 「町でよく見かける、外にいるのに服装も顔も室内のままな人。のっぺりして反応が鈍く、人の目を見ない、ゆるみきった人。」 ああ、私危ない。 服もちゃんとおしゃれするし、メイクもするけど 最近の私は気持ちが「よそ行きモード」じゃないままに、部屋の延長みたいに飲みに出かけてるな、と感じてた。 のっぺりした女になってるかもしれない、気をつけよう。 この小説への一番の不満は サイパンのコズミズ・サンドイッチが「どんな風に美味しいのか」書かれていないこと。 今、サンドイッチという単語を書いただけで、思い浮かべたのは 読み終えたばかりのこの『アムリタ』ではなく うんと昔に読んだきりの『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の キュウリの入ったサンドイッチだもの。 え、そんなに食べ物の描写が欲しいなら、東海林さだおでも読んでおけって? アムリタ 上巻/ 吉本ばなな お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 16, 2015 03:20:27 PM
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