テーマ:西海国立公園(208)
カテゴリ:Goto Islands
今年8月1日町村合併により、下五島は五島市、上五島は新上五島町が誕生しました。新上五島町は奈良尾町、若松町、有川町、上五島町、新魚目町の5町合併で26000人の町になったのですが、往時は各々8000人合計40000人いた人口も半減近くに激減したのです。
嘗て、五島鰯の本場と呼ばれ漁業が盛んで、リアス式海岸に富んで風光明媚な所として知られた五島列島も漁業不振に陥り、人口減が未だ止まらず続いています。 昔日には漁業関係者があまりの大漁を祝して、公民館を一括寄付したりすることもあった様ですが、夢の又夢となり、漁業不振と共に、若い世代の就業に応じられる産業が無いことで、島外への流出が止まらず、段々と老人と子供の島になって行きました。 そこで離島振興助成金による護岸工事、道路建設等の公共工事に頼って生活をする様に変貌したのです。 リアス式海岸の磯が埋め立てられ海岸道路になり、各漁港には防波堤、波止が、波打ち際には大量のテトラポッドが、意味もなく増強されて行きました。 見て下さい、この夥しいテトラの数と高い護岸・防波堤工事の結末を! 正面に見える磯は、サザエが豊富な所で、背の立つ浅い所でも手づかみで取れていたのですが絶えてしまった様です。見えにくいのですが、此処でも防波堤と山林から土石流防止柵が設けられましたので、山から栄養が途絶えてプランクトンが育たず、繁茂していた海藻も死滅して海焼けの状態になってしまいました。以前は海藻で茶色に見えた海中も岩が剥き出しで白くなってしまい、海が死のうとしています。 昔は小学生達が海水浴をしながら、サザエを取って磯で焼いて食べていたものでした。 五島の生きる道は、環境汚染の無い養殖漁業の推進、日本には珍しいカトリック教会等の観光資源活用、国境を利用した中国・韓国との海上通商、等を自立的に活発化させることにあるのだと思うのです。 本日(8月29日)行われる新町長選挙、旧態依然たる公共事業依存を叫ぶ候補者二人の争いに過ぎませんし、その一人は建設業社長の弟で兎角、その建設会社への発注肩入れが噂される人物、町として自立するには程遠い感があります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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