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PLAYWORKS岸井大輔ブログ

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2004.06.10
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カテゴリ:カテゴリ未分類
木室・松山と市川でポタのリハーサル。主に手児奈でボーっとする。

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人物の継続性について(人間と人の生成と消滅―3)―1 (演劇の形式化 2004 3-3-1 6月9日の日記の続き)

ところで、私達はこれまで、他者との関係が消滅し、コミュニケーションが成立しなくなると、人間は消滅すると議論してきた。しかし、現実には、他者との関係が成立し、コミュニケーションが成立して、人間が生成したときに、その人物が新しいとは考えず、人物が変形したものであり、その人物は消滅したのではなく継続していると考えるのが一般的だ。今、この考えを、「人物の継続性」と名づけ、私達が考えてきた形式によって、人物の継続性を検討してみる。
人物の継続性は以下の図式Aで示される。

A: 人間x)人 → 人 → 人間y)人

ある人間xは、他者との関係が消滅しコミュニケーションが不成立になることで、人になる。そして、他者との関係が生成し、コミュニケーションが成立することによって、人間yが生成する。このとき、人間xと、人間yは、同一人物と考えられることがある。これが「人物の継続性」である。
ここで、人間が違うにもかかわらず同一人物として継続するとみなす場合、多く、名前や身体が同一であるからだと考えられるようだ。そこで今仮に、同一物と見なされるものをzとしてみよう。zは例えば、名前や身体である。
ここで、同一物zが人間に属するか、人に属するかを検討してみると、もし、人間に所属するならば、人間xの消滅の時点で消滅するし、人間ではない状態の時、すなわち他者との関係がなく、コミュニケーションが不成立なときには存在せず、人間yが生成する時点で新たに生成せねばならず、zがこの3状態に継続していると考えることはできない。よって、zは人に属する。
そこで、図式Aに同一物と見なされるものzを加えると、以下の図式Bを得る。

B:人間x)人z → 人z → 人間y)人z

もちろん、人であり、zではないものもある。例えば、入れ歯などを考えてみよう。ここで、図式Bのように、人を人zと表記すると、人にはz以外を含まないように見える。そこで、

人=z+α

と示し、人は、zとzでないもの(この場合はα)によって構成されていることを示す。
このzでないものは、時とともに同一ではないものを含む。そこで、誤解を避けるために、図式Bを以下の図式Cのように書き換える。

C: 人間x)人=z+α → 人=z+β → 人間y)人=z+γ

人間が消滅し、新たに生成しても、継続しているように考えられる部分zは、人間ではなく、人に所属するといえる。
従って、例えば、名前、より正確に言えば、その継続性を呼ぶための固有名詞は、人間ではなく、)人である。だから、固有名詞は、他者との関係や、コミュニケーションに先立ち、コミュニケーションや人間の生成や消滅によっても影響されない。
しかし、この結論はいささか奇妙ではないだろうか?





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Last updated  2004.06.15 14:11:35


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