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昼 ポタライブ船橋 ふねのはなしはないしょのまつり
普通にやれました。お客様に、感謝をささげます。ありがとう。 夜 ポタライブ船橋 青恋 演劇は、本当に正直だと思う。見える。 *** 短期集中連載ー3 (おとといからの続きです。今日から読む方は、お手数ですが、戻ってください。) お客様からいただいたお金を、パフォーマーと作家の人件費にだけ使い、質の高い演劇を提供できるシステムの一つとして、考えついたポタライブ。考え付いただけでなく、やってみよう、と思った。 2003年4月。ポタライブをはじめたときに考えたのは、こういうことだ。お一人様二千円いただくとして、お客さま10人で二万円、キャスト4人で割れば五千円。もし、一ヶ月毎日やれば、15万円の収入になる。 おお、チケット収入で、生きていけるではないか。 思いついたときから、いくつかクリアしなければならない問題はあった。まず、何本かのレパートリーが必要だ。(最初は30作品、などと恐ろしいことを考えていました。)次に動員がのべ300人にならないと、絵に描いた餅だ。最後に、二千円の質を作り出せるのだろうか。 この3つを解決する計画を立てた結果、2006年の秋には、一月連続公演が打てる、という結論にいたった。2003年4月に、300円の代金で5人相手にポタライブを始める前に、ここまでは考えていたのだ。 アーティストの仕事は創造だから、可能性の提示まで、だと考えている。「ほら、この形式ならば、面白い演劇をたくさん作れて、お客さんも喜んでくれて、みんな生きていけるじゃん!」というメッセージが伝わればいいと思った。そう、僕の作品は、一本一本の作品もそうだけれど、このポタライブという形式がありえることそのものが、そうなのだ。 「アーティストは、十分にクリエィティブでありさえすれば、生きていけるんだよ」 僕は、全力でそれを証明したいし、そう言いたい。だから、ポタライブのテーマは、本当は、ここにある。 付随的であるが、このテーマのためには、つまり、ポタライブがジャンルであるためには、僕が特権的に作れるんじゃなくて、誰が作っても、その人の才能と努力に応じてちゃんと作品となることを証明して見せる必要もあった。だから、田口アヤコさんの存在は大きい。(青恋、面白かったでしょう?) このテーマを示すまでが、僕と木室の仕事だと考えた。 だから、2003年4月に、2006年秋に一ヶ月公演をして、そこで、FINAL、ということは決まっていた、のです。 なぜ今回で終わりなのか、という問いへの、本当の答えはこれです。 「予定通りです」 *** さて、しかし、この4年かけての作品そのものは失敗したと認めざるを得ない。 話をわかりやすくするために、現実に基づいて話しましょう。今回のファイナルの平均動員は一回あたり、8名弱です。通し券もあるので、7. 5名と計算し、一回1万5千円の収入とします。これで、3人の出演者に5000円ずつのギャラを支払うことができます。 んが!ポタライブ、キャスト4人の演目もありますね。はい、破綻。 さらに、このギャラには、交通費も含まれています。だって、ほかに収入源ないもん。 さらに、このギャラには、稽古日の人件費も含まれています。ていうか、稽古と本番に来る交通費くらいにしかなっていません。 いやいや、膨大な取材のお金は出ません。わははははは。 さらに具体的に。 今回のファイナル、30公演やっていますが、全演目に出なければ、15万円の収入にはなりませんね。 岸井は、青恋以外の全てに出ていますから、26公演で13万円。これは、まあ、なんとか月収になるといえなくもない。 しかし、次に出ている、木室・榊原になると、もう15公演で7.5万円。一ヶ月に15日も働いておいて(リハーサル日をいれれば、普通のサラリーマン程度には労働しているといえるでしょう)これでは、生きていけません。 あとは推して図るべし、です。 さらに、これには、当日パンフレットなどの印刷費が入っていません。(主宰の2人・岸井と木室のギャラを削って対応しているとお考えください) さらに、もっというならば、受付を一ヶ月やってくれている通称Kくんには一銭もお金が出ていません。 はい、普通の企業ならば、切捨て赤字部門ですね。 *** 問題は。 こういう話をすると、演劇の作り手のほうからは「甘えるなよ、好きなことやってるんだから、自腹きって当たり前なんだよ」という意見が来、客の方からは「もうちょっとまじめにお金の流れを検討して、食べていけるようにしましょうよ」という意見が多いということです。逆だよ、それじゃ。 いいですか。 こんなに、お金がなくても、演劇が続くのは 演劇が、人間に必要だからです。 そうじゃないなら、滅んでいますよ、こんなジャンル。 だから、演劇を仕事にする僕らには、 健康なお金の流れをする作品を作る義務があるのです。 もちろん、創作者の現実としては、今日明日をごまかして生きていくしかないでしょうが、 そこまで戻って考えないのはおかしいですよ。 *** ということで、ポタライブFINAL 財政的にはとんでもなく破綻しています。 まあ、PDSをまわす、という観点で(笑)前向きに検討します。 こんなの、本質的には、客単価をあげるか、客の数を増やすか、なわけです。(助成金とかの話は考えるところはありますが長くなるので割愛) つまり、もっとずっと圧倒的によい劇を、このシステムで作っていけばよいのです。 一人1万円いただけて、今と同じ動員ならば、食えるんですから。(一万円にはしませんよ!比喩) FINALにした理由は、予定通り、なのだとしたら、 まだ、予定は完遂されていないので、終われない、のですよ。 ポタライブで食う可能性を提示するまでが作品なのですからね。 *** で、話は、やっと、オチに向かいます。 ポタライブの目標であり、テーマであることが「質の高いパフォーミングアートを劇場システムに頼らないでつくり、お客さんのチケット収入が健全に創作者を生かす可能性の提示」にある、というならば、一つだけ、僕たちには、検証のしようのないものがあります。 「質の高い」です。 実際、FINALのパンフレットで呼びかけたのにもかかわらず、今後ポタライブの次をお金を払って買ってくださるという名乗りは(つまりスポンサードしてくれる地域や団体は)一つも挙がっていません。順当にいけば、本当に終わってしまうということです。 お客さんからは「ポタライブ、売りやすそうですね」といわれますが、いいえ、ぜんぜん。4年間、名前が売れても、買ってくださるありがたいお話は数えるほどです。営業が足りないんじゃないかって?それはそうでしょう。でも、一本あたり、3ヶ月取材して作るというポタライブをやりながら、営業を続けるのは、とても困難なのです。 でも、営業のせいではなく、ポタライブがつまらないから、なのかもしれません。 それならば、しょうがない。 アーティストとして、おとなしく、やめます。 でも、平均リピート率が3回という演劇がつまらないとは、僕には思えません。 なので、質が高いのならば、それは、見たお客様が、知っていることである、という可能性に賭けます。 僕らを評価してください。 受付のKくんと、ギャラを差し止めている主宰の岸井・木室を、いや、全関係者を救済してください。 今までの話の流れでわかりますね。お金で、です。 岸井のサイトには、寄付のお願いがあります。 「 岸井大輔は活動資金の寄付を歓迎します。 応援するお気持ちを下記口座までお振込みください。 横浜銀行本店営業部 200 1711218 振り込まれたお金の使用先は、今後、 会計報告のサイトを作ってご報告いたします。 よろしくおねがいします。 」 ポタライブにかかわってくださっている皆さん、本当に、お金に困っています。 みんな無駄使いなんてしません。毎日の食事にします。 チケット代金を払ってみているのに、なんで寄付まで!と思われた方には、不快な思いをさせてしまって申し訳なく思います。 でも、お客様からお預かりしたお金を、ちゃんと出演者に還元するこのシステムを、ここで息絶えさせたくないのです。 キャストやスタッフに、その労働の対価が払えないのならば、遠からず、ポタライブは本当にファイナルになってしまうことでしょう。 今、延命させていただければ、ポタライブを続け、必ず、お客様も出演者も世界も喜ぶジャンルに育て上げて見せます。 どうぞ、よろしくおねがいします!! もちろん、スポンサードしてくれる地域や団体からのお金の流れが、この問題を解決してくれるのが一番よいわけです。ですから、営業していただけることは、寄付をいただくよりもはるかに、僕らの質を認めることになるでしょう。 そして、 口コミでポタライブを推薦して下さっている皆様が、 僕らの質を一番証明してくれています。 本当に、本当に、ありがとうございます。 どうか、世界に、一本でも多く、普通に面白い演劇が生まれますように。 (おしまい) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.16 00:40:08
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