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PLAYWORKS岸井大輔ブログ

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2006.10.17
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カテゴリ:カテゴリ未分類
ポタライブ船橋編 ふねのはなしはないしょのまつり 最終回

登っている。よしよし。

***

ポタライブ船橋編終了。

さて、船橋、都心から遠いにもかかわらず、FINALに2作品もいれたのは、もちろん、この2作品がポタライブを代表するものだからだけれども、なぜ、それが船橋で2つもあるのかというと(FINALで1地域に2作品以上が並ぶのは、船橋以外では、吉祥寺だけです)それは、そこに、ポタライブが一番お世話になった

NPO法人 コミュニティーアート・ふなばし

が、あるからです。

このNPOは、団体としても構成員一人ひとりをとっても、いまや、本当にすばらしい。ので、言挙げして褒め称える必要もないとは思っているのですが、感謝もあり、紹介します。
市民活動は、市民の生活を守るために、市民社会になくてはならないものです。官だけでは腐敗が企業だけでは搾取が必ず起こってしまうという経験則の上にある。
ポタライブをやっていて、市民活動家や団体とは、たくさん出会い、話をしました。しかし、金儲けにも、名誉にも結びつかないこの活動は、人材を生み出しにくいし、組織を育てるのも難しい。それこそ、腐敗と搾取の温床になっているところも多くありました。
コミュニティーアート・ふなばし は、ちょっとずつですが、いつも常に、理想の市民活動に近づきながら、歩いているように感じます。それは、彼らが、本当に心から、市民社会にとって、金にもならず名誉にもならないアートというものが必要だ、と信じているからなのでしょう。
彼らの特におもしろいと感じさせてくれるところは、船橋の住人で構成されているわけではない、ということです。言い過ぎかもしれませんが、コミュニティアートのNPOが必要な地域として、船橋を「選んで」活動しているのです。ベットタウンとして急速に肥大化し、市民活動が必要な場所として。彼らの、ポタライブやアーティストへの依頼はいつも本気で「まちに、アートを」でした。だから、彼らが、通算では、一番多く、ポタライブにお金を回してくれた団体でもあります。
僕らは、船橋で3本のポタライブを作ることになりました。今回上演の2作品と「ルーチンワーク」どれも、力の入った作品で、ポタライブを語るのには欠かせないものばかりです。結果、再演可能な2本がBEST版に入ることになったのです。
コミュニティアート・ふなばしがなければ、僕は地域というテーマを、活動の結果、非現実的だとして退けていたと思います。希望を提示するのが仕事のアーティストに対し、現実的な希望を与え続ける稀有な団体です。
本当は、コミュニティアート・ふなばしのメンバーを一人一人紹介して褒め称えたいのですが、名誉よりも大義で楽しげに活動している彼らにはふさわしくないと考え、やめておきます。でも、ユウタくん、受験勉強がんばってね、と応援はしておこう。

ありがとうございました。今後も、よろしくおねがいします。

***

短期集中連載(10月13日ー10月15日の日記参照)へ、本当にたくさんご意見をいただいています。ありがとうございます。
この話が、今まで私がこのブログでした、どの演劇に関する議論よりも、注目を集めたことに、私は希望を見出します。僕ももっと勉強したいと思いました。

さて、フリンジ様からトラックバックをいただきました。
http://fringe.jp/blog/archives/2006/10/17141554.html
うれしいです。
しかも、応援です。ポタライブの内容に対し、ポジティブな紹介。ありがとうございます。さらに、その上で、私の、この議論に対して、大筋共感していただいていると読みました。

このトラックバックを読んで、自分が、言い足りていなかったところ、誇張だったなと感じたことがあり、応答の形で補足させていただきます。

取材費と劇作費用は、吉祥寺編以外、すべて、そのポタライブを作ったときの依頼主からいただいています。だから、膨大な取材費はチケット収入でまかなえなくてもいいのです。2003年4月-2005年8月、ポタライブをメインに活動していた時期、僕は演劇活動以外の収入を得る努力を一切せず、演劇活動のみをすることができました。新作を作ることによって町からギャラを得ていたのです。これが僕の割愛したスポンサードの話の一部です。最初から、このお金の流れも計算に入れて4年間の予定を立てていました。ただ、ビジネスモデルにはなっていなくて、まだ、運によって左右されていますね。今やっているような、ポタライブによった企画(町よりではなく、全面的にチケット収入をあてにした企画)だと、あっという間に苦しいことになってしまうのです。(演劇外のバイトを少ししていた2005年9月以後というのは、つまり、ポタライブではない公演をするための劇場費用を稼いでいたのです。)
僕が、劇場費とそれに付随する費用を十把一絡げに悪くいったような部分については、いいすぎだったなと思います。(一銭も残らない、なんていい方は、大袈裟に過ぎました。)若いころの違和感を正直に表明したにすぎません。劇場システムを有効に使って健康な金の流れを作り出すことに成功している人が多いことも今は知っていますし、そのための努力は、俳優や劇作家の苦闘と同じく、演劇を支えている重要な要素として、広く称揚されるべきです。ただ、演劇でお金の流れを健康にしようとすると、大劇場かロングラン公演をめざすことになりやすいを現状には、今でもおかしいと感じています。現代演劇の成果の重要な部分が、大劇場では表現されえないのですから。

ポタライブの定員は、上限15名で設定しています。もし、30公演すべて15名満席ならば(笑)、リハーサル費用とスタッフ費用は支払えました。したがって、失敗といわざるを得ない、というのは、見栄をきっているだけです。正確には、システムとしては、いけているといまだに考えているが、動員450人を達成できなかったことは、僕らの反省点である、と考えています。つまり、フリンジのブログでおっしゃられている、新しく見る人への敷居を下げる努力が足りなかったという問題意識を、僕らももっていて、とても反省しています。
僕ら自身のホスピタビリティを向上させる必要もありましょう。しかし、私は、切に、ポタライブをネタにホスピタビリティを振るってくださる、制作者を、ここで求めます。(フリンジから、読みにきていただいた方も多いでしょうから。)あなたが、満席にしてくだされば、俳優と制作者で、お客様からの収入を山分けし、それで、生活していけますよ。いかがですか。
そう、この4年間をふりかえって、今、一番大きな反省は、制作者との出会いを求めることに注力が足りなかった、ということです。上演システムへの疑義から始まった形式なのですから、一緒に専任で活動していただける制作者を獲得することは、コンテンツ作りと並んで大事なことだった、と。ただ、場を求めるキャストや、作品を求める依頼主は、僕らがコンテンツに注力しているだけで、向こうからみつけてやってきてくださり、主体的にポタライブにかかわってくださった。制作的な議論をもって、ポタライブに参入し、継続して活動てくださる方は4年間では、ひとりもいませんでした。

堂々と、チケット代に転嫁すべし、というご意見は、ほかのお客様からもいただきました。そのとおりですね。「寄付ではありませんが、参加費が安く感じたので、その差を払います」というリアクションもいただいています。どうどうと、4000円程度のチケット代金をいただける作品作りを目指していきたいと思います。

最後に。ポタライブの金銭的な意義は、今のところ、劇場システムを排するところにあったということはできません。が。ポタライブの意義は、劇場システムを排しても、質の高い演劇が提供できるという可能性の提示にあったことは揺るぎません。ですから、最終的には、金銭的にも、そういえることを目標とし、歩いていきたいと思います。





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Last updated  2006.10.19 18:03:58


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