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3人は、ミュルスに着くとライルさんをおくることにした。
すると、案内されたのは宿屋だった。 一階が食堂兼酒場、二階に部屋があるというよくあるところだ。 「どうぞ。」 「あ、どうも。ありがとうございます。」 昼間なので誰もいない食堂のテーブルに座っていると女の人がお茶を煎れてくれた。 「家の人がお世話になったようで。」 お、奥さん……なのかな…… 「いえいえ、私は何も。助けたのはウォードですから。」 「たいしたことはしていない。助けるのは当然のことだ。」 『ウォード様らしいですわね。』 『何も考えてないだけだろ。』 『うぉーどはやさしくてつよいの』 『はいはいそーだな。』 『何ですのその気のない答えは。』 ……3人ともうるさい。 「ウォード様……ですか?私ライルの妻のフィーナと申します。」 茶色の綺麗なロングヘアーの女性が深々と頭を下げる。 いいなぁ……うらやましいなぁ……なんて言うか立ち居振る舞いが綺麗。 っとといけない。 「あ、私はエレナと申します。」 慌てて挨拶をする。見とれるところだった。 「はい。エレナ様ですね。」 と、そんなやりとりをしていると、ライルさんが戻ってきた。 「すみません。お待たせして。」 「いえ、お気になさらず。」 「それで、わざわざ引き留めたのは何故だ?」 「はい、それなんですが。私は宿の経営の合間を見ては機械いじりをしていまして……ちょっと時間をかけて完成させたい物があるんです。」 「飛行機械か。」 「はい。それで、お二人に完成するまでの間でも良いのでアルバイトとして雇いたいのです。」 「そう言うことなら……。」 「引き受けよう。」 「あ、ありがとうございます。」 ライルさんは立ち上がって私の手を取りぶんぶんと振った。 では、と手を離し。 「早速今日からお願いできますか?」 「あ、はい。かまいません。」 「問題ない。」 そして、仕事内容と打ち合わせをして。二人はそれぞれの部屋に荷物を置いた。 荷下ろしが終わるとエレナはカーテンを閉めて合図をする。 「ふぅ…。」 『あー、人形の振りってのは疲れる。』 こきこきと首を鳴らす振りをしながら体をほぐす柘榴。 「動けないもんねー。」 『でも、そんな事言うならば、迷彩をかけて居ればいいのですわ。』 『演算がめんどくさいじゃないか。』 『その程度の計算でめんどくさがってどうします。』 やれやれ、またいつものが始まった。 ホントなか良いよなぁ、この二人。 ……あふ。何だか眠い。 ちょっとだけ仮眠を取ろうかな……。 『エレナー、エレナってば。起きなよー。そろそろお仕事の時間だよー。』 …なぜ琥珀の声が聞こえるんだろう… …あの子は今セイラの所に行ってるはずなのに… …夢か… 『琥珀…帰って来るなり…何やってんだ?』 『いや、その…起こしてるんだけど。』 『見りゃわかる、じゃなくてだ。エレナがそんな事で起きるわけ無いじゃないか。』 …柘榴…失礼な… 『え!?そうなの!?だっていつもは…。』 『いつもちゃんと起きていらっしゃるのは起きる時間に会わせて寝ていらっしゃるからですわ。』 『そうだったのか…。』 …あう瑠璃にはばれてたのね… 『と言うわけでこういうときは……こうするんだ!』 スパンッ! 「……。」 無言で起きあがる。 「おーはーよーうーざーくーろー」 頭をぐりぐりしてやる。 『あいだだだだだだだ』 『と、こうやって起こしているのです琥珀。』 『は、はぁ…。』 琥珀は床に落ちているハリセンを拾い上げる。 『他に方法はなかったの?』 『いろいろやってみましたけど、これが一番平和で効果的でしたの。』 『あいててて、何処が平和なんだか。』 「全くね。で?ウォードが読んでるって?」 『う、うん。お仕事だって。』 「わかった。すぐ行くって言っておいて。」 『わかった。』 「そうそう琥珀。」 『ん?何?』 「セイラの所は楽しい?」 『ん~、そうだね……いろいろあってびっくりするけど楽しいよ。』 「ならよかった。」 そういうと、エレナは鏡の前に座って身なりを整える。 『んじゃ俺らはおとなしくしてるわ……』 そういうと、こてんと柘榴はベッドに横になった。 『ひすいもおひるねするー』 といって翡翠が柘榴の背中にぴとっとくっついた。 『こら翡翠……離れろって。』 『ざくろといっしょにおひるねするのー』 『……はぁ、好きにしろ。』 『やったー』 「……仲良し兄妹。」 『うっさいわ』 「じゃあ瑠璃。後はよろしくね。」 『任されましたわ。』 部屋を出て一階に向かう。 フィーナさんに挨拶をして仕事につく。 「エレナさん……何か良いことでもあったんですか?」 「わかりますか?」 「えぇ。」 と、ここで油断していたのがまずかったのかもしれない。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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