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最近、昼も夜もにぎわっている噂の店がある。
それまで取り立てて良い店でもなかったのだ、今でもサービス自体は変わっていない。 にぎわっているのはおそらく、最近そこでバイトをしている二人の男女が原因だろう。 その宿屋一階の食堂兼酒場で、エレナはウェイトレスの格好をして…… カウンターに肘をついていた。 「いい加減三日目ともなるとこの光景にもなれてきたけど……。」 この手の酒場にはにつかない華やかな雰囲気の一団を見やる。 かーん、かーん…… 酒場の一角にて一人の男性を若い女性が取り囲んでいる。 「ウォードって人気あるんだなぁ……というか、何故あの冷たい応答で嫌われないのか不思議でならない。」 じとーっと睨み付けながらつぶやく。ウォードガ気づく様子は無い。 今ウォードはいつぞや着ていた執事のような格好をしている、理由はフィーナさんが「この格好の方が良い。」と言ったからで、私としては違和感きわまりない気がする。 現に、普通のお客さんたちは微妙な目線をおくっている。 ちなみに、応対の方は完璧で、ウォード曰くウォードのための支援衛星と言う物があり、奇跡的にも無事だったそこからマニュアルをインストールしているのだとか。 かーん、かーん…… まぁ、エレナも今は暇そうにしているがこれが夕方になってくると立場が逆転するわけで、夜はウォードがカウンターにつくことになるのではあるが…… しゅぃぃぃぃぃぃぃぃ…… むしろ、お客さんはこの音の方が気になるのではないだろうか。 まぁ、何をやっているのかは近所の人なら知っているわけで、嬉々として機械をいじるライルさんの姿が目に浮かぶようではある。 さて、暇なようだし腕慣らしも兼ねてちょっとやりますか。 「よしっ。」 軽く気合いを入れて壁に掛けてあるダーツの的の前に立つ。 「お?嬢ちゃん今日もやるのかい?」 「えぇ、どうするの?今日も賭けるの?」 「あぁ。中心の高得点の範囲に刺さらなかったらおごってくれ一本もはずさなかったら私がおごろう。」 「わかった。いくわよ。」 じつは、こういったナイフとかダーツとかを投げる技術はそこそこ自信があり自衛に使えるくらいの自信はある。 昔、趣味でやっていたのだが割とからだが覚えているらしく、おとといやってみたら見事全弾命中したわけで…… それから毎日このおじさんとは賭をしている。 ……おじさんと言っても私の方が実年齢は上なんだけどね…… 集中する、集中する、集中する。 集中するとだんだん、周りのことが気にならなくなってゆく。 そして、だんだん何も聞こえなくなってくる。 両手にダーツを構え指に挟む。 右、左、右、左、と交互に投げる。 様々に投げ方を変え回転もかける。 空中で回転しながら最後の一発を投げる。 カツッ 着地の音が聞こえ、世界に音が戻る。 回転したときにふくれたスカートが元に戻り、私は顔を上げた。 的を見ると、 「あぁ、一発はずれてる。」 おそらく最後の一発だろう、中心とはややずれた場所に刺さっていた。 「何をがっくりしとるんだ、あんな投げ方でここまでうまく投げられるなら文句ないじゃないか。」 「だって、賭に負けちゃったし。それに、どうせなら完璧を目指したいじゃない。」 「はっはっは、頑張るなぁお嬢ちゃん。なら、その行きに免じて今日の所はチャラにしてあげるよ。」 「そこはおごってくれる所じゃないの?」 「なーにをいっとる、賭に勝ったのはわしなんだぞ?」 そういって、おじさんは帰っていった。 そして夜。 「はぁ……つかれた……。」 帰って来るなり別途に倒れ込む。 『お疲れ様、エレナ。』 「うぅ~、ありがとう瑠璃~。」 『ウォードは?』 「ん~?そりゃあ私と同じであがりだよ?」 『そうか、ウォード?聞こえるか?……あぁ、わかった。今行く。』 いつになく真剣な様子の柘榴の様子に不審に思い起きあがる。 「どうしたの?」 エレナの問いに柘榴は。 『……戦闘用自動甲冑の反応がある。』 と、答えた。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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