忘れられない日々
死の淵を見た男著者:門田隆将価格:1,785円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見るこの本を読んで、当時の重い気もちを思い返した。3.11の夜、明かりのつかないへぉで手回し充電式のラジオに耳を傾け、激しい揺れが続く中、水戸から約30Kmにある東海第二原発のニュースがちらりとでも聞き取れないか、と耳をそばだてていたことを。3.27の夜、2号機の溜まり水から通常の原子炉の水の約1000万倍の濃度にあたる2.9ギガベクレル/ccの放射性物質であるヨウ素134が検出されたとのニュースを聞き、水戸から脱出する準備をした日のことを。水戸から脱出したとして、富士山は越えなければ安心できない。でも富士山を超えても最終的に、首都圏の人口を支えられる面積は日本のどこにも無い。海外に難民として脱出するしかないのか…とまで真剣に検討していた日々。今は少しずつ以前の生活に戻りつつあり、ともすれば記憶の中の出来事のようにさえ感じられる日々。でも忘れることはできない。危険は今でもそこに居座り続けているのだから。