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鏡の国の落としあな

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March 20, 2009
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カテゴリ:歴史と文学

グリム童話集は皆様、ご存知ですよね?

あの、赤ずきんちゃん、ヘンゼルとグレーテルとかの話が出てくるドイツの童話。

ではペロー童話集はご存知ですか?

なぜこんなことをいきなり聞き出すかというと、それはこの間彼氏君とした会話の内容からですが、それは以下下矢印のようなものです。

彼氏君    ソーセージが鼻についてとれなくなるっていう話はドイツの童話?

私      フランスのだったら知ってるよ

彼氏君    ボクの鼻にソーセージついてとれなくなったらどうする?

私      食べる食事。そしたらなくなる。

彼氏君    頭いいなぁ・・・・・

 

え?アホな会話してますねって??

ハイ、そうです。大抵私と彼氏君はこういうアホな会話しかしてませんうっしっし

まあ、そのことはおいておきましょう雫

で、先ほどの話、ソーセージが鼻について取れなくなる話はそのフランスのシャルル・ペロー(1628-1703)の書いた童話集にでてきます。

大体なあらましを以下、書きますね。

              ノート えんぴつ 

ある貧しいきこりが、自分の貧乏さに腹が立ち、「ぜんぜん自分の人生にはいいことなんてない、むごい神様は自分の願いをかなえてくれたことは一度もない」と嘆くと、そこへジュピター(ゼウス)が現れます。

「何も望みません、何も望みませんからお互い貸し借りなし、といきましょう、雷だけはご勘弁」

ゼウスは、「お前の嘆きに心をうたれてやってきた、お前の望みをかなえてやろう。お前の望むことなら3つまでかなえてやる。お前を幸せにするもの、満足させるものをよく考えて、3つ、願いなさい」といって、姿を消します。

喜んだきこりは、早速家へ帰り女房へこの話をします。

女房はとても喜び、「これは落ちついてよく考えなければね。金持ちにも王様にでもなれるんだから」といいます。

薪をくべ、そのそばに座りながらワインを飲んでたきこりは、ふと、こう言います。

「こんなに薪が勢いよく燃えてるときには1オーヌのソーセージでもあればいいんだがなぁ」

すると、暖炉の中からとてつもなく長いソーセージがえんえんと出てきます。きこりとその女房はビックリしますがびっくり、これがその願いのひとつだと知ると、女房は怒りだします。

「一国の王にだってダイヤだって何でも手に入るって言うのに、あんたって間抜けはなんだってこんな馬鹿なことをしでかすんだい怒ってる!」

「いやいや、悪かった、悪かった。次はもっとうまくやろう失敗

「いいえ、あんたみたいな間抜けのいうことは信じられないわよ、この大間抜け怒ってる!」

かっとなったきこりはまたしても「やもめになりたいショック」と、小声で願いをたてるところ、(左矢印ここでペローは、内緒の話ですが、それが最良の方法だったかも、なんて注釈いれてます)

「俺さまってえのは、よくよく苦労するために生まれてきたもんだ、畜生、くたばれ、このソーセージめ!!このウルサイがみがみ女め、お前の鼻の先にでもソーセージがくっついちまえばいいんだムカッ!」

すると、そのえんえんと長いソーセージはきこりの女房の鼻にくっついて離れなくなってしまいました。


Les-Souhaits-Ridicules_350x350.jpg

さてこれで2つ目の願いがかなえられたわけですがきこりは考えます。

「こんな不幸の後でも王様になろうとお思えば、なれる。しかし考えねばならん。鼻の先にソーセージがぶらさがってる王妃のことを。これはあれに決めてもらおう。ソーセージがくっついたまま王妃になるか、それともきこりの女房のままでいるか」

事態は十分に検討されました。きこりの女房も王冠の効き目は知っていましたが、それと引き換えに自分の鼻にくっついてるソーセージ・・・・・・・・・。

というわけで、きこりはあとひとつ残っている願いを嬉々として使いました。

大金持ちになるわけでもなく、一国の王になるわけでもなく、残りの願いを女房の鼻からソーセージを取り除くことに。

・・・・・・というお話です。

ペロー童話集にはかならず、最後にペローによる教訓が書かれてるのですが、ここにはつぎのようにあります。

これは本当のことですが、憐れな人々、無分別な人、軽はずみな人、落ち着きのない人、気の変わりやすい人は願いごとをするのに向きません。

彼らのうち、天のさずかる贈り物を 上手に使えるものは殆どおりません。

 

ペロー童話集には、グリム童話集と重なるものがたくさんあります。

赤ずきんちゃんもそうですし、シンデレラもそうです。これらは、もともとはフランスが発祥地の物語のようです・・・・というのも、この話をグリム兄弟はフランス出身の女性から聞いた話を書き留めた、とあるからです。

グリム童話独特のものは、ハーメルンの笛吹き(ドイツ語では『ネズミ捕り男』、といいます)、ヘンゼルとグレーテル、ブレーメンの音楽隊、などでしょうか。

私はフランス文学専攻でもドイツ文学専攻でもないので、この昔話とその伝承についてもっと詳しくお知りになりたい方は

- Marc Soriano : Le Dossier Charles Perrault

- Paul Delarue : Le Conte populaire francais

ソリアーノ、ドラリュ、この2冊の研究書を参考ください。日本語版も出ているようです。

 

さて、この私のブログに度々登場してる、赤ずきんちゃんならぬ、バカずきんちゃんは、今日このあと久しぶりに森へ行って、オオカミ君とデート、軽めのランマラソンをして来ます。






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Last updated  March 20, 2009 06:12:55 PM
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