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ここのところ復活の書評シリーズ。今回はアイルランドです。W杯ドイツ大会には参加できませんでしたが、日韓大会でその無骨なプレー振りが大いに注目されたことを思い出します
書名 物語 アイルランドの歴史 著者 波田野 裕造 出版社 中央公論 ISBN 4-12-101215-1 著者は作家でも、歴史学者でもなく、元アイルランド大使という外交官です。(まあその前には新聞記者だったようなので、物書きではあるのでしょうが) そのため、いつも私がこのシリーズに期待している「読んでおもしろい物語」は全くありません。 この本に書かれているのは、アイルランドとイングランドの闘争(というか、一方的な支配と反乱)の歴史です アイルランドの問題というと真っ先に思い浮かぶのがIRAですが、この本を読んで、その背景が少しは分かりました アイルランドフットボールの愚直さ、忍耐強さの根幹もこの長年に及ぶ支配の中での忍従があるのだという気がします それにしても、今も続く北アイルランドとアイルランドの間の対立を見るに付け、習慣や思想、そして宗教と言った精神的手段が、物理的手段(経済、武力等)よりもはるかに根強く他国・他地域を支配し、影響力を与え続ける、ということを改めて思い起こさせます 物理的手段による支配はそれを維持するために継続的な関与が不可欠ですが、精神的手段で深く浸透すると、被支配者内でその精神的手段の維持・拡大が図られるという側面もあるのではないでしょうか? そんなことを考えさせてくれた一冊でした <総合評価> お薦め度 ★★☆☆☆ <個別項目評価> 図表充実度 ★★☆☆☆ 重要な事件などを示す地図が少ない 物語の出来 ★☆☆☆☆ 物語性は、ほぼゼロ 年表の出来 ★★★☆☆ 記述量は多い お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年03月27日 12時15分28秒
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