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千葉県八千代市の塾「個別学習ヴァージャー」塾長のつぶやき、かなり大声?!(ブログ)

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色物物理学者対談 2… New! キラーコイルさん

December 10, 2008
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カテゴリ:カテゴリ未分類
「茜さす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」

額田王の有名な歌を思い出してしまったのは、
京都の有名な料亭「紫野和久傳」の素敵な頂き物が届いたからです。(^^)

紫野という言葉を久しぶりに目にして、
瞬間的にぼうっと脳裏に浮かんできたのは一人の女の子のこと。
それは僕がまだいたいけな高校生だった頃の話です。

耽美派として夙に有名な谷崎潤一郎、
彼の小説に出てくる女性と同じ名前のその子は、
京都の紫野高校から神奈川の高校へと転校してきました。

僕が初めてその女の子と出会ったのは、
予備校の春期講習を兼ねた合宿セミナー、
まだ肌寒さの残る箱根の地でありました。

合宿セミナーが終わってから僕とその女の子は、
今では半ば死語と化しているような、
「文通友達」になりました。
その頃は今とは違って携帯電話なんて普及していなかったし、
仮にあったとしても当時の僕は今と違って、
まだまだシャイで初心でもあったから。

折しも僕とその女の子は高校3年生、
そう受験生であったわけです。
その女の子は理系で僕は文系、
でも僕たちは二人とも本を読む事が好きでした。

その子は僕のことをほとんど、
ただの友達の一人だと思っていたようで、
それは鈍チンの僕にもさすがにわかってはいました。
だから僕はもちろん、
「好きです」とか「愛してる」なんて、
書くことも言うこともできるはずもなかった。
そう、そんなことを言って、
その子とのささやかで、仄かで、甘酸っぱい、
レモンティーの中に入った角砂糖のような、
かき回したらすぐに壊れてなくなってしまう、
ちっぽけな幸せを壊したくなかったから。


そんなわけで僕とその女の子の、
きわめてプラトニックなお付き合いは続いていった。
本当にとるに足らない話ばかりを、
僕は地雷原を手探りで避けて歩く亀のように、
細心の注意を払いながら進んでいこうとしていた。
僕たち二人の距離はいったいどれだけ縮まっていったのか、
当時の僕にはまったくわからなかったけれど、
その子から届いた手紙を積み重ねたくらいは、
近くなっていたのかもしれない。


結局、僕のオブラートで十重二十重に包まれた、
些かの下心も含んだ淡い恋心が実ることはなかった。
でも、そんなちょっと哀しい出来事も、
いまこうして良い思い出のひとつになっているから、
僕にとってはそれで十分すぎるのかもしれない。
いま僕はとても幸せだから・・・・・・・・・。










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Last updated  December 11, 2008 12:20:35 AM
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