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カテゴリ:MBA留学
9月にオペレーションの授業が始まったときは、なんでHBSに来て工場のサイクルタイムやリードタイムを計算しなきゃならないんだろうと思ったけど、教授がすごくいい人なので、だんだん授業が楽しくなってきた。
前も書きましたが、教授はRay Gilmartinという元メルクのCEOのおじいちゃん。 自分の経験に基づいて、結局オペレーションの確かさや、イノベーションする力によって、長期的に繁栄する素晴らしい企業ができるんだということを強調する。 日本企業のケースが多かったことや、いろんなトラブルがあって中間試験を二回受けたこともあって、個人的にもとても仲良くなることができた。 で、今日は最後の授業。 HBSの学期最後の授業は、教授が心に響く話をしてくれると聞いていたので楽しみにしていたのだが、他の科目ではあまり熱い話が聞けず正直がっかりしていた。 ただし、この授業は、さすが元CEOだけあって、いろんな人生のアドバイスを頂きました。 以下、心に残ったメッセージを抜粋。 読んで頂くとわかるが、どれも超あたりまえの話だ。 でも、あたりまえのことをきっちり認識して現実の世界で実行していくのって割と難しいし、人生にウルトラC級の秘策なんてないんだなあと改めて思う。 ----------------------------------------- 1) キャリア・プラン クラスの中にはこれから何をやりたいか、はっきり決まっている人もいれば、迷っている人もいるでしょう。でも、心配する必要はない。みんなはそれぞれ個性のある人たちだから、きっと納得のいくキャリアパスを歩めるはず。 私(教授)の場合も、HBSを出て、特に何をやりたいか決まっていなかったし、特にキャリア・プランも立てなかった。 でも、仕事をしているうちに、もっと責任のあることをやりたくなって、チャレンジしているうちに、CEOになっちゃったって感じです。 大事なのは、やっていて充実できる仕事に出会うこと。 あと、いろんなことを学んで、いろんなエリアのことがやれるオプションを増やしていこう、と考えるのも一手だ。 2) Work-life Balance いろんな考え方があるだろうけど、私は家族を最優先にすることにした。 家族を一番に置くと決めてしまえば、そこを出発点にいろんなことを考えるから、おのずと仕事のやり方も決まってくる。 もちろん、Work-life Balanceを保つのが難しい職種もあるけれど、優先順位を考えるのは大事。でないとごちゃごちゃになる。 3) 価値観 Reward will follow (後からきっと報われる) いかなるときも、倫理感と、周りの人に対する敬意を持ちなさい。 自分を攻撃する人がいたら、なるべく建設的に対応するようにしなさい。 これらを実行していれば、いつか必ず周りの人に助けられる日がくる。 “It is important to get things done. But it is more important to get things in the right way” 4) リーダーシップ メルクでは以下の4点をリーダーの基準としている。 - キャラクター(筆者注:これはよくわからん。自分の個性にあったリーダーシップをとれ、ってことか?) - 倫理観・勇気(正しいことを貫く勇気ってことかな) - Care for people(人に対する思いやり) - Communication(コミュニケーション能力) この4つの柱は大事だと思うから、忘れないでほしい。 みんなが今後意義のある人生を送っていくことを心から祈っています。 ----------------------------------------- 教授にとっても、学生に教えるのはこれが初めてなので、いろいろと大変で、学期を無事終えてほっとしたらしく、最後は感極まって声がつまってました。 いい年のおじいちゃんが涙ぐんでる姿は、とても世界最強の製薬会社を仕切っていた人には見えず、なかなかほほえましいものがありました。 あ、ちなみに教授も、HBS時代は物静かで発言が少ない学生だったそうです。 HBSでのしゃべりと、キャリアは相関しないことが証明でき、にんまりって感じです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 14, 2006 07:09:28 AM
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