書くことは無意味だと感じていた頃でも、書くことは苦痛ではなかった。書かない時期が長くなると、次第に書かないことが苦痛になった。無意味でも構わないから何か書いておこうと思うようになった。題名だけに本の名前を書いておき、関係のないことばかり書くのでもいい。書評としての役には、人にも自分にも立たないが、それは初心に戻ることでもある。決めてからは書くことが幾らでも浮かんできた。
小説は一本道を決めて、なるべく一人の作家のものを。それ以外は、手当たり次第気の向くままに。気に入りのテーマが見つかったら、そこから派生させて幅を拡げるというやり方で過ごしている。だけど大抵は数冊読むうちに、我慢出来ない文体やら、欲するものと違う情報やら、食傷やらに襲われて、あまり掘り下げないうちに次に移ってしまう。
そのようにして、ロルカへの邂逅から始まったスペイン書物行脚は、中丸明「ロルカ スペインの魂」(集英社新書)、堀田善衛「スペイン断章――歴史の感興」(岩波新書)、近藤仁之「スペインのジプシー」(人文書院)、で打ち切った。しかし、よく知らない外国のことを知るのはなかなか面白いと思い、次はアイルランドあたりを、と思って、間違えて借りてきてしまったのが本書。なので、後半は読み飛ばしが多かったのでそれほど書くこともない。
書く内容のあるなしに関わらず、とりあえずは一ト月ほどを目安に、本を読んだ後はいちいち何か記していこうと思う。小説の数は多くないだろう。
暑い夏だから、何もしないでいると、何も書かないでいると、少しずつ頭が熱に削り取られていくような気になる。思えば昨年は、暑さに導かれるようにして句作を始めた。そちらは今のところ行き詰まっているものの、うんざりする暑さは何かしら人に影響を与えるものらしい。「書いてしまったことにより、こぼれ落ちてしまうもの」については、今は深く考えないでおく。
岩波新書 2004年
>「書いてしまったことにより、こぼれ落ちてしまうもの」
確かにありますねー。言葉ってどうしてこうも不完全なんでしょう。でも言葉にしなければ何も始まらないし・・。
暑さは寒さよりも人に強い影響を与えるますよね。私、全く頭働きません。って、いつもか(汗)(2005/07/26 07:37:06 AM)
>猫のゆりかごさん
以前毎日のように更新していた頃読んでいた小説の内容、ほとんど覚えてないんですよね。それは寂しいなあと。小説以外の本については、かえって書いておかないと忘れそうで、まあとりあえず何かしら書いとこうと。
まあ結局忘れちゃうんですけど。次々と本を読むことは、次々と本を捨ててることと同じなんだなあとも思います。(2005/07/26 11:19:15 AM)