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テーマ:英語を仕事にもつ(12)
カテゴリ:英語・翻訳
「国連職員になりたい」と思っていたことがある。
単純に、世界中の人々の役に立つ仕事だと思ったから。そして単純に、国連職員になるには英語の勉強が必要だと思い、英語学科を受験した。 大学生活が始まり、掲示板に国連職員募集の掲示が出たのを見て、ガクゼンとした。 総合大学だったので、ありとあらゆる学部(医学、工学、情報、生物学、社会学、経済学などなど…)が対象になっていたにもかかわらず、英語学や英文学の学生は対象になっていないのだ。 考えてみれば当たり前の話で、国連では何らかの専門分野をもつ人が仕事をするわけで、英語だけできても何の役にも立たない。(もちろん、英語の運用能力は必須で、他にある程度フランス語の能力が求められていたと思う) 「国連職員」なんて、私など最初からお呼びではなかったのだが、最初から門を閉ざされていたことにショックを受けた。どうしてもその道に進みたければ、他の学部に入り直すなどすればよかったのかもしれないが、そんな根性はないので、釈然としないまま、あきらめた。 国連で働く日本人の数は、他の国々に比べて、とても少ないという話を聞くが、今の子供たちには、一人でも多く国連職員になる人が出てきて欲しいと思う。 そのために大切なことは、小さい頃から英語の勉強をすることではなく、英語以外の何か(英語以外ならたいていOKである(^ ^;)に興味をもって、その道を極めていくことだと思う。 英語は、専門の勉強をしながらついでにやっておく程度でも、何とかなるものである。必ず英語の論文を読むことになるし、専門の勉強をするために、海外の大学や大学院に行ったりすることが多いので。 国連で活躍する日本人の英語…かつて明石国連代表という方がいたが、彼の英語は、発音やイントネーションについては、ジャパニーズ・イングリッシュだったと思う。話す内容については、もちろんネイティブ・スピーカーと比べて遜色はない。 つまり、後から身につけた英語で、十分国際社会で活躍することができるということである。 実際、現在世界中の英語話者の3分の2は、non-nativeであるという。問題は、英語の流暢さではなく、話す内容なのだ。 (流暢さについても、音声学を理解し、適切なトレーニングをすれば、かなり成長してからでもネイティブ並の発音やイントネーションを身につけることも、実はそれほど難しくない) 将来「国連職員」になりたい人は、英語の勉強も大切だが、それはあくまでも二次的なものと割り切り、打ち込める専門分野を早く見つけて欲しいと思う。 (もちろん、国連職員以外の職業にも言えることである) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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