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コイケ日記

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2012.05.30 楽天プロフィール Add to Google XML

練馬区立美術館「バルビエ×ラブルール展」
[ 展覧会 ]    

 120529火曜日。
 職場が定休日なので出かける。
 バスに乗り西武池袋線の中村橋駅近くまで行く。そこから徒歩で練馬区立美術館へ向かう。
 「鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール アール・デコ、色彩と線描のイラストレーション」を観覧。
 素晴らしい展覧会である。
 個人的に強い印象が残るのは3点。メモを残しておく。

ピエール・ルイス著/ジョルジュ・バルビエ挿絵『ビリチスの歌
 淡いながらも鮮やかな色彩の挿絵。バルビエの原画が版画となっている。活字もオリジナルで作っているらしい。どちらも木版(!)とのこと。
 展示してある物の文章も読む。平易な仏語で多少理解できる。耽美的な内容。

レミ・ド・グールモン著/ジャン=エミール・ラブルール挿絵『色彩』
 短編小説にエッチングをベースにした繊細な版画が添えられる。
 “典雅なエロティシズム”と解説文にある。その通り。

オーギュスト・ジルベール・ド・ヴォワザン著/ジャン=エミール・ラブルール挿絵『私好みのページ』
 花鳥風月を題材にしたエッセイ集のようだ。挿絵には小動物や植物が愛らしく描かれている。文章の部分は展示なし。読んでみたいものだ。
 著者はヴィクトル・セガレンと交流があった人物。

Last updated  2012.05.30 10:51:13
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2012.05.28

オリヴィア・ローゼンタール『人は消えるためにそこにいるのではない』講義メモ120526
[ 文学 ]    

 東京日仏学院(以下IFJT)にてR.先生の講義。第6回。

 前回=第5回の講義終了後にふと浮かんだことがある。この『人は消えるためにそこにいるのではない』はトランプのゲーム“神経衰弱”に倣っているのではないか。
 話者:je による記述。医師による記述。患者であるT.氏の独白。病名にもなっているアロイス・アルツハイマーに関する記述。これらの断片が数回繰り返される。我々読者はカードをめくるようにそれらを読んでいく。
 本作品の主題であるアルツハイマー型認知症。「記憶」に障害が発生している状態だ。
 「記憶」=「memory」。トランプの“神経衰弱”は仏語で“Memory”となるようだ。
 “神経衰弱”はカードがその場から「消える(=disparaître)」ゲームである。

 全く別の話だが「記憶」について思い出すことがある。
 電車などをごく細密に描写している絵画のことがテレビで紹介されていた。
 描いたのは福島尚という人だ。この人は現物や写真を目の前にして作画するのではない。しかも下描きは一切なく絵具を直接塗り付けるところからスタートするのである。記憶だけを頼りに。

Last updated  2012.05.28 12:41:42
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2012.05.18

エビネが咲いた
[ 雑記 ]    

 うぶすなの持て来つ海老根花咲かせ
 婆遺す海老根都会で花ざかり
エビネ
 2009年07月に他界した祖母はエビネが好きだった。庭の一角に植えて栽培を楽しんでいた。
 先月下旬に帰省した際にその一部を掘り起こして持って来た。
 エビネは日陰を好むらしい。自分の職場は地下なので適しているようだ。花を満開にさせてくれた。
 祖母は毎年02月26日になると必ずこう言っていた。「アタシは226事件の時に東京にいたんだ」。祖母は私と同じ山間地の寒村生まれだ。1936年の当時都会で暮らすことは現在とは違い大変に価値あることだったはずだ。
 上掲の画像は2012年05月17日(木)撮影。

Last updated  2012.05.18 12:46:24
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2012.05.17

新しい背広
[ 雑記 ]    

 祖父の葬儀から帰って背広を1着捨てた。
 10年以上も前に作った物である。会社員を辞めた後もずっと持っていたのは色が黒かったからである。実際にその背広を着て葬儀に出たことが何度かある。
 ところどころに損耗があった。ズボンの前ポケットあたりには表側の生地が擦り切れて裏側の白い生地が見えている箇所がある。最後に着用したときにはそこを油性ペンで黒く塗ってごまかした。

 1着捨てたことで勢いがついた。同じ頃に作った別の背広も捨てた。
 こちらは単純に気に入っていたから残していた。テーラード・カラーのベストも一緒に作ってあった。自分としてはちょっと特別な服のつもりだった。損耗は多少あるがそれほど目立ちはしない。大事に着ていた。
 でも捨てた。
 数日前外出する際に着てみたところ思わず声が出た。「古臭い。」
 ジャケット…肩が広い。ラペルの幅がある。丈が長い。
 ズボン…ウエストの位置が高い。全般的に太い。
 これはダメだ。今日限りで捨てよう。外出から帰って脱ぐとすぐゴミ袋に入れた。

 新しい背広が必要になった。冠婚葬祭に着られる服がない。
 どこか気楽に発注できる洋服屋さんがないものか。探してみると自宅から自転車で行けるところに1軒ある。電話をかけて尋ねてみると値段も安めである。
 一昨日その洋服屋さんへ行ってきた。「右の肩が下がっていますね」「お尻が大きいですよ」「脚のつけ根が太めです」と身体の特徴を耳にしながら採寸されるのは結構面白い。「うーん…あと5mm袖は短くしてください」「裾19cmはちょっと細過ぎなので20cmに」とお願いができるのも楽しいところだ。

  あたらしき背広など着て
  旅をせむ
  しかく今年も思ひ過ぎたる
  (久保田正文編『新編啄木歌集』岩波文庫 1993年 p.37)

   旅上

  ふらんすへ行きたしと思へども
  ふらんすはあまりに遠し
  せめては新しき背広をきて
  きままなる旅にいででみん。
  汽車が山道をゆくとき
  みづいろの窓によりかかりて
  われひとりうれしきことをおもはむ
  五月の朝のしののめ
  うら若草のもえいづる心まかせに。
  (三好達治選『萩原朔太郎詩集』岩波文庫 1981年改版 p.31)


 新しい背広。6月の上旬にできあがる予定である。待ち遠しい。
 別に旅行をしたいとは思わない。旅行はそれほど好きではない。

Last updated  2012.05.18 11:55:02
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2012.05.07

祖父に関するメモ
[ 雑記 ]    

 2012年(平成24年)05月04日(金・祝)。朝方携帯電話のメールを見ると1件受信している。母からだ。
 「おじいちゃんが亡くなりました7時30分です。病院内は電話が出来ません。また連絡します。」
 1914年(大正03年)05月30日生まれの祖父は満97歳である。

 05月05日(土・祝)。職場は休みとして帰省する。
 葬儀場の控え室へ行くと祖父の遺体がある。顔を覆っている白い布をめくる。存命中最後に対面したのは祖母の亡くなった2009年(平成21年)07月だったはずである。3年弱の間に何が変わっているのかわからない。相変わらず眉毛が長いと思う。家族と一緒に納棺する。祖父の体は冷たい。しばらく動けずにいたため筋肉がほとんどない。
 通夜に出席する。人が少ない。静かな雰囲気である。そのことが祖父の長生きを改めて証明しているように感ずる。
 通夜の後で会食がある。臨席の人と途切れ途切れの会話を交わす。いくつかの断片を継ぎ合せると自分がその人について多少知っていることがわかる。昔祖母が「Yのうちの息子はお坊さんの学校へ行ってるんだで」と言っていた。そうかこの人なのか。
 実家へ行く。とても明るい月が出ている。にもかかわらず星も見える。北斗七星が確認できるので北極星はどれなのか推測してみる。

 05月06日(日)。
 目が覚めると08:00を過ぎている。朝食を済ませ母と兄と一緒に墓参りに行く。この日が命日の伯母がいるのだ。実家の墓地は2箇所ある。昔からある山の中の墓地。新しく父が作った日当たりの良い墓地。どちらも悪くない。雷鳴がする。雨が降ってくる。しばらくすると太陽が顔を出す。また雨が降ってくる。変な天気だ。
 10:30頃自宅を出る。近くの国道は連休の影響で若干渋滞している。沿道の風景は新緑が見事だ。
 葬儀場へ着くと間もなく出棺となる。棺を開け花を入れる。祖父の眉毛に触ってみる。やはり長い。
 霊柩車とマイクロバスで火葬場へ向かう。山の中である。天気は相変わらず降ったり照ったり。
 火葬中は待合室で昼食。父が母方の伯父と消防団時代の思い出話に花を咲かせている。昭和37年(1962年)03月07日に他の消防団の消防車が吾妻渓谷に転落しその救助活動に携わったことがクライマックスである。
 収骨。焼け残った骨の量が多いように感ずる。少なくとも祖母のそれよりは多い気がする。
 葬儀場へ戻り告別式。最後にお清め。実家を出て23年が経過し地元との交流がほとんどない自分にとっては新鮮ささえ漂う。
 JR線に乗り東京へ戻る。車中から丸く大きい月がずっと見えている。

 前述のように最後に祖父と対面したのは2009年(平成21年)07月であったはずだ。その際に兄と同行している。祖父は兄と私との区別がつかない様子であった。しかしながら部分的に記憶が明確なようで昔話をいくつかしてくれた。
 「俺は今だって馬には乗れるで。」祖父は騎兵として従軍した経験がありそれが大きなプライドなのだ。
 「蚕糸学校を出てるしお蚕はいろいろ知ってるで。」祖父は群馬県立蚕糸学校を卒業した。昭和初期にそこへ通学していたことになる。当時群馬県の養蚕は花形産業だったはず。実家では私が小学校の頃:1980年(昭和55年)頃まで養蚕を続けていたと思う。この経歴もまた大きなプライドなのだ。

Last updated  2012.05.07 20:55:12
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2012.04.22

セリア・ウダールさんご来訪メモ120421
[ 文学 ]    

 東京日仏学院(以下IFJT)にてR.先生の講義。
 オリヴィア・ローゼンタール の小説『人は消えるためにそこにいるのではない』の購読だがR.先生のお招きで作家のセリア・ウダール Célia Houdartさんがご来訪。
 R.先生によればセリア・ウダールさんとオリヴィア・ローゼンタールにはいくつかの共通項があるとのこと。演劇や放送に関わる仕事をしながら執筆をしている…等々。
 以下印象に残ることをメモしておきたい。

 ウダールさんのお話の中で「彫刻と文芸」という部分に注意が向く。ウダールさんはイタリアの大理石の産地を題材にした小説を著しているらしい。「石材から彫刻を創ることは文芸と似ている」という意味のご発言あり。彫刻家のヘンリー・ムーアのことが事例として挙げられる。
 「彫刻と文芸」で高村光太郎のことを考えざるをえない。光太郎の作った詩には彫刻に関するものがいくつかある。
 石材彫刻は日本では盛んではないのかもしれないとふと思う。自分の好きな日本の彫刻家の作品を思い出してみても石材の物はあまり浮かんでこない。塑造か木彫だ。

 聴講後にヘンリー・ムーアの彫刻がどんな物だったか気になる。どこかで必ず見ているはずだがはっきりと姿が出てこない。どうもジャン・アルプの彫刻と見分けがつかなくなっているような気もする。ジャン・アルプ。ハンス・アルプという人も確かにいたはず…と混乱してくる。Wikipediaで調べてみる。ジャン・アルプとハンス・アルプは同一人物なのか。知らなかった。著作もあるようだ。興味が湧く。

Last updated  2012.04.22 12:19:38
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2012.04.17

オリヴィア・ローゼンタール『人は消えるためにそこにいるのではない』講義メモ120414
[ 文学 ]    

 東京日仏学院(以下IFJT)にてR.先生の講義。
 2012年04月07日(土)より10回シリーズで行われる。
 今学期はオリヴィア・ローゼンタール の小説『人は消えるためにそこにいるのではない』の購読。
 講義で使用するテキストは Olivia Rosenthal『On n'est pas là pour disparaître』folio 2007。

◆このメモをご覧になる方へ◆
 講義や作品に直接関係のないメモも時折含まれます。
 あまり参考にしない方が良いかもしれません。

 04月07日(土)に第1回の講義が行われているが欠席。開始時期を確認していなかったため。
 以下04月14日(土)の第2回講義におけるメモ。

・医学や心理学の専門用語が多い。
・作品の話者は女性の「私」である。しかし著者本人とは限らない。
・知りたい欲求。それに反して知りたくない欲求もある。
・不老不死は洋の東西を問わず望まれている事柄。
・肉体の死は避けられないが魂は死なないでほしいという願望。
・生命が絶えても芸術作品は生き残るという楽観。
・Work in progress=進行型創作(?)
・montage 組立・合成。
・精神疾患と言葉。アントナン・アルトー。
・作中のMonsieur T.にとっては樹木が逃避所である。
・社会を恐れ自然に帰ろうとする意識。
・フロイトの精神分析。ソシュールの言語学。ジャック・ラカン。
・signifiant=文字と音。記号表現。聴覚映像。
・signifié=意味と周辺の意味。記号内容。概念。
・言葉があってもそれが表す内容は変わる。

※04月21日(土)はセリア・ウダール Célia Houdart さんが来訪する。

Last updated  2012.04.17 17:59:05
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2012.04.02

をぢさんの墓
[ 雑記 ]    

 墓参り。
 彫刻家の。
 画家の。
 詩人の。
 孤独なをぢさんの。

高村家墓

 光珠院殿顯譽智照居士。

Last updated  2012.04.02 15:06:57
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2012.03.15

今和次郎と災害に対する意識
[ 雑記 ]    

 1週間ほど前にパナソニック汐留ミュージアムで「今和次郎採集講義展 - 時代のスケッチ。人のコレクション。-」を観覧した。
 今和次郎については多少知っているつもりであった。しかし多くの直筆資料を目の前にすると新しい発見がたくさんあった。

 会期中にもう一度当該展覧会を見に行こうと考えながら今の著書『日本の民家』を読み始めている。
 興味深い部分がある。以下に引用する。

 ところによっては水害を蒙る土地がある。そんな土地の家々では、特に土を盛って主家を建て、土蔵は腰を高くして屋敷神の小祠と並べて建てる。讃岐の平野を歩いていたとき私は妙な恰好の家を見た。それはすこぶる振っていて、六尺位の高さに壇を築き、その上に住宅を建て、入口の個所には石段を十段も作っていた。「あの家はどんな家です?」と案内の人にきいたら、「あそこの主人は変った考えの人で、いつ水害が来ても平気でいられるように、出水のときの水の深さだけ壇を築いてその上に家を建てたのです。ところが結果はこうなんです。毎日々々家にものを出し入れする際にあの石段を登らなければならないという始末で、せっかく考えた事も、今では厄介ものとなって近所のもの笑いとなっているのです」と説明してくれた。水害は四、五年ないし七、八年に一回来るのであるが、そのときに損耗があっても、日々の年中の生活に便利な方が結局どれだけいいかということを説明している面白い例だと思った。
 (今和次郎『日本の民家』岩波文庫 1989年 p.39)


 東日本大震災から1年が経過している。しかし巨大な地震と津波の恐怖はまだまだ鮮明な記憶だ。
 震災の直後から次のような言葉を頻繁に耳にしている。防災あるいは減災。災害に強いまちづくり。
 現在の私たちは『日本の民家』にあるような意識だろうか?上掲の“水害”を“地震”に置き換えてみて全く同じ気持になれるだろうか?

 今が『日本の民家』を記したのは関東大震災以前らしい。
 災害に対する意識は災害を体験することにより変化しているのではないか。また変化してもその時点のものでしかないのではないか。

 私たちは東日本大震災を体験し災害に対する意識を高め教訓を残そうとしている。ただしそれは現在のものに過ぎないのかもしれない。
 将来の災害に活かせるのだろうか。

Last updated  2012.03.16 11:44:08
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2012.02.15

建築家YBの自邸
[ 雑記 ]    

 過日「アトリエ」という日記を書いた。2012年01月23日(月)に画家・故NTのアトリエを見たことを記録している。

 昨日2012年02月14日(火)に建築家YBの自邸を見た。
 YBは上掲のアトリエを設計している。なおYBも故人である。

 YBについては全く知らなかった。故NTのアトリエを訪問したときそのご子息から「建物の設計者はYBという有名な建築家だ」と教えていただいた。

 調べてみるとYBは自邸を設計しておりそれが現存している。さらに調べるとどうやらご子息ご夫妻がそこにお住まいでサロンのような使い方をしている様子だ。音楽の演奏なども行われているらしい。
 電話番号がわかるので直接話してみた。「YBさんの設計した建物に興味があります。そちらの建物の中を拝見したいです。」

 今回も図々しいお願いを受け入れていただいた。
 勉強になるお話もたくさん拝聴した。

 ありがたいことである。

Last updated  2012.02.15 13:42:42
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