|
|
|
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く |
彫刻家TKの作品集を見ていて気付いた。生涯最後の作品を制作したアトリエが自分の職場からそう遠くないところにあったらしい。
他の書籍やインターネットなどを使って調べた。場所は何となく見当がついた。またアトリエはどうやら現存している様子だ。現地へ行ってみよう。それらしき建物が意外と簡単に見つかった。多分これなのだろう。その程度の認識で満足した。 その後アトリエの近くを数回通過した。中の照明が点灯していることがあった。誰かが使っているようだ。 また調べてみる。するとアトリエはある画家が建てたもので彫刻家はそこを借用し制作をしていたことがわかった。画家はNTという名前だった。 改めて現地を見に行ってみた。アトリエを囲む敷地に塀が設けられている。入口を見つけた。表札がありNの姓が刻まれている。急に物事が具体性を帯びた感じがした。TKはここで最後の大作に挑んだのだ。北向きの採光窓。あの窓の向こうで制作が進められたのだ。 しばらくはアトリエのことを忘れていた。 ある日知人がテレビ番組の録画を提供してくれた。TKのことを扱っているという。多分興味があるだろうと気を利かせてくれたわけである。 録画を見ていると最後の作品の制作風景を収めた写真が何点か出てきた。これは多分あのアトリエだろう。 どうしても中を見てみたい。そう思った。 アトリエは誰かが使っているようである。そもそも一般の人家ではないか。覗くわけにもいくまい。言うまでもなく勝手に入るわけにもいかないだろう。 手紙を書くことにした。興味を持っている者ですと書き少々の経緯と自分の連絡先を添えた。自ら郵便受けに投函した。 中に入れていただいた。画家NTのご子息のご厚意である。 アトリエでお話を拝聴した。画家NTはアトリエの完成直後に他界した。その後美術関係者の縁があってTKが借りて制作・生活するようになった。TKは大作を完成させるが持病が悪化し結局アトリエで息を引き取った。 あのTKが生涯最後の大作を仕上げ息を引き取った場所。そこをこの目で確認した。自分にとって大きな衝撃で心が波打った。1週間ほど経過するがまだボンヤリしている感がある。 面白いことがある。 この一連の出来事を話しても関心を示す人はいない。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||