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2019.04.14
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久々にこの町、夜。
たまに高速で通過することはあったのだけど、今夜は珍しくビルの谷間を信号で止まりながら南のほうのバイパスへ向けてハンドルを握る。
12年くらい前には、よくこういう感じがあった。仕事でこっちへ来ることが多かったから、当然残業したあと、帰る途中、疲れて飯でも食って、それから渋滞も完全に終わった時間に走った。
今夜は、もちろん別の仕事だけれど、同じように、遅くまで追い込んだ現場からの帰り道、この町を通過する。
気分は高速ではなく、下道で帰りたい感じだったのだ。それは、自分を試してみたくなったからかもしれない。高速料金を節約したかったから、という理由は、あまり重要ではなかったと思う。

あのころ、どんな気持ちでここを通過したのか、結構鮮明に思い出すもんだ。ふとした、歩道橋の下のバス停だったり、交差点名の看板だったり。よく見たものを、今もう一度見かけたときに、なんとも言えない、気持ちになるもんなんだ。
たしかに、あのころはあれで、ワクワクしたし、楽しかった。電話やメールでもすれば、あのころの友人にもすぐ会える。
あのときに戻りたいのか?そのときの気持ちに戻りたいのか?
それを確かめたかったのだ。

あまりに短時間に多くの気持ちが交錯した。
けれど、結論は変わらなかったようだ。
今を進むしかないのだ。もちろん疲れもあるけれど、せっかくの機会でも、連絡はとらない。決して会いたくないわけじゃあないんだけどね。
眠気醒ましに、コンビニエンスストアで、アイスを買って、自分の居場所へ向けて、再び走った。いまからやらなきゃいけないことが多すぎる。










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最終更新日  2019.04.15 09:17:09
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