前半かわいそうなのダメな人(意味不明?)読み飛ばしてくだされ。Hシーンです。
大丈夫な人、反転させてお読みください。
どぞ。
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「やめ・・・ろ・・・もう。」
両手足をベッドに括り付けられ、自由を奪われた状態で、暁は溢れ出る涙を拭くこともできずに、おぼれかけていた。
「昨日とは全然違うね。やっぱりアキラはこういうのが好きだったんだね。」
山崎は、根元に射精を制御するためのリングをつけられた状態でパンパンに張り詰めているモノを、愛おしそうに撫でる。先からはとめどなく透明な汁が流れ出て来る。目から溢れる涙を舌で舐め取ると、後ろに挿入したバイブのスイッチを入れる。
「あああ!」
暁の悲痛な叫びも、山崎には歓喜の声に聞こえる。背中を仰け反らせた暁の姿をうっとりと眺める。
「こんなにも綺麗な君を、みんなが欲しがるのは無理ないね。でももう僕のものだ。」
山崎は暁の唇にキスをすると、耳元で囁く。
「僕がほしい?アキラ」
暁は浅い呼吸を必死で繰り返しながらも、山崎を睨みつける。無言で口を開け閉めする暁を見て、山崎が耳を近づける。
「てめえの小さいものじゃ満足できねぇよ。」
搾り出すような声でその耳に囁く。
バシッ
山崎が暁の頬を張った。
「そんなにおしおきが欲しいならあげるよ。」
山崎はバイブのスイッチを一気に最大にした。
「ぐあぁぁぁ!」
暁は大きく仰け反ると、意識を手放した。
暁はまぶしい光の中で目を醒ました。ここはどこだったか、今日が何日だった頭がもやもやして考えられなかった。体が異常にだるい。喉が痛い。声を出してみようとしたが、掠れて空気の漏れる音にしかならなかった。額に手を当てようとして、血の滲んだ手首が目に入った。途端に夕べのことを思い出した。
「やばい!圭・・・」
ガバッと起き上がる。
(くそっ!何くだらないこと言ってんだ、夕べの俺!)
暁は山崎に悪態をついたことを悔やんだ。ふらつく足取りで寝室を出て山崎を探す。リビングにもダイニングにも山崎の姿は見当たらなかった。青ざめた暁の目に、テーブルの上のメモが飛び込んできた。走り寄って、すがりつくようにしてメモを取る。
[夕べのアキラ、素敵だった。朝ごはん用意したので食べてください。]
読んだ途端、全身から力が抜けた。その場でうずくまる。底の方から笑いが込み上げてきた。
「ふ・・・はははは。」
(都合の悪いことは全てなかったことにするわけだ。)
朝食は取る気になれず、トイレに流した。
シャワーを浴びた後、リビングに放置してあった自分のノートPCに電源を指すと、メーラーを立ち上げ、衛宛に短いメールを書いた。それから、それを持って、近所の無線LANを無断拝借すべく家中を検索して歩いた。さすがに家内では拾った電波が弱く、接続を長時間維持することができなかったが、何度もチャレンジしてなんとか送信することはできた。
(これでマモルが動いてくれれば。)
暁は壁に寄りかかり長いため息をつくと、一時瞼を閉じた。
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君が思うほど僕は君のこと好きじゃない・53
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