家族が「家に帰ったら余命1週間、長くて2週間」と言われたら?
「家に帰ったら余命1週間、長くて2週間」と言われ、「それでは家に連れて帰ろう」と決意した女性がいる。知人ではあるが親しい関係ではないので、ご主人が昨年倒れて入院したままだということは知らなかった。たまたま彼女のFacebookを見てそのことを知った。彼女は若い頃から地域活動やボランティア活動に熱心な人で、いつも明るい笑顔と元気を周囲に広げていく人。近年も精力的にまちづくり活動に取り組んでいて、そのためにあちこちに飛び回っていることをFacebookでは知っていた。あの明るい笑顔の影で、そんな心配を抱えていたとは知る由もなかった。自宅のリフォームの様子も時々Facebookに載せていたので、多分ご主人が退院した時のためだったのだろう。それなのに余命宣告されたなら、私ならどうするだろう。彼女は敢然と迷いなく、「それなら夫が帰りたいと言っていた家で介護する」と決めた。その後は、家庭介護のための技術習得(痰の吸引、経鼻径間栄養の処置や後始末、おむつ交換等々)のレクチャーを受けに何度も札幌の病院に通い、家庭でのベッドの準備や訪問医療の手配や打ち合わせなど、多分八面六臂の大活躍で準備を重ねたはずだ。同時に、関わっている複数の活動を仲間にお願いするための準備など、この一か月の彼女のFacebookは目を離せず、何とか彼女の願い通り在宅医療ができることを願っていた。彼女のパワフルさはお子さん達にも伝わっているようで、幸いにも近くに住んでいるともあり、私から見たら完璧なチームワークで、在宅介護が始まって二週間が経過したという。今朝のFacebookには在宅介護15日目🟠家に帰ったら余命1週間、長くて2週間。パチパチ👏👏👏👏〇男さん、2週間目をクリアしました。との文字が躍っていた。私もUさんご一家と、支える訪問医療スタッフの皆さんにパチパチ👏👏👏👏である。驚くべきことに、家族の中で過ごせる日々に気持ちも安定し、みんなの笑顔に励まされ、家族だからこそできるきめ細やかな介護の工夫で、医師も驚くような回復傾向のようだ。余命1週間、長くて2週間は覆された。🟠一番は、緩和ケアクリニックのS先生チーム、Оさんの優秀な診療や看護は言うまでもないし、家族の要望を聞き入れてくれる緩やかな対応。それにチームUも捨てたもんじゃない。〇男さんを元気にするプロジェクトは初日から動き出してる。在宅介護は始まったばかりだし、コレから先長い療養生活が続く。О男さんが一つづつ出来ることが増えたら良いなァ〜と思う。私はご主人の病気のことなど何も知らないので、これからのことは全く想像がつかない。しかし、「チームU」は前向きに日々を工夫とチャレンジを重ねながら生活していくことはわかる。ただ一つだけ、いくら「元気と勇気は使うほど増える」とはいっても、彼女だって生身の人間だ。疲労が蓄積して彼女がダウンしないことを心から祈りつつ、毎日ひそかに応援していきたい。