パート2☆テロメアを短くしない生き方
みなさん、こんにちは。急激に寒い毎日ですね。雪がすごい地域もあるようです。選挙が終わりましたが、あいかわらずのひどい投票率に、いつもしばらく脱力してしまいます。選挙権のない国もあるのに、せっかく与えられた政治に参加する権利を、この国の半分の方が放棄しているなんて、とてももったいないことだなぁと思うのです。ただ、やる必要性を感じにくい選挙を、こんなめちゃ寒い時期にされても、寒い地域の方などは積雪などで、なかなか難しい場合もあっただろうと思います。しかし小選挙区制なので、投票率が低いと組織票を持つ大政党が有利になるので、本当の民意が反映されないまま、国の方針が決まっていってしまいます。多くの方が政治に関心を持たないまま、いろいろ大切なことが勝手に決まっていくことは、とても怖いことだと思います。私はたかが一票とは思いません。一票は祈りです。それが1票以上の力を持ってエネルギーとなって広がります。毎日の買い物などの小さな選択も含めて、何を選ぶかは世界を変える大きな力を持つと信じています。さて、前回テロメアについてお話ししました。今日はその続きです。まずは復習から。テロメアは染色体の端っこにあるDNA本体を守るキャップみたいなもの。このテロメアが細胞分裂のたびに少しずつすり減っていくことで細胞は老化していきます。テロメアが完全に擦り減った時が、細胞の寿命ではないかと言われています。そのためテロメアの長さは細胞の老化具合の指標となるのです。テロメアが短くなると、肌の弾力を維持するエラスチンというタンパク質の分泌がストップするので、たるみ、シワが気になり始めます。健康面でも、心臓病やがん、糖尿病、骨粗鬆症などになりやすいという研究が報告されています。このテロメアの長さは、肥満や喫煙、運動不足などの生活習慣やストレス度合によって差が出ることが分かっています。前回は、新情報として以下のことをお伝えしました。椅子に座っている時間が短い人ほど、テロメアが長いこと。「心が平静で、今現在していることに集中力が高い」女性のほうが、「注意散漫で集中力に欠ける」女性よりテロメアが長いこと。単独飼育されている鳥のヨウムは、同年齢のつがいで飼育されているヨウムに比べてテロメアが短いことです。その他にもいろいろ興味深いデータがあります。カリフォルニア大学で、糖尿病や心臓病の病歴をもたない5309人の20~65歳の米国人を対象にした米国健康・栄養調査のデータ(1999年~2002年)を分析した研究でわかったこと。糖類を多く含む炭酸飲料を多く飲んでいる人ほど、テロメアが短くなっていることが分かったそうです!1日に227mLの糖類が多い炭酸飲料を飲んでいる人は、実際の年齢よりも1.9歳分も老化していることが分かり、飲む量が増えるごとにテロメアはより短くなり、567mL飲んでいる人では、なんと4.6歳分も短くなっていたようです。最近、激寒なので風邪やインフルエンザが大流行りです。この「風邪のひきやすさ」にも、テロメアが関係していると言ったら驚かれるでしょうか?2013年に、アメリカのカーネギーメロン大学のSheldon Cohen博士らがJAMAに発表した研究です。152人の健康な18~55歳のテロメアの長さを計測し、その後実験室で被験者の鼻に風邪の症状を引き起こすウィルスを点鼻液に含ませて塗布したそうです。テロメアの長さと罹患状況を分析した結果・・・・・テロメアの短い人は長い人に比べて風邪にかかりやすいことが分かりました!!これは22歳までは関係なかったのですが、22歳以上で、なおかつ高齢になればなるほど、テロメアの長さが風邪のひきやすさに、あきらかに関連するようになったそうです。テロメアの中でも、免疫に関連するCD8CD28-T細胞のテロメアが短くなっていることが影響しているそうです。いやーー、、、風邪のひきやすさまでとは・・・・テロメア、おそるべしですね。このテロメアの短縮化を抑制するのに、ビタミンCが効果的だということも分かっています。広島県立大学の三羽信比古教授らの共同研究グループは、細胞に吸収されて細胞内でビタミンCに変わる「Asc2P」というビタミンCの前駆体を開発し、培養した人間の血管内皮細胞に加えたところ、テロメアの短縮速度は遅くなり、老化スピードが約7割減速することがわかったそうです。これは、細胞内でテロメアを傷つける活性酸素の量を、ビタミンCが約53%抑制するからだそうです。実はビタミンDにもテロメアの短縮を予防する作用があります。血中ビタミンD濃度が高い女性ほど、テロメアが長いと言う研究結果があります。体に炎症反応が多いとテロメアが短縮しやすいのですが、ビタミンDには抗炎症作用があるので、結果的にテロメアを守るのではないかということです。光老化を恐れて、紫外線を避けている我々には少々まずい話です。顔は遮光でいいと思いますが、体は適度に太陽光を浴びて下さいね!手のひらが、効率よいみたいですよ!ビタミンDは魚介類にも多いですが、私は、今は出汁命なもので、ビタミンDが大変多いベクレルフリーの大分産原木干し椎茸を、更に15分ほど天日干しして、それで出汁とって、なおかつ刻んで味噌汁と共に、ほぼ毎日食べています。干す時は、傘の裏側のヒダのほうを上に向けて下さいね。余談ですが、最近赤ちゃんや子供にSPFの高い日焼け止めを塗って、紫外線を避けすぎることでビタミンD不足になり、現代版のくる病(骨の成長障害、骨端の変形、低身長など)が増えていると言う話を聞きました。皮膚がんのリスクもゼロではありませんが、紫外線量がそう多くない日本では、お子様の場合、そこまで紫外線を気にしすぎる必要はないのではないかと思います。さて、われらがオメガ3脂肪酸にもテロメアへの効果があることが分かっています。オハイオ州立大学の研究で、約100人の健康な肥満の中高齢者に、4ヶ月間にわたってオメガ3脂肪酸のサプリメントを1.25g~2.5g服用してもらい、同様な別のグループに普段米国人が摂取しているタイプの油を飲んでもらったそうです。4ヵ月後、オメガ3のサプリメントを服用したグループでは、別の油を服用したグループよりもテロメアが長いことが分かりました。 オメガ3脂肪酸の抗炎症能力にテロメアの長さを保つ作用があるのではないかと考えられているそうです。他にもビタミンE、β-カロテン、B12、葉酸、亜鉛、アスタキサンチン、発酵食品、ポリフェノール、ウコンなんかも効果があるそうです。もう1つ面白いのが「瞑想」です。カナダのトムベイカー・ガンセンターで行われた研究です。2年間乳がんを患った、平均年齢55歳のがん患者88人を3つのグループに分けて行われました。瞑想とヨガとミーティングを組み合わせたグループと、瞑想と議論し合うミーティングを行うグループ、瞑想は行わずにストレス低減に関するワークショップに参加するグループです。この中で、瞑想をしていないグループにいた人は、開始前よりテロメアが普通に短くなっていたそうですが、瞑想をしたグループにいた人は、テロメアが開始前と同じ長さだったというから驚きです。家族に介護されている認知症患者40人を対象に行われた実験でも、瞑想の効果は絶大でした。半数は瞑想を毎日短時間行い、半数はリラックスする音楽を1日12分間聴いたそうです。8週間後、瞑想したグループはテロメア活性(テロメアの長さを調節する酵素)が、なんと43%も改善!ところが音楽を聴いたグループは3.7%しか改善しませんでした。しかも瞑想した群は、精神機能と認知機能が改善し、抑うつのレベルも低下したのです。↑私の6年前に出したアンチエイジングの鬼プレミアムという本にも、5つの瞑想法を載せています。15分の瞑想は、もはやライフワークですが、本当に頭がすっきりするし、日常生活での直観力や判断力も良くなるように思います。代表的なものを1つ載せますね。あるがまま瞑想1、床にあぐらをかいて座るかイスに座って目を閉じる。手は膝の上に軽くのせておく。2、ゆっくり鼻から吸ってゆっくり鼻から吐く腹式呼吸を始める。3、基本的には呼吸に意識を集中します。呼吸に集中しきれなくてまわりの音が気になったら「音が気になっているな」と気づき、また呼吸に集中すればOK。6、何か雑念が湧いても「おなかが減ったと思ったな」とただ気づきます。基本的には過去に起きたことや未来のことは考えず「今」に集中します。でも過去や未来を考えてしまったとしても自分を責めず「過去にとらわれているな」と気づいて、また呼吸に集中すればOK。批判したり、抵抗したりせず、ただあるがままに「今」を眺め、「今」を気づきます。7、ゆっくりと目を開け、瞑想終了です。さて、テロメアについて、実はまだまだ書き足りないことがありまして、次回に続きまーす!!老化だけでなく、風邪のひきやすさにまで関わるテロメア。ビタミンC、D、オメガ3、そして瞑想でテロメアの長さをキープ!!