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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8326)
カテゴリ:散文詩
闇が光に だんだんと浸食されて 変容していく空
虚空に 紛れ込んでいく星 輝きを失って 鈍い色を放ち始める 白い月 あいまいな心が 目の前にある真実を 見過ごしてしまうみたいに 光の中へ吸い込まれ 見えるはずのものが 見えなくなっていく すべてが光の世界へ 埋没していく… 空白の瞬間 ふいに 心のなかの不安や恐れや傷みが みな溶けていく気がした… 夜明け前の ひときわ静かな 一瞬 空は赤みを帯びて 無数の色で 彩られていく雲 いくつもの光の帯が 地上から天空へ向けて 照らし出される時 闇から光へ 静けさから ざわめきへの反転 消えてしまった星が 空で変わりなく 瞬いているように 見えなくても 見つめていたいものがある 赤紫と白い光の交差が 朝の訪れを告げれば また 新たな一日が 巡りくる 見慣れた空に見えて 一瞬一瞬 限りない表情の移りかわり 朝の空に輝く 見えない星のように 君のとりすました顔の裏には 激しく瞬く想いが 明滅している あのとき見せた 一瞬のはにかみは 星のまたたき 胸に秘めた情熱が 空の変遷とともに わずかに滲み出した瞬間 朝のはじけた光とともに 君の笑顔が 空いっぱいに広がった… それなのに… その笑顔の奥にある 見えない素顔を 見てみたいと なぜか そう思った 君が笑顔で 全てを覆い尽くそうと すればするほど 君の素顔が 分からなくなっていった気がした 君が 苦しみや哀しみや痛みの感情を 素直に出してくれたのなら 朝の光のなか 君の素顔に 触れることが できたのかもしれない 君を 追いかけることさえできずに ただ 光で覆われる 空白の瞬間を 見つめていることしかできなかった まぶしい朝の光に まぶしすぎる君の面影が 重なって 空に消えてしまった星を…君の真の素顔を…探そうと 目を細めた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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