揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)とは、空気中に常温で揮発しやすい有機物質の総称です。
※ Volatile 揮発性
Organic Compound 有機化合物
現状、揮発性有機化合物の正確な定義はありませんが、一般的にはWHO(国際保健機関)の
定義する「物質の沸点が50~240℃である物質」のことをいいます。
【特徴】
・大部分の物質は、常温では液体で比較的揮発性に富む
・沸点が低い物質ほど早く揮発する
・吸入することによって、血液中に吸収されやすい
【分類】
揮発性有機化合物は、下記の表のように沸点の違いにより分類されます。
沸点による揮発性有機化合物(VOCs)の分類
高揮発性有機化合物(VVOCs)は、
沸点が100℃以下の物質で、揮発性が非常に高く、蒸気圧も高いために、空気中に多く揮発
する可能性があります。
準揮発性有機化合物は(SVOCs)は、
蒸気圧が低いこともあり、大量に放散することはなく、室内の壁などの表面に凝縮する可能
性もありますが、長期にわたり徐々に放散する特徴を持ちます。
粒子状物質(POM)は、
準揮発性有機化合物よりも更に沸点が高く、空気中では凝縮して粒子状物質として存在
している可能性の高い物質です。
このように揮発性有機化合物は沸点によって分類され、その中でも高揮発性有機化合物の
ように沸点が低い方が揮発しやすいという特徴があります。
では、沸点が高い物質は全く揮発しないのでしょうか?
実は、沸点が数百度という常温よりかなり高い物質でも、常温においてもわずかながら液体
表面から気体になっていたり、小さな粒子となって空気中に漂っています。
これは例えば、水は100℃で気体になりますが、実際には100℃以下でも蒸発しています。
コップに水を入れておいてそのままの状態にしておくと、時間が経てば減ってしまうように、
揮発性有機化合物も常温でも常に揮発していることになります。