証とは、学問的には以下のように定義されています。
証とは、患者が現時点で現わしている症状を気血水、陰陽・虚実・寒熱・表裏、五臓、六病位などの基本概念を通して認識し、さらに病態の特異性を示す症候をとらえた結果を総合して得られる診断であり、治療の指示になります。
簡単に言うと、その人の体質や病態を見極め、その後の対応を決定する治療指針となるものです。
では、一般的に西洋医学でいう病名とこの東洋医学でいう証との違いは何でしょうか?
それは病名は一度ついたら変化はしませんが、証は常に変化するということです。病とは疾病の共通項の縦の普遍的な流れを示し、証とはその時点での状態(横の状態)を表す言葉になります。
東洋医学では、この証を見極めることが治療の第一歩になります。