カテゴリ:授業風景
子どもたちにとって、どうしてもやめられない息抜きの一つのテレビ。
本当は、もう少し時間を縮小してほしいんだけどな~。 と思いますね。 せめてCMの短い時間、いい方法ないかな~。なんて。 あるんです。CMで、勉強しちゃいます。(小4以上対象ですけど・・・) 詩の単元で必ず習う、表現技法。 (きちんとまじめな説明を受けた後の方が、効果的です。) 詩というのは、作者の心の動きを短い言葉で伝えるものです。 短くて読みやすい代わりに、その言葉一つ一つの役割は大きく、 とても深い意味がこめられていることも多いですね。 気持ちをより強く伝えるためにいろんなテクニックが使われることも多く、 このテクニック・表現技法を尋ねる設問はよく出題されます。 大切なのは、表現技法を単に発見して名前を言えるということではなくて、 表現技法を見つけることで、作者の意図を読み取り、作者の気持ちに近づけると いうことなんですけどね、上手に見つけられるにこしたことありません。 自分が作文を書くときにも応用できるとなおいいですね。 話を戻しますが、 「短く、伝えたいことを効果的に表現する」という点は、詩もCMも同じです。 ですから、詩の表現技法でよく使われるものは、CMでもよく使われます。 お子さんが「詩の表現技法」をすでに習ったようでしたら、 話題にしてみてくださいね。 例えば、 ■ 反復法・・・(「くりかえし」・「リフレイン」とも言います。) 同じ表現をくり返すことでリズムを作り、印象を強める。 これって 言ってみればCMそのものです。 1週間テレビを見ていると、同じCMを何度も見かけることはよくありますよね。 何度も何度もくり返していくうちに、視聴者にその商品を覚えてもらう、印象を強める効果があるのは言うまでもないですね。 強く意識してみることの少ないCMなのに、いつの間にか商品名・企業名を覚えている。 反復法のしわざです。 ■ 擬人法・・・物・動物など、人間ではないものを人間が行動しているかのように表現する。 対象に親しみを感じさせる。作者の気持ちの代弁者となる。 この擬人法は、最も多く出てくる技法です。少し説明しますね。 例を出すと、「小鳥が歌う。」「落ち葉が踊る。」などです。 「小鳥が鳴く。」よりも「小鳥が歌う。」とする方が、小鳥の声は美しかったことも表現できます。小鳥の姿は見えたか見えなかったかこれだけではわかりませんが、読者もこの小鳥にかわいいという印象を持ちますね。 さらに「歌う」と表現することで、小鳥だけの表記ではなく、同時に作者がその声を聴いていい気分になったということも表現できる。 「落ち葉が踊る。」も同様です。「落ち葉が散る。」だと、秋の普通の景色としての描写ですが、そこを「踊る。」とすることで、落ち葉の軽やかな動きを想像させますし、さらに(さみしい季節と感じる人が多い中で、)作者自身は何か楽しげであるということが読み取れます。 ・・・詳しく説明すると長くなりますので、後はテキストなり塾の授業なりで学習してくださいね。 で、CMではどう使われているか・・・。これは多いです。 CMというよりも、生活にあふれてますね。 要は、人間じゃないものを人間扱いしていれば擬人法ですから、太陽に顔が描いてあればそれはもう擬人法です。 ねずみなのに服を着ているミッキーマウスも、ネコなのにお茶飲んだりしてるキティーちゃんも、イヌなのに立ち話しているレノアのCMも、みんな擬人法です。機関車トーマスも、キツネや大根がしゃべる日本昔話も。単なるネズミにあれだけの親しみがわいてくるのは、擬人法のしわざですね。 颯爽と走る車を追いかけて「見~っけた。」というキムタクの車のCMも、車が「逃げた。」「隠れた。」という設定でしょうから、擬人法と言えますね。 お子さんがすでに「擬人法」と言う言葉を知っているのなら、 CMでそれらを見かけたときに「あ、擬人法だね。」って言ってみてください。 もしくは、「ほんとは人間じゃないのに、人間扱いしてる。こういうのなんて言うんだっけ?」 って。 ■体言止め(たいげんどめ)・・・(一部「名詞止め」となってるテキストもあります。) 「です。」「だ。」などを使わずに、名詞でぴたっと終わらせる技法。 余韻を残す効果が強い。 「それは、真っ白な雪でした。」というところを「それは、真っ白な雪。」という形で終わるような言い方です。 前者よりも後者の方が、白いイメージを強く長く残すことができますよね。 目をつぶらせて、実際に体言止めを使った詩と、それを体言止めを使わずに描いた詩とを読み比べると、子どもたちも体言止めを使った詩の方が、イメージした絵の線が太くなったとか、色が濃くなったということが多いです。 視覚的イメージで言うと、カメラを持って近づいてアップにしてシャッターを切る!という感じですね。注目させて、その瞬間で止める働きがあります。 CMで言うと、いつもの音楽に乗せて・・・「マクドナルドです。」「オールウェイズ、コカコーラさ。」とか言うCMを見たことがあるか?と言うと・・・ないですよね。「トヨタでございます。」とか、丁寧な感じがしますが・・・ありえないですよね。必ず、呼び捨てのような言い方です。 CMのラストに企業名を、体言止めで言う。少しでも自分の名前を長く頭の中のイメージに残すためですね。 (前のCMのイメージがまだ残っている可能性が高いからCMの前半に企業名を言うCMが少ないとも言えますね。) 以上のような話をされると、ついつい何か技法が隠れているんじゃないかと考えてしまうようになるかな~と思って、生徒に話をしましたが、うまく乗せられてくれた子も多かったので、ご紹介しました。 他の表現技法も・・・ここまで言えば、予想ついちゃいますかね~。それなら必要ないかな。 次回に続く・・・かもしれません。ということにしておきましょう。 → ※このブログを応援してくださる方は、足跡代わりにぜひこちらをクリックしてくださいますようお願いします! 今後の更新がんばりますのでぜひお願いします! →TOP(FREE PAGE 記事一覧)にもどる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年05月29日 00時22分43秒
コメント(0) | コメントを書く
[授業風景] カテゴリの最新記事
|
|