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カテゴリ:国語
さて、ここ最近は特に語彙力アップに力を入れています。
テキストもここ数年、この分野のものがぐっと増えました。 読解力をつけるのにも、文章を書くにしても、人の意見を理解するのにも、自分の意見を伝えるのにしても、年齢に応じた語彙力が必要です。 ちょうど息子が小学3年生になり国語辞典の購入を学校から言われまして、本屋さんに並んでいる国語辞典を全部ひととおりのぞいてきました。 辞書の説明って、ときどき「そうだと思うけど、なーんかもっといい言い方がある気がする…」っていうものありません? 辞書の改訂のポイントを見比べて解釈の変化を紹介したり、例文から辞書作成者の苦労を読み取ったり、その性格を想像したりという「新解さん」シリーズ、大好きなんです。 近年出ました「新解さんリターンズ」は電車移動の際に読み返しています。 辞書でも意味の説明は書き直されてきているのですから、言葉のニュアンスを説明するのは大変難しい作業だということですよね。 私は、よく例に出される「右」という欄で好みの辞書かそうでないかを見ています。 大人用の辞書なら、「右」は「北を向いたときの東の方向」でもいいと思います。 大人だから、基本の「右」という言葉の意味がわからなくて引いているわけではなくて、文脈の中にあるときに自分の知っている意味では通じないから「保守派」とか「優れている(右に出る者はいない)」という別の意味に出会うためだと思うから。 でも、小学国語辞典の「右」が、「北を向いたときの東の方向」とか「日の出の方向を向いたときの南」というのにいつも「うーん」ってなるんです。 相対的な方向、しかも自分を基準にしてごく小さな範囲感覚のものを、地球規模で説明するというのに違和感を覚える。 ついでに、そこに「左」も併記していないのもある。そこは並べて書いて置いて欲しい。 「自分を基準にして、正面を縦に空間を二分にした一方。【リ】の文字の長い方が右。」という説明をしている辞書があると知って、それそれ!!と。 でも、本屋さんに並んでいる全ての小学生用辞書を見た中に、この説明のものはありませんでした。 ほとんど地球経由で「右」。 「日の出の方向向いたときの南」って、ハードル高すぎ。 まず「日の出」の時間に起きてないとダメですやん。夜には「右」わからんままですよ。 明日の朝、日の出の時間に目覚まし合わせて、「あ、明るくなってきた、あっちが日の出か!」 そして、そっちを向いているときの「南」が「右」。 「南」も知っていないといけない。 えーっと、「南」調べてみます。 「東に向かって右の方」。 右→日の出→南→東→右。 目まわるわ! 目まわった上に、「振り出しに戻る」。 ここでめげずに別の辞書で「南」を引いてみます。 「右」が出てこない説明のものありました。 「北極星とは対の方位。北回帰線以北で、太陽高度が最も高くなる方位。」 難しい言葉いっぱい…。 「太陽高度が最も高くなる方位」と。 日の出の方向を見て、太陽が高くなるまで待たないと「右」わからないって、地球規模やわ、時間かかるわ、大変です。 いかに「リ」を使った説明が秀逸か、じわじわときます。 「この辞書を開いていて、365ページのある方向が右、366ページのある方向が左」というような説明のものもあったらしいのですが、これも、その本屋さんにあった小学生用辞書の中には見つけられず。 それとも何か、「右」は、「右」を既に理解している人がどんな説明か確認するためのものか、っていうたら、 子どもにとっての辞書の役割果たしてると言えるのかいなーと、突っ込まずにはいられません。 「普通の人が筆記用具を持つ方」もあって、いやいやそれもどうよと。 普通ってなんや、左利きの人は普通とちゃうんかー。 せめて「普通の人」ではなくて「多数の人」と書くべきでは? 「心臓のある方ではない方」っていうのもある。「右」調べて、それを理解するために「心臓」調べろと? →「動物の体内にあって、血液循環の原動力となる内臓。左の胸の内部にある。」 そして、「左」を調べると「東に向かって北にあたる方向。/←→右」と。 「右」を知りたくて、心臓→左→東→北。 このままパソコンでも「心臓」調べてみました。 「心臓」=「ヒトの心臓は 縦隔下部ほぼ中央にあり、」 「中央にあり」って書いてあるのもある…。 辞書、迷宮入りも多し。 あのー、もういっそ図にしたらいいと思うんです。 人型描いて、点線で縦に半分に、そして色つけて「右」って。人型の中だけじゃなく、外側もね。 「ちょうちん」とか「チャルメラ」とか「あほうどり」のイラスト入れてあるのですから、 「右」も「左」も、もうさくっとイラストで示すというのでは問題あるのでしょうか。 子ども用の辞書は、もう少し子ども目線での説明に特化していてもいいのじゃないかなと思ったしだいです。 すみません。 数行のつぶやきのつもりが長文になりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年05月10日 03時01分56秒
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