企業の「IT力」ランキング 「IT力」総合ランキング上位100社(ITpro) はおもしろい。企業のランキングそのものよりも、どのような質問をしたかというところ。質問票を見てみると、よくこれだけの質問に答えてもらったなぁと関心してしまった。これは、さすがに日経BPのブランド力。どこだかよく分からないような会社がやったのでは、絶対に答えてもらえないような質問が並んでいる。
別の視点から見ると、この質問にまともに答えられるか否かによって(高い評価になるか、低い評価になるかは別として)、その企業がどの程度 IT を企業の中できちんと位置づけた上で利用しているかが分かる。
リテラシーが低い企業だと、この質問に答えることもできないと思う。
PMBOK や
ITIL など知らないと答えられない内容になっている。つまり、方向としては ITIL や PMBOK を組み込んだ形でシステムを構築・管理・運用しているような会社の方が評価が高いということ。
ITIL を適用するには長い時間がかかるし、人やソフトに対する先行投資も必要になる。けれど、やっぱり、この流れは IT の本道となる考え方だと思う。ある程度のシステム規模を持つ会社、あるいはシステムを止めると大きな損害につながる会社であれば、この考え方に沿ってやるのは意味があると思う。
ただ、「ITIL ひとつください式」の考え方は通用しない。ユーザー企業側の理解も、社内の要因も必要になる。つまり、一定度の余裕がある会社でないとできない。あれこれドキュメント化していく必要もあるし、検討の時間も必要。そもそも何を管理すべきなのかも分からない場合も多いだろうから。
やっぱり、最近、温故知新とかのブームは本道回帰への流れでもあるのかなと感じる。
テクノロジーへの原点回帰で インフラストラクチャの時代ヘ。ガートナーって、けっこうベンダーに有利な流れを作るようなところもあるが、まあ、この記事はあまりそういう色は感じさせない(まあ、今押したいものが特定の製品群をあからさまに押す必要がないからというのもあるかもしれないが)。
最近では「コストの削減」も製品からシステム全体へとテーマが移りつつある。また「変化への対応」や「持続可能性」も企業にとって重要なテーマとなってきている。このような新しいテーマが、景況感の回復も手伝って真剣に議論されつつある。
こうした戦略の方向性は、端的には「テクノロジーに関するビジネス合理性の追求」というように解釈できる。こうした動きは、まずはビジネス視点を持った革新的ユーザーに受け入れられる可能性がある。さらに、将来的にビジネス合理性が強く求められるようになったなら、それは、システムインテグレータや情報システム部門の業務のあり方を根本的に変える力となるであろう。
当然? いや、当然のことに対して流れが速すぎて対応できなかったし、振り返る余裕もなかったものが、振り返る余裕ができてきたと言い換えることができるのかもしれない。




ちなみに、上記のような入門書は、考え方のベースがどういうものかを知るのに役立つが、
itSMF で売っているもの を読むのがよかろう。けど、日本語版高い。翻訳費用と発行部数を考えるとそうならざるをえないのは分からないでもないが、もっと安くして部数を出して回収するような方向にすればよいのに。英語版の10倍の価格っていうのがなんともいえない。普通、考え方を広めたいなら、一般の書店に置かれるようにして、安い値段で出すべきだろうに。
ちなみに PMBOK も ITIL も一定規模のシステムを対象に考えられたものだから、中小のシステムだと考え方のフレームワークとしては役立つだろうが、これに沿ってなんでもやるのはどうかなとも思う。
ごく少数の人がシステム管理を行っていている余裕もないような中小企業の担当者に「これからは ITIL だから、うちのシステムもそうしろ」と訳も分からずに命令したらどうか。これは無茶だろう。
基本的にこういう大きなフレームワークのものをまともに導入するのは、初期コストがそれなりにかかる(人の教育を含め)。初期コストをかけても長期的に問題を解決するようなことを短期リターンを求めてやってもうまくいかないだろう。