1285494 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010.03.11
XML
カテゴリ:短編
急に静まり返った教室。
それもそのはず、あのいつも温厚で優しい先生が
信じられないくらい大きな声で
教え子に向かって怒鳴った…
こんなこと今までなかったもん。

わたしたち女子はもちろん
男子たちもさすがにビックリして
黙る以外のリアクションを忘れてしまっている。

タッタッタッ…

静かな教室に、宮元くんの歩く足音が
異常に大きく響き渡る。

-…ッタ。

最後の足音が終了する。
不安そうな、嫌そうな、顔を引きつった表情で
先生の隣に到着する宮元くん。
少し距離を取ったその空間が
異常事態への戸惑いを物語っている。

「…宮元くん、分かってるわね?」
「…え、な、なんだよ。」

先生の目も見ず、困ったように呟く宮元くん。

「さっき、上野さんが言ったこと。
 あなたには罰が必要だと、先生は判断しました。」

口調がなんだか、いつもの先生じゃないみたい。
…なんだか冷酷で、感情がないみたいで
…怖い。

「な、なんなんだよもう。」
「お尻たたきだったわよね?」

今度は上野さんに向かって、先生が言う。

「…あ、…は、はいっ!!」
「…そう言うことです。宮元くん。」

罪人を蔑むような、愛情の全くない視線と口調で
宮元くんを見下ろす先生。

「…な、なんだよ、こえーな先生。
 だから尻たたきくらいいくらでもやってやるって。
 ほら、ほーいほーい。」

そう言って、再びお尻をわたしたちの方に向けて
ペンペンと自分でたたいて見せてくる宮元くん。

…結果虚しく、誰一人の笑いを得ることもなく
言うならばダダ滑り。

わたしたち女子はもちろん
さっきは大笑いしていた男子たちも
『今それは笑えねーわ…』と言った表情で
宮元くんのその姿を見つめながら
絵に描いたような苦笑いを送っている。

「ほーいほーいほーい…ほー……、…。」

あまりにも孤立無援なその状況に
流石にその醜態を一時停止し
再びわたしたちの方に体を向ける宮元くん。

…その顔は、見たことないくらいに真っ赤に染まってた。
いつもみんなを笑わせてる宮元くんだからね。
きっとこんなに笑ってもらえなかったの
初めてだったんじゃないかな。
…ふん、自業自得だけどさ。

「…そう言うことだから、宮元くん。
 お尻出して。」

完全アウェイの宮元くん初滑り舞台が
終わったことを横目で確認すると
先生は一気に核心に迫るそのセリフを
宮元くんに投げかける。

遂に来た…!!きっと被害に遭ったことのある
全ての女の子がこのときを待っていたに違いない。
あの宮元くんに屈辱を…!!

「…やだね。」

…と、そう上手いこといくはずもなく
先生の方を全く見ようともせず
当然のごとく抵抗を見せる宮元くん。

「これは先生の命令よ?
 さぁ早くして、こっちに来なさい。」
「やだよ、なんでオレがそんなことしなきゃ
 いけねーんだよ。
 別にオレそんな悪いことしてねーじゃん。」

悪いことしてないって…!
やっぱり全然反省してないじゃん!!
ホントもう許せないっ!!!

「この中で、宮元くんにスカートめくり、その他
 何か嫌な思いをするようなことを
 されたことがある人、手挙げて。」

急に、今度はわたしたちに質問を投げてくる先生。
真っ先に手を挙げたのは上野さん。
顔は真っ赤だけど、目の輝きは正義に満ちている。

つられるようにして、わたしも手を挙げる。
…と、連鎖反応を起こすように、次々と
女の子たちが、わたしも、わたしもと
手を挙げ始め…

正直びっくりした、最終的には
クラスの女子全員が、手を挙げてた。
びっくり、って言うか、もう
あきれたに近いかな。
クラスの女の子全員に手を出していたなんて…
…いや、表現はちょっとおかしいかもしれないけど
とにかく、…さいってー。

「…どう?これでも悪いことしてないって
 言えるの?」

再び宮元くんの方を向きながら
相変わらず冷酷な対応を続ける先生。

「………。」

頭を掻きながら、反論の言葉もなく
でも、今の状況に焦っていると言うよりは
ただめんどくさそうに、ことが終わるのを
待っているといった様子の宮元くん。

「罪を犯した人にはね、罰が必要なの。
 ここで全部清算しましょう、宮元くん。」

口調はいつもの優しい先生に戻ったけど
雰囲気は未だに冷徹なままで
どこかの宗教団体の長のような、絶対的な圧力があって
とにかく、不気味だった。

「さ、こっちに来て。」
「…やだね、そんなアホらしいこと。」

それでも尚、反抗的に振る舞う宮元くん。
ホント子どもなんだから…。
早くお尻ペンペンされろーっ!!

「あら、いいのかしら?」

そんな宮元くんの態度に、全く動じることもなく
先生は何か切り札を持っているかのような
余裕の素振りを見せる。

「…何がだよ。」
「…ふぅ。こんなことホントはしたくないんだけど。
 もし言うこと聞かないんだったら
 先生にも考えがあるってこと。」
「…だ、だからなんだよ。」
「今学期のあなたの成績、全部Cにします。」
「えぇっ!?」

えぇっ!!!???
声には出さなかったけど、きっとわたしを含め
クラス中の全員が心の中でそう思ったに違いない。

A・B・Cの3段階評価で決まる通知表の評価。
全部Cなんて、そんな残念すぎる評価…
親にも見せられないし…、間違いなく一生の汚点になる。
そこまでするか先生…!!
…でも、小さくガッツポーズをしてしまうわたし。

「…そ、そんなっ…。」
「そーだ、あなたの親御さんへのコメント欄に
 今までの悪事を全部書いてあげちゃおうかしら。
 箇条書きで。」
「……!!!」

ドンドン顔色が悪くなっていく宮元くん。
先生はまるで、楽しいことを思いついた子供のように
ニコニコと笑いながら、信じられない発言を
淡々と紡いでいく。

「…ま、あなたが従わなかった場合の
 話だけどね。」

不気味な笑いで、宮元くんにそう笑いかける先生。

「………。」

もう何も反論の余地などない。
ただ1つ分かるのはきっと
そんなことになったら、とてつもなくマズいってこと。
それだけはきっと、宮元くんを含め
わたしたち全員が共通して理解できる事実。

「-…くっ。」

宮元くんの小さく押し殺した声が
わたしたちの耳に届く。

きっと、先生という
絶対的な権力を持つ存在の大きさを改めて確認し
その圧力に、どうすることもできない自分が
ただただ歯がゆくて、悔しいに違いない。

宮元くんは、それ以上はもう何も言うこともなく
ゆっくりと、完全降伏を掲げた武士のごとく
先生のすぐ隣にまで歩を進める。

「…覚悟はできた?」
「………。」

先生の言葉に、顔を歪める宮元くん。

「返事しないと分かんないわよ。」
「……は、早くやれよ。」
「返事は、“はい”か“いいえ”でしょ。」
「……。」
「返事は?」
「……はい。」
「はい、それでいいのよ。」

あの宮元くんが、完全に手のひらで転がされてる…。
さすが先生…。

「じゃ、みんなにお尻向けて。」

無言のまま、ゆっくりと黒板の方を向く宮元くん。

「教卓に両手を付いて、お尻を突き出して。」

言われるがままに、お尻を突き出す宮元くん。
準備万端…、遂にこの瞬間が…!!!

「じゃ、脱がすわね。」
「……、…え!?」

…え!?

「…直?」

直!?

「直。」
「…な、生?」

生…!?

「生、当然でしょ。」
「そ、それは……!?」

お尻…丸出し…!?

「じゃあ、オールC?」
「……くっ!!」
「箇条書き?」
「…く、くそー!!勝手にしろよっ!!」
「はい、勝手にします。」

-ズリリッ!!!!!

ズボンを掴んだ先生の手が
思い切り下降する。



----------------------------------------------

にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ  にほんブログ村 イラストブログへ  人気ブログランキングへ

1日1回ポチッとクリックしていただけると嬉しいです♪
ランキングポイントが加算されて
ランキング向上に繋がります!
よろしくお願いします~m(_ _)m


by Kuneko





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.03.11 12:14:54
コメント(3) | コメントを書く
[短編] カテゴリの最新記事


PR

Free Space

    【CAUTION!】
このサイトには、少年愛,少女愛,CFNMなどの要素が含まれている場合がございます。
不快に思われる方、苦手な方は、閲覧の方をお控えくださいませ。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m

Calendar

Category

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12

Profile

Kuneko

Kuneko

Freepage List

Comments

革ベルト@ Re:目安箱(02/24) この季節になったら思い出すんですが、小…
享楽虎太郎@ リンクの件について 享楽と申します。 この度、羞恥体験談の…
温泉山猿@ 同じ経験しました でも、幸い熟年の男性垢すり師。 このコ…
りくと@ いとこの姉妹に・・・ 中1の夏休みに中3と小5のいとこ姉妹の家に…
Kuneko@ Re[1]:成長くらべっこ 2(04/21) >>ショタさん いつもありがとうご…

© Rakuten Group, Inc.