第四話第四話「はじめてのくんれん・エリオ編」スバルがダウンして残りはエリオになった、先のスバルとの戦闘を見ていたエリオの膝はかなり 震えていた、たしかにエリオはスバルよりは速いが到底一撃を防ぐ事はできない、ましてや年代 としても幼いので、まともに土手っ腹に喰らえば医務室どころでないことは確かだ エリオ(大丈夫だ・・・僕にはストラーダ、槍がある・・・これでのスピード戦に持ち込めば 相手の剣の質量では扱いが難しいハズだ) エリオは走りながら森林を潜り倉和に向かう。対する倉和は剣を抜き取った、先ほどの威圧が エリオへと襲いかかる。押しつぶされる感覚がエリオにはあった 倉和「エリオ!こいつくらいは凌げよな!」 エリオ「・・・へ?」 倉和はエリオに叫ぶと、剣を左薙の形で空を斬った。重い空気が木々を破壊しながら一直線で エリオに襲いかかる ストラーダ「Sonic move!」 間一髪で上へ避けた。しかしエリオが下を見ると倉和が既に逆風の状態に移っていた シグナム「ヴィータ、コンテナの中の訓練剣・・・どんな形のが残っている?」 ヴィータ「へ?えーと・・・刃が片方にしか無いヤツ」 シグナム「間違い無い、あの方が今使っているのは対空戦用の剣だ・・・恐らくこうなる状況を 既に推測してあれを持っていったのか・・・」 倉和の剣は2つ種類がある、最も得意の陸上で力勝負をする対地上用。もうひとつは飛行して いる目標を叩き斬るため、少々軽量にし婉曲になっているため真空波を出しやすい対空戦用 ???「飛べないから臨機応変の戦術を操る、器用なものだ」 ヴィータ「うぉわ!?おま・・・チンク!驚かすんじゃねぇよ!」 チンク「新しく入った訓練官・・・セインから聞いたわ、昔は私たちと同じ施設にいたって」 シグナム「それも5年もな・・・お前達の先輩、OBに入るだろう」 ウェンディ「ゼストのおっちゃんみたいに改造されたって噂も立ってるッスからね・・・」 みんなが顔合わせで話す間でもシグナムは戦いから目を離さない、倉和の剣筋を見極めようと シグナムもまた必死で追っている。剣が剣な分、かなり特殊なのだ 倉和「『弐式・重ね斬波昇』!ぉおぉらァッ!」 逆風の体制から剣を振り、真空波が上へ飛んでいく。しかし倉和は反動を利用してもう一回転 し、時間差でもう一撃エリオに向かって振り飛ばした エリオ「うわっ・・・!ストラーダ!」 エリオはシールドを張りながらストラーダを構え、倉和に向かって突っ込んでいく。しかし倉 和の第1撃がエリオのシールドをいとも簡単に砕け散らせてしまった。そして第2撃がエリオに 襲いかかる、エリオも自力ではね飛ばそうと、ストラーダを振った。矛先と真空波がぶつかり合 った エリオ「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」 逆に倉和の真空波がエリオをはね飛ばした、エリオはバランスと崩してそのまま地面に落ちる、 すると倉和は剣を捨て、思いっきり地面を殴りつけた。すると後方からバコンと轟音が響いた ヴィータ「な、なんだぁ!?」 見学者が音が鳴った横のコンテナをを見ると、氷柱がコンテナに刺さっていた。そしてその場 にあったハズの1本が無い、無いものはそう、対地上戦の訓練剣だった。飛んできた剣が倉和の 横に突き刺さると、それを引き抜いた。 ノーヴェ「勝負・・・つける気だな」 シグナム「あぁ・・・」 倉和「『参式・轟刃陣』」 周囲の空気がどっと重くなる。倉和から放たれる剣気と威圧感が混ざり合い、空気を重くする のだ。そして倉和は、剣を肩に掛けていつもの体勢になる 倉和「遠慮はいらん、殺す気で突っ込んでこい」 エリオ「一撃必中!たぁぁぁぁぁぁ!!」 エリオは剣突の状態からストラーダのソニックムーヴで一気に倉和へと突進していく 倉和は剣を右薙の構えにし、エリオを迎え撃つつもりだ シグナム「あれは・・・!」 4人「?」 倉和「相手の最短距離を貫く突きをデバイスの加速で更に距離を縮めるか・・・槍騎士としては 中々に良い判断をする、槍本来の使い方だな・・・だがその分、横などがガラ空きになり 更にはその加速からの防御態勢は不可能となる」 シグナム「あの方の技を私は一つ伝授させて頂いた、あのアギトと共に空中のガジェットを迎え 撃ったときに使った・・・私は自分用に名前を訂正したが、その名は・・・」 倉和「『伍式・氷神一閃』!」 目一杯力任せに剣を振ると、更に長い氷の刃が剣に付着し攻撃範囲を広めてエリオに襲いかか ったが、それに気づいたエリオはもう遅かった エリオ「うわぁッ!」 -機動六課 医療施設- ティアナ「て事は、二人とも怪我は大したことないんですか?」 なのは「うん、夕方には目が覚めるかもね。流石は飯田訓練官、怪我をするかしないかのギリギ リの値をちゃんと知っているからこうして訓練には大怪我は出ないんだよね」 ノーヴェ「コッチから見ればかなりバカスカにされてたんだけどな・・・」 シャマル「モニターから見てたらハラハラしちゃって、包帯とかギブスとか一杯用意しちゃった のに・・・二人とも軽傷で運ばれてきちゃうんだもん」 なのは「まぁ、飯田訓練官には手を抜いてもらってるハズだから、安心してね」 なのはが部屋から出ると、ティアナ、キャロ、ノーヴェは二人の寝顔を暫し眺めていた -ヘリ格納庫- ヴァイス「しっかし、お前が階級持とうとはねェ」 倉和「なァに・・・即席で取ったようなお零れ昇級だからあんま関係ねぇよ」 ヴァイス「その即席のお零れで俺の上ってのがアレだけどな・・・」 シグナム「しかし・・・貴方の能力ならヴィータくらいまでいけるでしょう」 倉和「上のお偉いさんとやらに足止め喰らってんだよ、つうか・・・いい加減階級的に考えて 敬語はヤメてくれよな、シグナム二尉」 シグナム「かつての師を呼び捨てにするなど無礼です、例え階級が下であろうと」 アルト「でもヴァイス陸曹はなんでタメ口なんですか?」 ヴァイス「俺と同じ年代ってのが基本少ねぇんだよ、だから倉和みてーなのがいると助かる」 倉和「そいじゃシグナム、ヒマありゃ全力の手合わせでもやるかい?」 シグナム「えぇ、よろしくお願いします」 倉和はコーヒーを飲み干し、紙コップをくしゃりと握り捨てると隊舎へと消えていった シグナムが後ろ姿を見ていると、倉和の後をコソコソと追う水色の髪をした女性がいた。すぐ にシグナムは察したが、後々面倒になりそうなのであえて伏せておくことにした END |