CRIDE・SOUL

第六話

第六話「シャーリー会議」


 ティアナと共に倉和の細かい過去などを探っていたシャーリーは、六課フォワード陣+αを自室に
集めた。なぜかノーヴェの隣にはウェンディとセインが座っている

シャーリー「なんかさ、本編九話あたりでも似たようなのした記憶あるんだけど」

キャロ「あのときはたしか、なのはさんの過去でしたよね」

ノーヴェ「バケモン探るの好きだなアンタら・・・」

シャーリー「じゃあ始めるね、ここからしばらくセリフばっかで文章無いから作者も楽だね」

ウェンディ「楽したいって事バレバレッスね」

シャーリー「飯田さんは、なのはさん達と同じ世界っていっても、場所が違っててね。もう千キ
      ロ北くらいの北国地方の出身なの、旭川市って所でね」

スバル「やっぱ、なのはさんみたいに最初は平凡な子だったんですか?」

シャーリー「地球の人はそんな感じだね、ただちょっとやんちゃというか・・・なんというかね、
      サバイバル能力はあるし、学校ではケンカ三昧の問題児扱いだったそうよ」

ノーヴェ「でもそんだけで、あの身体が手に入るワケじゃないよな」

シャーリー「そう、今回のポイントは飯田さんの戦闘能力の源。戦闘機人でなければつくられた
      人類でもない・・・元は普通に人から生まれた普通の人間なんだよね」

キャロ「でも普通の人間なら、似たような物でも魔法は使えないじゃないですか」

シャーリー「聖王教会から色んな資料を送ってくれたけど、飯田さんは何らかの手術とかを受け
      て、何か変異してあの身体を手に入れたの」

スバル「強化・・・手術?」

シャーリー「うん・・・身体能力はもちろん、動体視力や感覚神経の向上、肺活量の増加、筋力
      増大、骨格強度を鋼並にさせたり、元々人間の持つ自然治癒機能を数倍高めてある
      し、要は代謝促進だね・・・もう身体の物理限界を超えているから」

エリオ「じゃあ、あの氷の魔法みたいなのは・・・?」

シャーリー「・・・強化手術失敗の代償」

セイン「失敗の代償・・・?」

シャーリー「最後の最後で機械が誤作動起こしちゃって、飯田さんの身体は爆発寸前まできた、
      それに耐えるべく暴れ出したんだけど・・・それを止める為に、約千リットル近い
      化学凍結液、液体窒素よりも優れた物を一度に身体にかぶったのね」

ティアナ「よく生きてましたね・・・」

シャーリー「それに無理矢理手術を停止したから、身体には無数の裂傷が残ってて・・・恐らく
      その時に氷の変換素質がオマケでついちゃったんだと思われるわ。それに・・・こ
      話は、彼がまだ13歳の話」

ティアナ「キャロやエリオは、まだ生まれてないわね」

シャーリー「14歳の時、飯田さんはロストロギアの発見地帯や発生地帯を駆け回って捕まった
      んだけど、魔法も使えないのに転送ポートが出現するのもおかしいでしょ?」

スバル「ということは、どこか大型の転送に紛れてたって事ですか?」

シャーリー「それが妥当だと思うんだけど、未だに不明なんだよね・・・。そして保護された時
      は暴れもせずに大人しく捕まったそうなの」

エリオ「それを狙ってた・・・?」

シャーリー「捕まって保護されてからは殆ど口を開いていないそうだし、脱走とかそういう行動
      もまったく見せなかった。ただ危険人物扱いとしてかなり奥の部屋に収容させられ
      たらしいの」

ノーヴェ「あたしならそりゃ耐えられねぇな」

シャーリー「そんなこんなで丸5年も過ごしてたらしいけど、あの聖王教会のカリム・グラシア
      騎士団長の誘いで1年ほど聖王騎士団に所属してたんだけど。その時にかなり大規
      模な事故に巻き込まれちゃって・・・」

キャロ「なのはさんみたいに・・・墜ちたんですか?」

シャーリー「ほら、飯田さんは魔力がゼロだからバリアジャケットも作れないし、バリアやシー
      ルドも形成できないから・・・自分の氷で防いだらしいんだけど、尋常じゃない程
      の魔力と物理の混合爆撃を一度に浴びたの・・・。これが、その事件の映像」

ウェンディ「うわっ・・・なんだコリャ!?」

セイン「この規模じゃいくら私達でも防げないと思う・・・」

シャーリー「最悪な事に飯田さんがいたのはほぼ爆心地付近、発見された時は瓦礫の下敷き状態
      でね・・・27カ所の複雑骨折、左肺と肝臓の圧迫破裂、後は他の臓器に骨が刺さ
      っていて・・・。普通の人間ならとっくに死んでいるハズなんだけど、かろうじて
      呼吸があったの・・・見るも無惨な姿だったけどね」

エリオ「よく完治しましたね・・・」

シャーリー「代謝促進手術や向上された治癒機能がフルに活用したのか、2年はかかると思われ
      てたのをわずか3ヶ月で治したんだって・・・でもやっぱ傷は一生残るって」

スバル「エリオ、シャワーの時にでも訓練官に見せてもらえばいいんじゃない?」

エリオ「それって流石に失礼じゃないですか・・・?」

シャーリー「完治して速効で現場に復帰してね、前衛のトップの座は相変わらずだったみたい」

ティアナ「武装はどうしてたんですか?」

シャーリー「あの剣を1本だけ特別に使用させてもらってたの、後は全部封印されてた」

スバル「え、素手でも十分強いじゃないですか」

シャーリー「経験者は語る、って感じだね。まぁたしかにそうなんだけど、本人曰く拳だけじゃ
      AFMは潰せないらしいのね、今まで殆どあの剣で潰してきたそうだよ」

スバル「でもシールドとかは簡単に拳で潰されるんだよね・・・あたしそうだった」

エリオ「剣を使ったインファイトじゃ、シグナム副隊長でも苦戦するくらいですからね」

ティアナ「かといって、砲撃で対抗しても弾き返すくらいの身体してるから・・・」

ノーヴェ「ホンットにバケモンだな・・・」

シャーリー「でもみんな考えてみて、飯田さんは剣を使う時、どういうスタイルで使ってる?」

エリオ「えっと・・・片手で持ってあまりその場を動かないですね」

キャロ「動きはしますが、ほとんど片手ですよね」

ティアナ「なんであんなバカでかい剣をわざわざ片手で・・・?」

シャーリー「最後に両手で振ったのは・・・たしか2年前、資源に危害を加えてる野生生物の集
      団討伐の時だったかな」

スバル「なんでそんなに?」

シャーリー「両手で振った時、彼の前には全長200メートル、幅10メートル、深さ3メート
      ルの瓦礫でできた溝ができて、その周辺の木々や地面は木っ端微塵だった」

エリオ「片手から・・・両手に持ち替えただけで・・・?」

シャーリー「エリオは分かると思うけど、飯田さんは剣で真空波を作れるんだけど、当時周りに
      いた局員の目では、真空波というかフェイトさんのプラズマザンバー的なものが一
      瞬見えたって。もうなんというか、なのはさん達で言う限定解除とかそういうレベ
      の類の技を使ったらしいの」

エリオ「片手でも十分異常な驚異なんですけどね・・・あの威圧感がどうも」

ウェンディ「見てるこっちまで冷や汗もんッスからねぇ」

ティアナ「でも、なんで聖王教会を抜けて管理局に・・・?」

シャーリー「あぁ、それについては次回ということで」

ノーヴェ「まぁた無駄に話数稼ぐ気だな作者は」


               END


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