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カテゴリ:アクション
「007 リビング・デイライツ」 The Living Daylights 1987年 イギリス映画 監督 ジョン・グレン 出演 ティモシー・ダルトン マリアム・ダボ 007を一気に観ようシリーズの第5弾です。4代目ボンド、ティモシー・ダルトンの第1弾、007映画25周年記念の第15作目です。 00メンバーらによるジブラルタルでのNATOの演習訓練中、「スパイに死を」との標札とともに、004が殺害されます。訓練に参加していた007ことジェームズ・ボンド(ティモシー・ダルトン)は暗殺者を追跡。死闘の末に暗殺者を倒します。 その後、ボンドはソ連が支配する東側のチェコスロバキアにいました。ソ連の重要人物コスコフ将軍から、ボンドを名指ししての亡命の協力依頼が英国情報部に入り、その任務のために現地へ潜入していたのです。 先に潜入していた同僚のソーンダースとともに、クラシック演奏会場から脱出したコスコフを援護します。そのとき、会場の窓からコスコフを狙撃する人物を発見したボンドは、それが演奏会にいた女流チェリストだと気づきますが、とっさの判断で彼女が狙撃の素人であることを見抜き、あえて狙いを外し命を奪いませんでした。 そのことでソーンダースの叱責を受けますが、当初の目的であるコスコフ将軍の亡命はQの天然ガスパイプラインを使うアイディアによって、西側のオーストリアへの亡命に無事成功します。 コスコフがストーナー・ハウスでMたちに明かした事件の黒幕とは、KGBのプーシキン将軍で、「スパイに死を」の合言葉の下、英米のスパイの総抹殺を企んでいるとのことでした。その直後、牛乳配達人に化けた殺し屋ネクロスにコスコフ将軍は奪還されてしまいます。 この非常事態にMはボンドにプーシキン将軍暗殺の指令を出します。単純にプーシキン将軍が黒幕とは信じられないボンドが異議を唱えると、Mは008に任務交代させると脅しをかけます。 コスコフ将軍を狙撃しようとしたカーラ(マリアム・ダボ)という女流チェリストに引っかかりを感じたボンドは任務を受け、Mには内緒で正体を隠して独自にカーラと接触し、実はコスコフの恋人だと名乗るカーラを、雪上の逃走劇の末にオーストリアへ連れ出すことに成功します。 やがて、ウィーンで落ち合ったソーンダースの報告によって、コスコフとカーラの間に、国際的武器商人のウィテカーの名が浮かび上がります。ボンドはコスコフの亡命も、ネクロスによる奪還も、ウィテカーと結託したコスコフの芝居であり、カーラは捨て駒に過ぎなかったと推測するのです。 なかなかいい作品でした。 ボンド役が交代したおかげでしょうか。(こう書くとロジャー・ムーアに申し訳ないですが、)それまでのお祭り騒ぎ的な傾向が全くなくなって、本格的スパイアクション(?)的な、シリアス路線に方向転換しています。まあ、オープニングアクションの後、パラシュートで落ちた先に水着美女がいて、M(おそらく)に連絡して、「1時間後に行く。」と言ったとき、美女からのお誘いがあったため、「2時間後に変更してくれ。」というお約束の展開はありましたが。 ボンドが若返ったためでしょうか、体を張ったアクションに切れがありますし、今回の秘密兵器のキーホルダーもうまく使っているし、ボンドカーもアストン・マーチンに戻って、その特別な装備も活躍していますし、チェコからオーストリア、モロッコからアフガニスタンと、それぞれの舞台も活かされているし、チェロのケースの使い方とか、輸送機をうまく使ったラストアクションなど、アクションも工夫されているし、知恵を絞った楽しい場面ばかりが用意してありました。(ボンドのついでに、マニーペニーも若返っていたのにはびっくりしましたが。) ただ、悪役の殺し屋ネクロスが、「ロシアより愛をこめて」のグラントや、「私を愛したスパイ」「ムーンレイカー」のジョーズほどの存在感がなく、今ひとつだったのと、今回ボンドと本気恋愛をするボンドガール、カーラが、今までのお色気路線から一転して、露出少なめ・かわいい路線(僕的には、とっても良かったですが。)になっていたところが、多くの007ファンにとっては不満が残るところでしょうか。 とにかく、あまり期待していなかった分、意外な完成度の高さで、007も捨てたもんではないな、と考え方を改めさせられた逸品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.02.13 22:47:56
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