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カテゴリ:アクション
![]() 「007 カジノ・ロワイヤル」 007 Casino Royale 2006年 イギリス映画 監督 マーティン・キャンベル 出演 ダニエル・クレイグ エヴァ・グリーン ジュディ・デンチ 007を一気に観ようシリーズ第9弾です。 今回は、最新の6代目ジェームズ・ボンド、ダニエル・クレイグの第1作です。新しいボンドで、原点に戻るため、原作第1作を持ってきて、雰囲気を一掃したという第21作です。 内部汚職の根を絶ち、殺しのライセンス・00(ダブルオー)を得たジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)はマダガスカルである男の監視をしていました。 その男の携帯電話から得た情報、“エリプシス”という糸を手繰り、バハマへ向かいます。 そこでメッセージの送信者で、武器の売人のディミトリオスとその妻ソランジュと接触し、マイアミ国際空港で披露される超大型旅客機を爆破する計画を知り、阻止します。 また、M(ジュディ・デンチ)から、この計画に絡んでいるとしてル・シッフルという男の情報を得ます。ル・シッフルは世界各国のテロ組織から預かった資金をマネーロンダリングしつつ運用しており、超大型旅客機を製造した旅客機製造メーカーの株をカラ売りした上で超大型旅客機を爆破することで、大量の利益を得ようとしていたのです。 しかし、爆破がボンドに阻止されたことで大金を失い、テロ組織に返却する資金を取り戻そうとモンテネグロの“カジノ・ロワイヤル”にて開催されるポーカーゲームに参加することになります。 ボンドはそのゲームに参加し、国の資金を使ってテロ資金稼ぎを阻止するよう命じられ、監視役として送られて来た金融活動部(FATF)のヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)とともにそれへ挑むことになるのです。 007シリーズは、ボンド役が替わるたび、リニューアルを図るためか、その雰囲気を一新しようとします。今回、シリアスな役ばかり演じているダニエル・クレイグを持ってきたためか(それともシリアス路線に変えるために彼を起用したのか、)、路線が全く変わり、徹底したシリアスで骨太な物語に方向チェンジされています。そして、爆破やカーチェイス、巨大基地など、派手なアクションは全くなく、若返った肉体派ボンドの優れた身体能力を活かした、体を張ったリアルなアクションを見せようとしているようです。 ![]() 何といっても見どころは、この物語の核である、カジノでのポーカーの駆け引きでしょう。ボンドに新型機の爆破を阻止され、株で儲けることができなかったル・シッフルは、損害を補填するため、カジノで得意なポーカーゲームで儲けようとします。それを阻止するためにMI6は、エージェントの中でポーカーが1番得意なボンドを派遣するのです。 2人が参加するゲームは、特別にしつらえたテーブルで行う「テキサス・ホールデン」というポーカーです。プレイヤーには2枚ずつのカードが配られ、ディーラーの前に5枚のカードが並べられます。プレイヤーは手持ちの2枚と、ディーラーの前の5枚のうち3枚を選び役を作るのです。これは、普通のポーカーよりも高い役が比較的容易に作ることができ、ギャンブル性が高まるのです。ふつうのポーカーだと、3カードなんてできると絶対勝てると思うのですが、映画の中では、フルハウスや4カードなどが簡単にできています。(本当はそんなに簡単じゃないけどね。) だから、はったり(ブラフ)をかませたり、それを見抜いたり、といった駆け引きがより大事になってくるわけです。ボンドはそれがうまいということで、イギリス政府の大金を用意され、すべてを任されてゲ-ムに参加するのです。 損害を補填するための大金が用意できなければ、依頼主から始末されてしまうル・シッフルと、それを阻止しようとするボンドとの、手に汗握る命がけの心の探り合いが、この映画の1番の見どころなのです。(でも、ここだけだと、スパイ・アクション映画にならないですね。だから、他のアクションシーンが用意されているのですね。) また、見どころはそれだけではありません。今回は原作が第1作ということで、ジェームズ・ボンドが007になったばっかりという設定のため、なんとMに叱られるボンドが観られるのです。 ボンドは、国際テロリストの爆弾魔を追っていました。そのマークしていた爆弾魔が逃げたため、ボンドは後を追います。実は爆弾魔役の人は、あの“パルクール”(詳しくは以前の記事「アルティメット」参照。)の創設メンバーのひとりで、彼は家々の屋根などを飛び回って逃げます。ボンドも負けじと、同じように家々の屋根を追いかけます。実はこの場面、爆弾魔役の彼の手ほどきだそうですが、それに見事応えているダニエル・クレイグの身体能力も大したものです。最終的に、爆弾魔はある国の大使館に逃げ込むのですが、ボンドはあろうことか、大使館を銃撃し、ガスタンクを爆破させてしまいます。 結局爆弾魔の荷物を奪うことに成功し、そこから“エリプシス”という情報をゲットすることができたわけですが、大使館を襲い、爆破してしまったことを、Mに咎められ、叱られてしまうわけです。大使館ということから国際問題になりかねないのはもちろんですが、やり方がスマートでなく、荒っぽすぎるというのです。この時、Mに叱られてちょっとシュンとしているボンドがちょっとおもしろいです。(でもその後ボンドは、新型航空機の爆破を阻止するために空港で大暴れをしたり、最後の場面でも、3階建てぐらいのビルを丸ごとぶっ壊したりしていますが。) ![]() ということで、シリアス路線にイメージチェンジし、いつものちょっとHな掛け合いができないためマネーペニーが登場しない、奇天烈な秘密兵器もいらないためQも登場しない、しかし、結局女に甘いために痛い目に合う、新しいジェームズ・ボンドの第1作を紹介しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.03.05 21:45:31
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