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カテゴリ:アクション
「ローン・レンジャー」 The Lone Ranger 2013年 アメリカ映画 監督 ゴア・ヴァービンスキー 出演 アーミー・ハマー ジョニー・デップ ヘレナ・ボナム=カーター 今の若い人は知らないでしょうが、「ローン・レンジャー」といえば、1930年代のラジオドラマから始まり、アメコミ、TVドラマ、映画など50,60年代に大人気だったヒーローもの西部劇です。日本でも1958年からTVドラマが放映され、「ハイよ、シルバー!」「インディアン、ウソつかない」などの流行語を生み、大人気でした。僕も直接ドラマは観ていないのですが、この2つの流行語はなぜか知っていました。それくらい流行っていたんですね。 そんな昔々の大人気ヒーローを、21世紀の現代、西部劇は必ずこけるという風潮がある現代、ディズニーがあの大ヒットした「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの監督・スタッフで、主人公の相棒のネイティブ・アメリカン(最近はインディアンという言い方は差別的ということで使われないようですが、ちょっと長くて使いづらい言葉だよね。)トント役に大スター・ジョニー・デップを起用して、新たな人気シリーズを目論んだ意欲作です。 1933年、アメリカ西部では無法者がはびこり、唯一の正義はレンジャーと呼ばれる部隊でした。レンジャー部隊は凶悪な無法者ブッチ・キャヴェンディッシュ(あのキャベツ君の名前はここから来ていたのね。馬も白馬で“シルバー”だし。)を捕まえ、法の裁きを受けさせるために列車で輸送していましたが、列車内に仲間が潜んでおり、まんまと逃げられてしまいます。 先住民のトント(ジョニー・デップ)は、親の仇であるキャヴェンディッシュの命を狙い、一緒につかまっていたのですが、乗り合わせていた検事のジョン・リード(アーミー・ハマー)に邪魔をされ、ともに手錠でつながれてしまいます。 キャヴェンディッシュは逃げる際に列車のアクセルを全開にし、暴走させていました。トントはいち早く飛び降りようとしたものの、ジョンは乗客を助けると言いだし、仕方なくトントも協力することになってしまいます。 2人は何とか機関車と客車を切り離しましたが、線路ができていない地域まできており、横転してしまいますが、2人はギリギリのところで助かりました。 生真面目なジョンはつかまっていたトントを再び逮捕し、牢屋に入れることにし、レンジャーを指揮している兄のダンの下へ連行します。 ジョンは、兄のレンジャー部隊と共にキャヴェンディッシュの捜索に出発しますが、仲間の1人が裏切られ全滅してしまいます。 牢屋から抜け出したトントは、レンジャー部隊を見つけると、埋葬してあげようとしますが、たまたま通りかかった伝説の白馬がジョンの元を離れません。ジョンは生きていました。 トントは、先住民の伝説にのっとって、ジョンにマスクをつけさせ、ともにキャヴェンディッシュ一味を追うのでした。 主人公はヘタレ(まあ、ローン・レンジャー誕生篇だからしょうがないか。)だし、トントは見た目こそ思いっ切り変でインパクト充分ですが、全く神秘的な力を持っていないただの変人(しかもまだまだ普通っぽいです。キャプテン・ジャック・スパロウやウィリー・ウォンカの方がずっとずっとクレイジーです。)だし、悪の黒幕が全く意外でなく冒頭から見え見えだし、娼館のおかみレッド役のヘレナ・ボナム=カーター(彼女はジョニー・デップとセットかね???)の義足のマシンガン(やっぱり彼女もデップといっしょで、何らかのキャラクター付けが必要なんでしょうかね?)がまったく無意味だし、ダンの嫁レベッカが無駄にかわいい(まあ、ヒロインっぽい女性が他にいないからしょうがないかな?)し、いろいろとツッコミどころ満載なのですが、やっぱりなんといっても無駄に長い上映時間(149分)が一番の問題ですね。 最初と最後の鉄道がらみのアクションはなかなか大がかりで、見応え十分でしたが、途中、キャヴェンディッシュに何度も逃げられたり、ジョンとトントがコマンチ族につかまって、首だけ出された生き埋め(フグにでも当たったかね?)にされたり、全く意外でない黒幕が明らかになったり、なんかダラダラと2人で馬で移動していたり、そういった件がやたら退屈で、すごい中だるみを感じてしまいました。 多くの方々も同じように感じていたようで、アメリカでも日本でも、大コケしてしまった作品で、他のアメコミ映画(「スパイダーマン」とか「アイアンマン」とか「X-men」とか)と同じように大ヒットシリーズ化を目論んでいた、監督・スタッフの思惑は大外れだったわけです。 結局、意味のよくわからない白塗りメイクでカラスの死骸を頭にのっけたトントの風貌と、謎の言葉“キモサベ”だけが話題になった、“出落ち”だけの映画でした。 あっ、ひとつ忘れていました。 この映画のヒーローはあのいつの間にかそこのいた謎の白馬(最後に“シルバー”と名付けられます。)でしたね。ジョンとトントのピンチに必ず現れ、2人を見事に救出し、最後の2両の列車が疾走するクライマックスアクションでは、ハイスピードの列車の屋根の上を爆走するという見事なアクション見せ、馬にしておくのがもったいないほどの名演でした。助演男優賞(女優?)に匹敵します。 ちなみに、この映画、例のラジー賞で、最低作品賞をはじめ5部門にノミネートされ、最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞を受賞しています。(1981年製作の前作、日本未公開「ローン・レンジャー」は、5部門ノミネートで、最低男優賞・最低新人賞・最低作曲賞の3部門を受賞しています。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.05.21 19:39:25
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