テーマ:趣味の英語(406)
カテゴリ:本
昨日からの話題「クール」について。英語の"cool"ではありません。フランス語の"cours"、日本ではテレビの連続番組の放送期間、一区切りの単位のことをいいます。通常ワン・クールは週1回で13回、3か月。つまり一年で4クールです。
もともとは「区切りとなる一定期間のこと」です。ですから半年でワンクールという表現もおかしくはないと思います。 NHKの語学講座はテレビは週1回で1年または半年のものが多いですね。ラジオは毎日(日曜を除く)で1年のものが多いです。リスニング入門のように半年で講師陣が入れ替わるのもあるけれど珍しい方です。 ところでこのクール、フランス語なのは間違いないのですが、私の仏和辞典には連続番組の放送期間に該当する訳語は見当たりませんでした。「Jeunesse仏和辞典」という名の通り、若い人(Jeunesse)向けの辞書ですが、落としているとは思えないので、フランスでは通常こういった使い方はしないのでしょう。 本の紹介が続いているので、この辞書も紹介しておきます。私はフランス語を勉強した経験がありません。今も勉強しているわけではないのですが、英語を勉強する上で、語源をたどって語彙を増やそうとすると、フランス語の単語は避けられないものです。この辞書よりもっと詳しい辞書はいくらもあったのですが、この辞書は重要語には基本義が載っていて、対応する英語も記載されているので私は選びました。英語からフランス語を学ぶ人や、併行して学ぶ人には区別しながら、かつ関連させながら覚えられるので、とても合理的な辞書になっています。ジーニアスで有名な大修館書店の辞書というのもうなずけます。もし子供が大学に入学してフランス語を選択するなら持たせてやりたいと思います。 ではここで、昨日のクイズ、英語では何になるか?の答を兼ねて、フランス語"cours"について「Jeunesse仏和辞典」より、 『基本義は、物事の「流れ、進行」、転じて、通貨・商品の「相場」、学校の「講義」、course「走ること、レース」と混同しないこと。英語のcourseとほぼ同義』 仏和辞典を引く前に"cours"の綴りから"course"に見当をつけてCODを引いたのですが、その語源には、ラテン語の"cursus"がフランス語"cours"を経由してイギリスに入ってきたとありました。 "corse"をジーニアス英和辞典で引くと原義は『流れ、走るところ』になっています。「流れ」の意味が一番にくるところはフランス語の"cours"と同じですが、そこからフランス語では「流通価格、相場」から「講義、授業」に展開するのに対し、英語では「方向、針路、過程」さらに「連続講座、科目」そして「(料理の)一品、一皿」、「(競技の)コース、走路」までで、こちらも放送期間を意味する訳語はありません。やはり日本独特の用法?競技のコースも、全体の走路のことで、一人一人の「コース」は英語では"lane"になります。 最後にドイツ語の「クール」ですが広辞苑では、 『(治療の意)治療期間、治療の周期』となっています。 カタカナ語辞典では『《医》治療、療養』 こう考えてくると、ドイツ語の「クール」"Kur"はフランス語の「クール」"cours"、英語の"course"の仲間ではなく、英語の"cure"または"care"、フランス語の"cure"「療養、治療」の仲間で、日本?でフランス語の"cours"と混同して治療期間の意味になったのでしょうね。 やはりカタカナ外来語は要注意です。 【追記】 とここまで書いて、念のためにリーダーズ英和を見たら、"course"に『(医)クール《一定期間に飲むべき一連の薬;治療単位》』の意味があるではありませんか!ドイツ語の"Kur"はどっちなのでしょう? やっぱり、独和辞典も必要だわ。学生時代持っていたはずなのだけど、ドイツ語の知識同様すっかり記憶から消えています。 どなたか、語源や英語との関連に詳しい辞書をご存知でしたら教えてくださ~い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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