テーマ:趣味の英語(406)
カテゴリ:英文会計
小切手と英語の話が好評でしたので、続きを書いてみたいと思います。
>"cancel"の原義は"crossbars"「格子状に線を引くこと」です。決済が済んだ小切手には"canceled"の消印が押され、代金を支払った証明、つまり領収証になるそうです。もっとも日本ではそのような扱い方には馴染みがありませんが。 前回、決済の済んだ小切手は領収証になると書きましたが、これは英文会計上のことで、日本では認められそうにありません。理由はあとで述べますが、小切手そのものを見ただけでもわかります。 「領収書」と書かれていないから? いいえ。種類の名称はさほど重要ではないのです。もちろん「領収証」でもかまわないし、「お客様控え」、「受領書」や「明細票」などの名称でも、領収証になることがあります。ようは「金銭の受領(領収)を証明」する書類であればすべて「領収書」です。もちろん、スーパーやコンビニのレジから出てくるレシートもれっきとした領収書です。 「領収書」と言えば付きものなのが、そう「収入印紙」です。 原則として3万円以上の領収書に貼付されます。「領収書」の名称がなくても、「金銭の受領(領収)を証明する」書類とみなされれば課税の対象となります。つまり収入印紙を貼付しないといけないと言うことです。必要な印紙が貼付(つまり「納税」)されていないことが判明すると、「追徴課税」を求められます。高くなります。 ところが小切手には収入印紙の貼付を求められていません。ということは領収書とみなされていない、つまり領収書としてして扱うことができないと言うことです。 この印紙税という税金は明治からあり、現在払っている税金の中でも歴史のある税金ですが、日本以外では珍しい税金でもあります。海外で受け取ったレシートにスタンプが付いていることはまずないでしょう? 先ほど原則として3万円以上の領収書に収入印紙を貼付しないといけないと書きましたが、いくつかの例外があります。 まず、クレジットカードでの買い物。「領収書」は金銭の受領を証明するものなので対象外です。 次に、現金の受取があっても、3万円未満の領収証も除外です。だからコンビニなどでのお買い物ではめったに見ることはありません。3万円ちょうどは必要です。念のため。 少しややこしくなりますが、この3万円というのは「正味金額」のことです。「正味金額」というのは簡単に言うと、領収金額から消費税額を除いた(控除)金額のことです。 例えば、29000円の商品を買うと、消費税が5%で1450円、領収金額は30450円で3万円以上になりますが、領収書に消費税(額) 1450円が、領収金額 30450円に含まれていることが明記されていれば対象額は29000円とみなされ、課税は免除、つまり収入印紙は貼付しなくていいのです。消費税額を明記しているのがポイントで、同じ買い物でも30450円(内税)とか(消費税を含む)などと記されている場合、つまり具体的な消費税の金額が記載されていないと課税されます。つまり収入印紙の貼付が必要になります。 それから、あらかじめ認められた特定の団体の特定の領収書で課税を免除されているものもあります。この場合は領収証にその旨が記載されているようです。 他にも課税対象外の領収書があるかも知れませんが、領収書を受け取る側は、そう神経質になる必要はありません。 収入印紙の貼付漏れを責められるのは領収書を発行した側で、印紙が貼付されていない領収書を税務署に提出しても責められることはないはずです。もちろん故意に剥がしたり、領収書を受け取る際に、収入印紙分をまけろというのはルール違反でしょうが。もったいないから貼らなくていいよと申し出るのも。 金銭を受領した人(組織)の納税義務なので、領収書を受け取る側は関与しないのです。 私が知っていることはこれ位です。 最後に英語の学習。 領収書はもちろん"receipt" "recipe"と同じくラテン語"recipere"が語源です。-p-の音は発音しませんが綴りは語源にならって-p-を加えています。 "received"、受け取る行為、受け取った事実のいみから「受領」、さらに「受領書、領収書」の意味ができました。 「受領」の意味のときは非可算名詞、「受領書、領収書、レシート」の時は可算名詞。 "receipts"と複数形になると「受領高、収入金」の意味になります。 古くは同語源の"recipe"の意味(「作り方」)でも用いられたそうです。 動詞もありますが、もっぱら"receipted"の形で、「領収済み」を表す印として用いられるようです。 米国ではレシートは"sales slip"の方が一般的だそうです。 Could you give me a receipt for it? それの領収書をいただけますか? 収入印紙は"a revenue stamp" この言葉がそのまま外国人に通じるかは、はなはだ疑問です。意味がぼやけますが"a tax stamp"(納税印紙)の方がまだ通じるかも。 消費税は"a consumption tax" これは日本より欧米の方が導入も早く、このままで通じるはず。領収書に貼られる収入印紙は「金銭の受領(領収)」に対しての納税ですが、消費税は消費に対しての課税なので購入者側が支払う税金です。消費と言うのは単に物品を購入するするだけではなくて、美容院でカットしてもらったり(技術料)、レストランで給仕してもらったり(サービス料)、宅急便で運んでもらったり(運送料)しても、つまり形がなくても対象になります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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