テーマ:趣味の英語(406)
カテゴリ:奈良観光案内
MAMEDAIFUKUさんが楽天ブログを開設したお祝いに差し上げた馬酔木のカウプレ(私のJewel Boxにも飾っています)を見て、万葉集の大伯皇女(おおくのひめみこ、大来皇女とも)の和歌を思い出してくださいました。 磯の上に生ふるあしびを手折らめど見すべき君がありといはなくに 弟の大津皇子(おおつのみこ)の死を悼んで歌ったもので、次の歌と対をなして万葉集巻ニに載っています。 うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む 二上山は奈良と大阪の境にある山で名前の通り、頂が二つあります。現在は「にじょうざん」と呼びますが、万葉集では「ふたかみやま」と読みます。 この二上山ではいまでもこの可憐な房状の花を咲かす馬酔木を見ることが出来るそうです。 馬酔木の名は、その毒で馬をも麻痺させるからといわれています。実際に馬が食べるかどうかは知りませんが、有毒植物なのは確かで、奈良公園に多く見受けられます。他の草花は鹿に食べつくされて育たないので目立つようです。 私は春日大社でこの写真をとりながら、馬酔木が好きだった堀辰雄のエッセイを思い出そうとしていました。浄瑠璃寺の馬酔木とここのとは花の色が違うとか何とか。 確かめてみると、『大和路』の「浄瑠璃寺の春」にありました。浄瑠璃寺を訪れた帰りに春日の森でも馬酔木を求めて歩いていた時の夫人の言葉です。版権が切れているので引用させてもらいます。(ウェブでも「青空文庫」で見ることが出来ます) 突然、妻がいった。 「なんだか、ここの馬酔木と、浄瑠璃寺にあったのとは、すこしちがうんじゃない? ここのは、こんなに真っ白だけれど、あそこのはもっと房が大きくて、うっすらと紅味を帯びていたわ。……」 馬酔木はもともと日本各地の低山地に自生するツツジ科の低木ですが、奈良公園一帯の馬酔木は植樹され繁殖したもののようです。浄瑠璃寺は山の上のあるので、自生種に近い環境にあるのに対し、奈良公園は栽培種に近い環境にあるので、夫人の言うような違いがしょうじたのでしょうか? 今日の英語 馬酔木 Japanese andromeda andromedaはギリシャ神話のカシオペアの娘でペルセウスに救われたAndromedaに由来し、Andromedaは星座の名前。 the Andromeda Galaxy アンドロメダ銀河 万葉集巻ニ 165・166 うつそみの ひとなるわれや あすよりは ふたかみやまを いろせとわがみむ いそのうえに おふるあしびを たおらめど みすべききみが ありといはなくに 明日は「あす」と読むのでいいのでしょうか? 字余りだけど「あした」と読みたくなります。間延びした感じがより嘆きを深く伝えるような気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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