四話「一泊ですね。食事は何時頃に致しますか?」 「いや、外で食べることにするよ。」 「かしこまりました。」 船旅を終えた俺はとある町に来ていた。夜までここで待ち、日付が代わった頃に出発する。 RPG的に言うと、ダンジョンに一番近いこの町で情報集めとかそういうのをするべきだが、今回は色々と事情が違う。 それに素戔嗚尊様が祀ってある神殿に乗り込むなんて言ったら、町人に何されるかわからない。 よくあるだろ?へんぴな村には大抵変なしきたりがあって、それを破ったら生け贄を捧げないといけない、みたいな。 しかも神殿に繋がる道の前には門番が立っていやがった。そう簡単には通してくれないだろう。 ここは警戒が薄くなるであろう、深夜から早朝にかけてが狙い目となる。 というわけで、それまで時間を潰さなくてはいけないな。待ち時間というものは本当に長く感じる。 しょうがない、必殺技でも使うとするか。 いくぞ! せーの! 「あっ!」 という間に深夜だ。あまり乱用出来ない大技だな。 何事も無かったかのように神殿の入り口の辺り確認する。なんと門番が寝ているではないか! こいつは都合が良い。色んな意味で。 寝ている門番の脇を通り、神殿の入り口へ突入する。 と思ったら洞窟。どうやらここを抜けた先にあるらしい。 キィキィとコウモリが鳴いている。ピチャ!と頬に雫が滴る。・・・・糞かけられた。 正直メチャクチャ不気味ッス。だって深夜にこんな所に一人だよ!?この状況で平気な奴がいたら人格を疑う。 いやね、多分ね、もしかしたらね、出るかなぁ~とか思っちゃったりしてるんだよ。 何がって?そいつは愚問だ。アレに決まってるだろ、アレに。 ピチャン! 「ひっ!」 ・・・・どうやらコウモリの糞が落ちただけのようだ。べ、別に怖がってなんか無いんだからね! そうこうしている内に洞窟の外へ。ふぅ、よかった。 そして、先に立つ建築物の存在に圧倒された後、肉眼で確認する。 「こいつが・・・・。」 この建物が素戔嗚尊を祀る神殿。 戒迅皇釈劉天の存在感に圧倒されるばかりであった。 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|