文化・習慣の違い
山田洋二監督の『男はつらいよ』。30代に入ったせいかここ2,3年この映画が好きになった。なんといってもいつまでたっても変わらない渥美清が演じる車寅次郎のキャラは憎めず、なかば憧れさえ感じるものだ。しかしこの『男はつらいよ』を夫婦で観ていた数年前のある晩のこと、愛妻が突然キレた。『寅、ふざけんな!冗談じゃない!』(お国言葉で)どう考えてもキレる場面ではなかった。自分は何が起こったのかわからないうちに嫁が続けた。『こんな自分のことだけ考えて生きてるやつは絶対許せねっ』どうやら彼女には、寅の自由奔放さが自分のことだけしか考えない、家族を犠牲にした身勝手な生き方にしか思えなかったらしい...国際結婚をしていばみな感じると思う。文化習慣の相違。自分たち夫婦もこの壁で幾度となく衝突した。そして現在も衝突し続けている。例えをあげるならばきりがない。子供の育児方法、人間関係、食生活、夫婦観、家族観、休日の過ごし方、お風呂の入り方、お酒の飲み方、宗教観、仕事観、洗濯、スポーツ、礼儀、服装、...枚挙に暇がない!だが最近思う。お互い相手の文化習慣を勉強すれば、否、冷静に分かろうと心がければ、なぜそういう思考回路になるのかが理解できるようになるものである。そして共感まで達することすらできるのだ(滅多にないが...でも寅のことはけっこう好きになったようだ)。靖国問題も国際結婚夫婦の文化習慣の相異による夫婦喧嘩に似ているのかもしれないと思うことすらある。そんな『違い』をこれから書いていきたい。