カテゴリ:事故入院の頃
大晦日。テレビで明治神宮の初詣の様子を見ていて思いだした事がある。
20数年前。私が20歳を超えたばかりの頃の話。 友達の桃井さん(仮名・当時60歳)は明治神宮のすぐ近くに住んでいた。 しかも一軒家。原宿で一軒家………当時はバブル全盛期。 土地も家屋も法外な価格だった頃。(今も高いけどね) 「すごい所に住んでますねー。いいなー」と私が言ったら 「あら、いいばかりじゃないのよ。お正月なんか家から出られないのよ」と。 そんなバカな…混むとはいえ、家から出られないなんて……と笑ったら。 桃井さんが話してくれた。 その年の大晦日。家でテレビを見ていたら、 明治神宮のものすごい人ごみが映っていたので すでに寝る準備をしていたんだけど、ちょっとした好奇心で、 パジャマにカーディガンをひっかけて、自宅前の様子をのぞいたんだって。 想像以上の人の波で、そこは通行規制がなされていて、 警官が大勢出ていて、歩行者が完全一方通行になっていたそう。 「はーっ」と驚いて眺めていて……ついうっかり、 敷地内の門のコンクリートからつまづいて通りに一歩落ちたら……… 0時を過ぎて、参拝が始まったばかりの勢いよく進みはじめた群集に 飲み込まれて戻れなくなってしまったんだって。 人波をもがいて戻ろうとしたら、遠くから警官が 「一方通行だから前に進みなさいー」と。 事情を説明しようにも、おまわりさんまでも近寄れず、 「家に入りたいだけなんですー」と叫んだけれど、届かず。 すぐ前後の人だけは気の毒そうにしてくれたけど、 後ろからぐんぐん来る群集には逆らえず……。 叫び続けながら流され、 途中で諦めて明治神宮のお賽銭箱まで行ってから帰ったんだって。 お賽銭箱の前まで行っても、お金持ってないからお参りもできず、 パジャマのままお賽銭箱の前に立ち尽くし 周りの人が空いたらめちゃめちゃ寒く、 そして、その寒さより、パジャマ姿に突き刺さった視線が痛くて ぶるぶる震えながら、泣きながら帰ったんだってさ。 そうね………そりゃつらいね。 やっぱり原宿に住むのは………いやだね。 (うそ…本当はすみたい) 二つポチってしていただけると、励みになります。 いつもありがとうございます。 嬉しくて感謝してます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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