鎌田實『1%の力』 ~「1%でいい」
鎌田實(みのる)さんの本が好きで、よく読みます。比較的最近読んだのが、『1%の力』です。 『1%の力』/鎌田實(河出書房新社、2014、1000縁)「1%でいいんだ」というのが、気楽にスタートを切ることを可能にする。そして、その1%から変わっていく。みんな自分がかわいいから、自分のために、力を使いたい。だから、誰かのために使うのは「1%」でいい。それなら、僕にもできそうだ、と思いました。(笑) 「まえがき」(p3)には、こうあります。「1%には人生を変える力がある」「とにかくゼロから1%何かを変えると、希望が見えてくる」力強くそう宣言されることで、1%の力が、大きく思えてきます。大変、勇気づけられました。 この本の中に、阪神淡路大震災で1歳半の子どもをなくしたお母さんの話が出てきます。「何で死んでしまったんだろう。何でしょうくんだったんだろう。何で私じゃなかったんだろう。風になりたいな。そしたらどこかでしょうくんに会えるかな」(p62より)どれだけ年月が経っても、癒えない傷を抱えた人たちがいます。そんな方たちのことを知り、「1%でも、何かできることをしよう」と思えること。そのことが、自分自身の元気にも、周りの人たちへの元気にも、つながっていきます。苦しい時こそ、ほかの苦しい人たちのことを、考えよう。===============================『1%の力』(一部分、特に印象に残っただけを、引用します。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。))p22・人生は、半分は錯覚と誤解・自分は運がいい、と思い込むことp111・どれだけいい錯覚や誤解を与えてあげるか線を引いたところだけ読み返していて、同じことが書いてあるところを見つけました。「錯覚と誤解」の使い方について。22ページでは自分によい錯覚や誤解を与えることが提言してあり、111ページでは、他人によい錯覚や誤解を与えることが書いてありました。「錯覚」や「誤解」って、マイナスにとられることが多い言葉ですけど、いいほうに使うと、便利な言葉なのかもしれません。鎌田さんって、マイナスをプラスにリフレーミングする(とらえなおす)ことが得意な方だと思います。そういう方の本を読むと、読者も、マイナスをプラスに感じられるようになっていきます。1%だけ。(^^)p102・苦しい時ほど、悲しい時ほど、自分のことを横に置いて、丸ごと人のために尽くしてみてください。ここでは1%といわず、「丸ごと」と書いています。全体の1%ぐらいは、まるごと尽くす。1%にかけては全力、こういうことも、大事です。まるごと他人に尽くすと、必然的に、自分のことで悩むのは、0%になりますよね。 p157・けしからん行為を真に受けないこと・けしからぬ行為はいなして ユーモアで切り返してあげる・まじめすぎないこと・1%でいいから、いつでも心の中に余裕を持つこのあたりの記述は、自分が自分らしくあるために、他の人とうまくかかわるために、とても効果的な技法が書いてあります。これも心理学でいう「リフレーミング」に通じます。この本以外のところで知ったほかの方の体験談とかぶって「あ~、僕にとって、今、これが、大事だなあ」と痛切に感じたところです。 ============================== いつも見に来てくださってありがとうございます。このブログが1%だけでも、皆さんのお役にたてれば、幸いです。 ブログ王ランキング ▼にかとまの読書メモリスト ▼にかとま日記全件リスト