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きょういく ユースフル! ~ 僕は触媒になりたい ~

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2015年09月13日
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カテゴリ:本の紹介

非常におもしろく、意義深い本に出会いました。

 
子どものことを子どもにきく』
(杉山 亮、新潮OH!文庫
、新潮社、2000、524円(絶版。著者のみ再販。リンク先中古価格385円))

作者の杉山亮(あきら)さんは、子ども向けの遊び心あるおもちゃや教材を作っておられる方。

「おはなしめいろ」や『朝の連続小説』は、その発想のすごさにおどろいたものです。

その杉山さんの、大変おもしろい取り組みを本にまとめられたのが本書。

 

杉山さんのお子さんへの、3歳からのインタビュー記録です。

3歳から10歳まで、雑誌の企画のために年1回、インタビューは続けられました。

 

本書のp204で杉山さんがこう書かれています。

「ぼくたちは子どもや教育のことを考えるのに まず子どもに聞く ということを どうしてこんなにも してこなかったのだろう。」

p207では、「両者は同時代を生きる人間同士だ。 対等の対話というものが もっと試みられていい。」とも書かれています。

 

「子どもに聞く」という試みは、実はいろいろなところでされていますが、まだまだメジャーではありません。

大人たちが子どもの教育で「ああだ こうだ」言っているなかに、当事者の子どもの意見が抜けているというのは、実にアンフェアな気がします。

障害者の権利運動の中に「わたしたち抜きに 私たちのことを決めるな」というものがあります。

子どもについても、同じようなことが言えるのかもしれません。

 

たとえば、本書のインタビューの中で、「教科書」について、聞いているものがあります。

教科書が「どうしたら もっと おもしろくなると 思う?」(p174)と聞かれて、当時4年生のたかし君は、次のようなアイデアを出しました。

・漫画をふやす

・上下の教科書をもっと分けて、月刊教科書にする

(あきらくんは、「1冊に半分入ってると 時々先を見ちゃうから つまんなくなっちゃう」と言っています。(^^))

実現は難しいかもしれませんが、こういう意見を聞いておくことって、すごく貴重だと思います。

 

読み物としてもおもしろいですが、子どもに接する人、教育に携わる者なら、子ども側からの視点を提示してもらえるので、子どもの気持ちに寄り添うために役立つでしょう。

普段何気なく使っている言葉も、実は大人視点だったことにも気づかされます。

たとえば、「迷子」。

「『迷子』というのは 大人の側から見た 一方的なことばだったらしい。」(p79)

と杉山さんは書いています。

たかし君が迷子になった時のエピソードは、そのとき大人は・・・、一方、子どもは・・・と、両方の考えと行動が出てきて、一読の値打ちがあります。

「どうしたら 保育園はもっとよくなる?」の質問に、
「先生がいない!」(p102)と答えるくだりも、実に面白く、時代のかなり先を行っています。

 

ちなみに杉山さんのホームページ(▼杉山亮のなぞなぞ工房 ON THE WEB)では、
昔のゲームブックみたいな、お話を選択肢を選びながら進めていく
「ロールプレイングめいろ・300ひきのひつじのカラカラトン」
というコーナー(?)があります。

さすが杉山さん、ホームページにも遊び心が満載です。

一度ご覧になってみてくださいね。(^0^)

 

 






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最終更新日  2015年09月13日 19時15分06秒
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 Re:杉山亮『子どものことを子どもにきく』(09/13)   今日9729 さん
これは、教育の原点ですね。
励まされます。

ただ、この研究の歴史は結構古いのですよ。
下記の本を紹介します。
ぼくらの研究会の師です。

応援・・・・・・。


幼児言語の発達 (1967年)1967

大久保 愛




¥ 9,800中古 & 新品(4 出品)


この商品の買取価格を確認する (2015年09月13日 19時38分05秒)

 Re[1]:杉山亮『子どものことを子どもにきく』(09/13)   にかとま さん
今日9729さん、ブログを読んでくださって、また、文献を紹介してくださって、ありがとうございます。

大久保愛先生の御本、調べてみました。

比較的最近の本(?)としては、『保育言葉の実際』という本も、共著者の一人として、書かれていますか?
こちらのほうがお値段的に手にしやすそうです。(^^)

お示しいただいたご本は、なにしろ1万円ほどするということで、ちょっとびっくりしました。 (2015年09月14日 21時49分00秒)

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