そろそろ各シネコンでの上映回数が減り始めてきたので空いてるかな?ということで観てきました。
109シネマズ川崎にてエグゼクティブシート通常料金(レイトショー)で。
19世紀のロンドン。1人男が船から降り立つ。彼は15年前、彼の妻ルーシーに横恋慕した悪徳判事ターピンに無実の罪を着せられ、終身刑を言い渡された理髪師ベンジャミン・バーカーその人であった。彼は流刑地を脱出し、名前をスウィーニー・トッドと名前を変え、ロンドンに戻ってきた。
彼は船乗りアンソニーに別れを告げ、かつて住んでいたフリート街にやってくる。“ロンドン一まずい”パイ屋の女主人ミセス・ラベットは、トッドがかつて彼女の店の2階に住んでいた理髪師、バーカーであることに気づく。
ミセズ・ラベットは彼がいなくなった後、ルーシーは毒をあおり、娘のジョアナはターピンの家に監禁されていると告げる。そして、彼にかつて使っていたカミソリを渡すのであった。
一方、その頃アンソニーはターピンの家の窓辺で歌うジョアナに一目ぼれしてしまう。
まずトッドはターピンの腰巾着、役人のバムフォートの前でロンドン一の腕を誇るイタリア人理髪師、ピレリと対決して圧勝し、バムフォートにぜひ店に来るように薦める。
しかし、その後店に来たのはピレリであった。彼はトッドがバーカーであることに気づき、トッドをゆすりに来たのであった。トッドはピレリを殺してしまうが、それを知ったミセス・ラベットはその死体をパイに入れることを思いつく。
新鮮な肉を使ったミセス・ラベットのパイ屋は大繁盛。トッドは新鮮な肉を供給しつつ復讐の機会を探るのであった。
監督:ティム・バートン、主演:ジョニー・デップです。自分的にはこれに音楽:ダニー・エルフマンが加われば最強の組み合わせなんですが、この映画は原作ミュージカルの曲が使われています。
でも、音楽もとても良いです。ジョニー・デップも歌うし。
それにしても、ジョニー・デップ。いいです。期待通りです。
かつて妻が生きる糧だった男・ベンジャミン・バーカーが、今は復讐が生きる糧も男・スウィーニー・トッドに。
狂気をはらみカミソリに「わが友」と語りかけ振り回すさまが、なんというか、キてます。
ミセス・ラベットの全く報われない一途ぶりも切なくていいです。
海辺でのんびり暮らす、という夢がまた違う世界で面白かったです。
ほとんど白黒のトッドとミセス・ラベット。「ベンジャミン・バーカーは死んだ」というトッドの台詞そのままに死人、いや死神のようです。
繁盛するパイ屋の店頭と2階の理髪店、地下の調理場のギャップが…すごいです。
ラストは…地下に次々と死体が積み重なるさまが。
そして、「嘘は言っていない」夫婦の再会、父娘の対面。
極悪人の利己的な行為で、すべてが変わり果ててしまっていたのでした。
ミュージカルになっているおかげで、凄惨でおどろおどろした復讐劇が観やすくなっている印象です。
それでもR15ですが。
しかし、こういう話をミュージカルにするという発想がなんというか、普通ではない?
血が全くダメ、というのでなければかなり楽しめます。