紳士のカフェテラス

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34話

第十七章 脱出へ・・




 
「ねぇ?これって誰かいるんじゃ・・」「シッ!静かにして・・」

そう晶が言う・・・そして考えた。一人で行動してる奴らは

大抵ゲームに乗ってる側の人間とみてまず間違いない・・・。ならば・・。

ついに2人との距離が5M程度になる・・・。

しかし茂みに隠れているのか姿を見せない。しかしここで晶は確信した。

「出て来なさい・・すぐに出てこないってことは少なくとも

ゲームに乗ってるわけではないんでしょう?」「え?・・え?」

麻衣は何がなんだか分からない様子だったが

ここでハッとなり晶の向いている方へ自分も首を茂みへやった。

「私達・・・」そこで麻衣はハッとなり急いで口を押さえた。

すると茂みから何者かが出てきた。

その影はこっちが筆談をするときと同じように

生徒手帳に何か書いて見せようとしているようだ。

「何よ?」晶がそれを見た。

“ほう・・首輪の盗聴の事を知っているようだな・・驚いたぞ?

まさかハッキングを掛けられる人間がこのクラスに居たとは・・・“

それを見た晶は次の瞬間その影が誰なのかを悟った。

男子4番小倉 正輝であった・・・・・。月明かりが影を照らす・・・。

やはりだ・・・。それに答えるように急いで紙に伝えたい事を書く。

「小倉・・君?なんでこんなとこに?」

”あら・・やっぱり小倉君も盗聴程度の情報は手に入れているのね・・

私達このゲームから脱出したいのよ・・

ハッキングを掛けた時あなたの個人情報も出てきたのよ

・・あなたの家系は反政府組織の関係者なのよね?

・・だからこのゲームの脱出方法をもしかしたら

知っているのかもしれないってね・・・“それを見た小倉は冷静に答える。

「こんな状況だ・・・俺がどこにいようと勝手だしな・・」

”ふふ・・・残念だが・・・今はおしえられない!

しかし全く策が全く無いわけじゃねーんだ・・“

それを見た2人に思わず笑みが浮かぶ・・・。

「ねぇねぇ・・よかったら一緒にいようよ!

小倉君強いからきっと頼りになるよ」”すごい!小倉君ってすごいよ!“

麻衣が喜んで生徒手帳に記す。

”そう・・・つまりあなたのプランは例えば私達以外が全員死んだら

ってことなのね・・・まぁ・・いいわ・・私達は私達だけ

助かりさえすればいいから・・・仲間は増えても構わないけど

死んだって構わない・・・ただし小倉君は死んでもらっては

困るのは言うまでも無いわね?“

晶がそう生徒手帳に書き記しさらにこう書いた。

”えと・・・とりあえず手を組んでもいいかしら?“

それを見た小倉はフッと笑みを浮かべこう言った。「ああ!いいぜ?」

「じゃ・・・早速移動開始しましょう・・ここじゃ目立ってしまうわ」

そう言うと3人は移動を開始した。

やはりここでも奇抜なパーティの組み合わせとなった。

亜紅間がこの3人を注目しだしたのは言うまでもない・・・。

そして脱出に向けて・・・。
                                                           【残り19名】



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