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インファント・レディ(rainbowmask2)の日記 [全69件]

2012.03.26楽天プロフィール Add to Google XML

「富士山を望む限界は ? 」という話など
[ 数学・数式会話 ]  

村松「あの・・連日のようで申しわ・・」
夕子「だーめ。水臭いわよ。はい、あたしは大丈夫よ。で、きょうは何 ? 」
村松「あのぅ・・・またバカにつける何んとかシリーズみたいで、気が引けるんだけど・・」

夕子「え ! 凄い連続攻撃ね」
村松「でね、きく前に、お前さんの立場を考えてみたんだ」
夕子「ん ? 立場って・・」
村松「予告もなしにいきなり数式的なこと質問されると、ドキッとするんじゃないかってね」

夕子「もちろんドキッとするわよ」
村松「そうだよね・・。きょうは遠慮しとくか・・」
夕子「でもね、スリルの楽しさがあるの。答えられない場合でもね、時間をもらってチャレンジする楽しさもね。いいわよ、何 ? 」

村松「これね、俺の頃の中学の数学だったかどうか忘れたけど、日本のどこかから富士山を見るとして、一番遠い限界は何キロぐらい先のところから見えるかっての。もちろん空気の層なんて無視して。ネット検索で見つかりそうだと思ったけど、お前さんにきいたほうがって思って・・」
夕子「こないだの氷山の話なんかと似たようなレベルだから、面白いわよ。オッケー、ちょっと時間ちょうだいね」

村松「わかりそうなの ? 」
夕子「あなたの今の言葉がヒントになりそうだと思ったの」
村松「え ? 俺、何んにもわからないのに・・。俺ヒント言った ? 」
夕子「うん。多分あなたの頃は中学で三角比の初歩をやったくらいだから、各単元の最初のページで扱ったかなって推理したの」

村松「へえー、凄いね、相変わらず」
夕子「地球を完全な球体とみなして、それから見かけ上は『円』で考えればってね」
村松「円かあ・・・。ダメだ、わかんない」

夕子「日本列島が北緯何度から何度までなんて面倒なこと無視して、富士山を円の真上に置いて、そこから考えてみたの」
村松「もう図か何んか描き出してるの ? 」
夕子「うん。たとえば極端に考えると、赤道からは絶対見えないってわかるから、それなら富士山から見て、水平線か地平線ギリギリまでは見えるんじゃないかって思ったの。えーと地球の半径を思いきって6400キロメートルとして・・」
村松「まいった ! そういうの、お前さんには常識なんだ」

夕子「ナニ、あなただって『地球空洞説』に夢中な頃は、半径どころか仮説としての地球の地殻の厚さだって知ってたじゃない」
村松「へへ・・忘れた・・」
夕子「ふふ、あたしもその数字は覚えてないわ。えーと、作図がだいたい済んだから、そろそろ説明っていうか、計算式に移るね。

計算しやすいように、富士山の高さを3.776キロにするね。それと、作図だけど、地球の、つまりこの場合、円の半径が6400だから大差があり過ぎて事実上描けないから、テフォルメして、不正確を承知で描いたわよ。
富士山をただの線分にして、逆にここから見える限界のところはどこかって考えると、富士山の頂上から引いた接線上の一点、つまり接点っていうことになるわね」

富士山限界地点の図
作図はrainbowmaskが描きなおしてスキャンしたもの。

村松「あ、なるほど」
夕子「ね。三平方の定理よ。富士山からの距離をxとすると」

富士山数式

夕子「あたしの電卓、桁数の大きい2乗計算全部は出ないから」
村松「俺のもそうだよ。昔はどこか押すと、その下までの数字が出たのがあったけどな」
夕子「概数で処置するね。えーと、x≒219.8・・・。整数位にしちゃうね、xはおよそ220キロ。平地から富士山が見える限界距離ね」

村松「いや、手数をおかけしました」
夕子「ふふ。あのね、あたしが地球の半径をどうしてすぐ言えるか、秘密を明かしちゃうね。ただし、ヒントはあなたよ」
村松「俺 ! ? 俺、言えないのに ? 」

夕子「あなた、昔から数値を丸暗記しないで、よく知っている別の数字を使ってたわよ。一番手っ取り早いのが、あたしの苦手だった歴史の年数の覚え方。
お兄さんが語呂合わせに苦労してるとき、あなたが創作した方法で、気に入ってもらえたのがあったって聞いたわよ。たとえば、支那大陸で隋(ずい)が統一したのは、『5や9の国、隋統一』。西暦589年よ。それから朝鮮で、任那(みまな)日本府が新羅(しらぎ)に敗れたのは『転ぶ任那に新羅立つ』。転ぶが562年。お兄さん、助かったって言ってたって」

村松「覚えてる。・・・懐かしいなあ。大変だったけど、大学受験の勉強やってて良かった」
夕子「近代日本のはほとんど紛らわしいって言ってたわね」
村松「そう。明治維新からしばらくは1800年代だから、『イヤな任務だ学制だ』が1872年。学校がイヤだっていう気持ちからね、かと思うと『イヤ並に作ろうよ軍隊を』が1873年。これ徴兵制。でも、せっせと作っては全部覚えた」

夕子「時代で語呂暗記法が変わるけど、元素の周期律表やイオン化傾向なんて、懐かしいなぁ」
村松「あ ! それでさ、地球の半径は、俺がヒントになったって」
夕子「そうそう、忘れるとこだった。一つ言うね。『日本海海戦』」

村松「・・・6400 ? ・・・あ ! 丁字戦法の射撃開始か ! 」
夕子「そう。東郷長官が『今の距離は』ってきくと、『6400』って返って来て、『撃ち方始め』になるのよ。もちろん単位はメートルだけどね」
村松「そうかぁ。なるほど」

夕子「でも正確には地球は楕円体で、赤道半径が極半径より大きいけど、それでも6380キロメートルくらいかな。でも概算する時はこれくらいでも大丈夫と思うけど」
村松「すると、平地じゃなくて、ある程度高い山から見たら、限界距離は延びるってことだね」
夕子「ええ。多分ネット検索でいろいろ出てるんじゃないかしら。ね ! それはともかく、新しいバイク、どお ? 」

村松「ああ。バイク店の店長氏のおかげでね、例のサスペンションを下げるパーツが見つかって、両足かかとがベッタリとまではいかないけど、ほとんど地面に着くようになった。改めて、『トライアンフ・ストリート・トリプル』」

ストリートトリプル
排気量675cc。乾燥車重167kg。最高出力108ps。最大トルク7kg-m。

夕子「凄いバイクね。あたしのカワサキ・ゼファーが車重200kg、最高出力68ps、最大トルク5.5kg-mだものね」
村松「でも、数値忘れたけど、トリプルは高回転型だよ」
夕子「それでも恐ろしく速いのは確かね」

村松「でね、道楽の最後ってことで、実はもう一台買った」
夕子「え ! バチが当たるわよ。で、何 ? 」
村松「二気筒だけどね、ドゥカティ・モンスター696」
夕子「696ccって排気量でしょ。スペックは ? 」

ドゥカティモンスター

村松「これも詳しいことは忘れたけど、乾燥車重161kg、最高出力80ps」
夕子「なるほど、軽さの追及ね。でも名前の通りモンスターだわ。え ! ってことは、大型バイク二台所有 ? 」
村松「ほんの少しのあいだね。もうホントに道楽は無理だから、二台比べてからどっちかを手放すよ」

夕子「バイクは四輪みたいに試乗出来ないのが多いからね。そうかぁ。あたしも外車ってとこに気がつかなかった。そう言われてみると、今の国産車、シート高は高いし車重も重いし、魅力的なのがないものね」
村松「そう。バイク店の人も外車が多いみたいだよ」

夕子「トリプルって言うからには、三気筒ね。排気音は ? 」
村松「昔乗ったホーネットのヒューッって音を連想させるしね、もっと過激だよ。チョイ吹かすたびにヒューンって笛みたいに鳴るの」


編集後記 / 富士山の頂上から地球(円)に接線を引く方法は、実は少しやっかいです。今回はテキトーに描きましたが、直角三角形を為すような接点は、幾何学的に正しく描く方法があります。以下に示します。
『円外の一点から円に接線を引く方法は、それ自体一問になるくらい、やや理論的作図を要する。再三数式・物理の相手をしてくれる夕子殿の名誉のために書いておく。本作図の地球半径+富士山の高さの線分を直径とする円を別に描き、その円と元の円との交点が接点である。』

以上です。私は偉そうなこと書くのはためらいましたが、レインボーマスクがぜひにも書くと言うので、おとなしく指示に従いました。文体に明らかなように、『』内はレインボーマスクの記述です。



最終更新日時 2012.03.26 19:02:26


2012.03.04

氷山が溶けたらという話など
[ 数学・数式会話 ]  

村松「もしもし」
夕子「はい、あら、珍しい・・・。あなた大丈夫 ? 」
村松「沈んでいる男を相手にするの、けむたいだろかね。お前さんの生活に迷惑なら、電話静かに切るよ」

夕子「何よ今さら。あたしの性格知ってるでしょ。今のあなたの気持ち、わかっているつもりよ」
村松「グチ混じりでもかまわないかい」
夕子「ええ。あなた、悔しくて無念でしょ。あたしだって悔しいもの。たとえ気が少しでも軽くなっても、ならなくても、あたしは聞くわよ」

村松「ありがたい。ところでさ、地球温暖化ばかり騒いで、だいぶ経つけど・・」
夕子「え ! 凄い変化」
村松「バカにつける薬シリーズみたいになるけど・・・俺、塾を畳んでから高校数学や物理学何もやらなくなったから、頭が鈍ったよ」

夕子「仕方ないわよ。で、温暖化のこと ? 」
村松「その前にさ、水を入れたコップに氷を浮かせて、氷が溶けたら水面の高さは変化なしっていう初歩の理屈がわからなくなった」
夕子「いいわよ。あなたならすぐ回復するレベルだから」

村松「相変わらず凄いね。で、どうなんだっけ ? 」
夕子「浮力の原理はわかると思うけど。・・・液体中の物質と同体積の液体の重さっていうの」
村松「オーケーだよ。だけど学校時代にこれ理解するのに時間かかったな。今言った定義の言葉自体が禅問答に聞こえたものね。で、続けて」

夕子「ちょっと先くぐりして悪いけど、あなた温暖化に結びつけるつもりでしょうから、いずれ海水中の氷山が溶けたらっていう理論に持ってくの、視野に入れてるよね」
村松「うん。でもまずは真水からスタートしないとダメだ」

夕子「大丈夫。真水から海水つまり塩水に変わっても原理は同じだから。まず真水から説明するわね。
大ざっぱな言い方だけど、氷が溶けると体積は元の90パーセント強に減るの。それから水に浮いている氷も、水面下の体積は氷の体積の90パーセント分」

村松「あ、そこは思い出した。で ? 」
夕子「氷の体積を仮にa 立方センチとするね。水面下の氷の体積は0.9a立方センチ。浮力の定義で考えると、水面下の氷の体積と同体積の水の重さが浮力だから、氷も水も元々状態変化だけで比重、あ、それから今の単位で考えると、比重=密度だから、氷も水も密度が同じ物質だから、浮力は0.9aグラム。

氷を水に浮かべた時、水位がいくらか上昇するけど、この氷が全部溶けた時には、氷は水に変化して、つまり重さ0.9aグラムの水になるから、溶ける前に氷が水を押しのけた体積=浮力は、溶けたあと、0.9aグラムの水かさが増えたのと同じだから、水位に変化なしってこと。・・・どう ? 」

村松「恐れ入りました。だけど俺、かつてはこれよりもっと複雑な浮力の問題、生徒に説明したんだよな」
夕子「そうよ。あなた、数研出版の物理の参考書の解答の間違いに気づいて、訂正して説明したことあるもの」

村松「ええ ? そんなこと、あったっけ」
夕子「お兄さんが使った頃の『物理の徹底整理』っていうの。棒を水と油に浮かべた時のよ」
村松「しかしよく覚えてるね」
夕子「あなたからあとで相談されたもの。で、あたしの意見も一致したから、参考書の誤りって結論出したのよ」

村松「そう言えばそんなことがあったような・・・」
夕子「ついでだけどね、あなたが通販で夏期講習用の英語の問題集取り寄せた時、どうしても解けない問題があってね、あなた、英語は得意じゃないってけんそんしてたけど、思い切って出版社に問題箇所を指摘した手紙を送ったら、お詫びの言葉と共に、訂正の手紙が届いたこともあったのよ」

村松「あ、それ覚えてる。恥かいたらどうしようって思ったけど、出版社が急いでほかの塾にも知らせるって書いてあった。・・・今は昔の話だな・・・」
夕子「気に障ったら悪いけど、お母さん、ショート・ステイで小康を得たって聞いて、少しホッとしたわよ」
村松「かたじけない」

夕子「で、今度は海水に氷を浮かべた時の話ね」
村松「うん」
夕子「海水はつまり塩水だから、やっぱりコップに塩水を入れたところへ氷を浮かべることにするわね。あ、ところで水の密度は普通摂氏4度で1グラムが1立方センチになっているけど、ここでもこのまま話を進めるわね」
村松「うん、いいよ。理論的説明だけで」

夕子「でね、海水の密度はだいたい1.02で、水と余り差がないのよ。多分計算しても誤差くらいしか出ないと思うけど。まず、a立方センチの氷をコップの水に浮かべた時を考えるね。さっきのように、真水に氷を浮かべた時は、氷の水面下の体積はだいたい90パーセントだったけど、海水つまり塩水に浮かべると、ほんのわずか真水の時より浮力が大きくなって、水面下の体積は小さくなるの。

氷山なんかも、いろいろ不純物は含まれてるけど、これも大ざっぱに言って、海水中に浮く氷山は、真水で出来てるの。水が凍る時の性質として、不純物を外へ押し出すことからね。

じゃあいよいよ計算に入るね。塩水に浮いた氷の液体中の体積は、わからないとして、x とおくね。塩水の密度を1.02とすると、液体中の氷と同じ体積の塩水の重さは、1.02xグラムよね。

この1.02xグラムと氷の重さが等しいわけだから、1.02x=0.9a。
これを解くと、x=0.88a。ね。四捨五入で、これも0.9aみたいなもの。
もちろんコップのレベルだともっと塩水を濃く出来るから、塩分濃度を大きくするほど、氷は浮くことになるけど」

村松「いや、かたじけない。すると、結局海水中の氷山が全部溶けても、海水面の高さは急激に上昇なんてしないってことだね。まあ、北極海の氷となると、体積のスケールが違うだろうけど」
夕子「そう。温暖化による海面の上昇を考える必要があるのは、陸地にある氷山が溶け出した時のことで、南極大陸その他の陸地の氷山が全部溶けたら、いくらか上昇するでしょうけど、現在の観測では、確かここしばらく氷山が次々に勢いよく溶けるなんてことはないっていうわよ」

村松「なるほど。あ、結論としては、とりあえず、コップの中の液面も、溶ける前よりいくらか上昇するってことだね。重さ0.9aグラムの氷が全部溶けたら、0.88aよりほんのわずか大きくなるから」
夕子「そう、それでいいのよ」
村松「・・・・・」

夕子「ん ? グチなんて出ないじゃない。ま、無理に言うこともないけど」
村松「おかげさまでね、リラックス出来たのかも知れない。おっと、今の話がきっかけで、チョイお袋に関する話になりそうだ」
夕子「いいわよ」

村松「たとえ電話でも、気のおけない相手とたっぷり話が出来ることがどれだけ慰めになるかってのを、お前さんとの話のおかげで痛感出来た。ここんとこ話っていうと、介護職のヤツラばかりだったから、ストレスたまるばっか」
夕子「ひとことに言えばあらゆる意見が反論になってはね返されるばかりって言ってたわね」

村松「去年年末からお袋が足の痛みを訴えるようになったから、俺は専門職のヘルパーさんに任せることにしてさ、素人の俺はなるべく夜のオムツ交換は避けて来た。こういうのって生活の習慣になるんだよ。つまり夜のオムツ交換はしないって。オムツ換える時、どうしてもお袋の身体を左右に動かす必要があるけど、お袋にとっては、かなり負担にもなると思うんだ。ところがさ、俺の今後の計画として、連日ヘルパーさんにだけ介護を依頼する方法を提案したら、ケアマネが『介護虐待』になるって言い出したんだ。こいつの言うこと、もう全く理解のそと」

夕子「あたしもこの世界の決まり、知らないけど、結論考えると、おかしいわね。初めの予定通り、お母さんを自宅で介護し続けるっていうのは、不可能っていう妙な結論になるね。それと、デイ・サービスが刺激になっていいことって聞かされて来たけど、半日のほとんど固い木の椅子に坐りっぱなしでしょ。その疲れが帰宅後に出る気がするけど・・」

村松「それだよ。お袋がある程度元気なうちはね、俺もデイ・サービスのやり方を全面支持してたんだけどさ、いずれ通えなくなるほど衰える時が来るわけだ。それで俺はへたにお袋の介護のために身体を動かすよりも、昼ごろと夕方のヘルパーさんに頼むほうを選んだんだ」
夕子「それがいずれ介護虐待なんて、何かそのケアマネの策略にハマったって感じね。何んだかお母さんが可哀想だわ」

村松「そう、それ。俺はね、皮肉にもケアマネの計画と一致したことになるけど、デイ・サービスというある種の虐待から、お袋を解放してやろうという考えが新しく浮かんで、それでお袋を特別養護老人ホーム、略して特養に入れようと思ったんだ」
夕子「え ! そうなの ? 」

村松「うん。だから先日の日記で、事実上お袋に別れを告げることを書いたんだ」
夕子「知らなかった」
村松「すまない。隠すつもりはなかったんだけど・・・」

夕子「そう・・・。でも、話がそれるけど、お母さんの特養の費用は・・」
村松「お袋自身の年金でまかなえる。死んだ親父の年金と余り差がないよ。で、話のついでだけど、親父の平成15年当時の通帳の預金残高がだいたい300万だったのが、7年後の平成22年現在で700万に増えていることから、えーと親父の年金を月額にすると23万くらいで、これが少しずつ増えたことになる」

夕子「すると、あなたのバイク買い替え道楽のは・・」
村松「あれは、お袋の介護が始まった平成20年当時の預金のうちの、普通預金の300万円を切り崩したから、いくらか残金がある。でもね、今ほとんどバイク乗ってないよ。あ、長くなるからバイクの話は別の機会に譲るか」
夕子「ねえ、最後に、今のバイク何んてのだか、去年から遠慮して聞いてなかったから、それだけ教えて」

村松「ナナハンは去年手放した。重くなってね。で、目下は英国製のトライアンフ・ストリート・トリプル。サスペンションをローダウンするパーツが運よくあってね、車高800mmを30mm下げて、何んとか足つきが楽になった」
夕子「いいなあ。ね、この話、あの・・不謹慎かも知れないけど・・近いうちに取り上げて欲しいな」
村松「ああ、構わないよ。そもそも俺の買い替えが激しくなったのは、お袋の状態に一喜一憂する頃からだから、買い替えがうまくいったのも、お袋のおかげだと感謝してるよ」



最終更新日時 2012.03.04 17:21:43

2011.11.11

2011年晩秋『恐竜境』最新版打ち上げ会話など
[ 骨休め会話 ]  

夕子「衣替えの感覚がダメになったって言ってたわね」
村松「うん。だからといって、今年初めからの列島各地の異変や梅雨入り梅雨明けの不規則なんかも無関係なんだ。要するに自分のせいだ」
夕子「気の持ちようってこと・・・? 」

村松「うん。ちょうど一年前、・・・いきなり下劣な話から始まるけど、デリヘル通いを始めた。それが・・・とにかく金食い虫だからあいだをずいぶんあけて、とりあえず今年4月でキッパリ縁を切った。その去年のことだけど、何しろ出かけるのは夜真っ暗になってからだから、ほぼ完全装備の防寒着で行った。そのさ、一枚二枚と服を着る時の気分っていうのかな、これがごく自然で、寒くない着替えが出来たんだ。逆に言うと、秋が深まったとは言っても、昼間はどれくらい重ね着したらいいかも無意識に出来た。それが今はまだ夏のTシャツが半そでから長袖に代わった程度。親父の死後しばらくは、お袋と二人でごく普段の気持ちでいられたのにな・・・」

夕子「でも『恐竜境』更新再開したでしょ。あなたにしては凄いエネルギーだと思うけど・・・」
村松「軽いウツ状態なのは確かみたいに思えるけどね、軽いから何かせねばと実行する気が起きたのかもしれない。でもお前さんの波のない健康的な生活ぶりにはいつも驚いているよ。たいしたものだ。幼児期の虐待経験が大人になっても病的なものとして出ていない。めまいもかなり克服して、メリスロンは頓服的に必要とするだけだし」

夕子「でも毎日単調だし孤独感はあるわよ」
村松「テレビは見る ? 」
夕子「見ない。ジャンルがほぼ固定されて、要するにバカ番組ばっかだもの」
村松「俺はお袋の健康管理のために、スポット天気予報だけをデータ放送としてつけてたけど、テレビつけっぱなしってのもしゃくになって、今は確認の時だけにして消してる」

夕子「バイクは乗ってる ? 」
村松「スクーターだけ。買い物にね。それもお袋の食事はヘルパー任せに変えたから、自分のぶんを・・・と言っても食欲ないから、週2回ほど、まとめ買いするだけ。ナナハンは多分バッテリー上がってるな。それと250ccもほとんど乗らないからいずれ上がるよ。バイクに乗ろうっていう気力がこの夏から急になくなった」

夕子「ああ、思い出した。あなた、そろそろバイクの買い替え道楽に終止符を打つって言って、5月から何台か買い替えたものね。何しろ車と違ってほとんどの店で試乗が出来ないからね」
村松「それにしても・・・おっと、お前さんには悪いけど、250の四気筒なんて、パワーバンドが高回転に限られてるから、加減速が安心して出来ない。それでもね、お袋の夏の洋服やパジャマ買いに行ったころは、バリオスでまあまあ張り切って店に入って行ったんだけど・・」

夕子「あたしは・・・若気の至りもあったけど、一応サーキットで高回転エンジンのバイク練習したしね。それに比べるとVツイン(註 / V型二気筒)はほとんど全域パワーバンドで乗りやすいでしょ」
村松「そう。たとえばさ、去年少しだけ乗ったイギリス製のトライアンフ・ボンネビルはさ、中古で排気量790ccで最高出力62psなんだけど、これが何んともメリハリのないバイクでさ、発進加速もインパクトがないし、何速に変えてもその都度の走行インパクトなし。こんなこと言うと、トライアンフファンに怒られるだろうけどね、カワサキ・ゼファーの引っ張るような加速感やギヤ・チェンジごとの変速の実感がまるでない」

トライアンフ・ボンネビルT100

夕子「でも同じ二気筒でもVTRはわずか250ccでしょ。それでもVTRのほうが感じがいいのね」
村松「こっちのほうが速い感じがするほどだよ。何しろ乾燥車重141kgで32ps。パワーウエイトレシオが4.4だからね。ちなみに俺の軽のワゴンRは10。わずか250ccのバイクの乗りやすさが納得出来る」

夕子「ねえ、最初の話どうなったの ? ウツ気味っての・・」
村松「母一人子一人って言うだろ。気がついたんだけどさ、たとえ片親でもね、母親が気が張っていて子供を育てているあいだってのはさ、母子共々生活にハリがあると思うんだ。でさ、お袋に悪い気がするけど、今は俺がお袋の世話に明け暮れる日課だろ。普通の会話はもう出来ない。日曜の夜遅くゴミ出しに行くと、あとは翌日からのデイ・サービスに備えてお袋の隣の部屋のベッドに横になるだけ・・」

夕子「でもさ、水をさすようで悪いけど、ついこないだまで結構張り切っていたでしょ。去年暮れは田所宅の模型まで作ったし・・」
村松「そう。決してお袋のせいじゃない。次のシーンのための造型にかかれば気力も昂じて来ると思うんだ。むしろお袋が身体そのものは元気だから、お袋の年金で生活は困らないしね。もっとも、生活費の大部分は将来を考えて俺の預金から引き落としてるけどね。やっぱり俺次第だ。気分昂揚は何かすることだとわかるんだけどね。たとえ今の状態でも、お袋が生きていてくれるのは、知らないうちに励みになるし、全くの孤独からは救われてるんだ」

夕子「でも何んだか人ごとじゃなくなって来た。あの子がもうじき社会へ出て独立すると、たとえばあの子の彼女、そのうちにはお嫁さんにとっては、あたしは邪魔な存在になるんだしね・・」
村松「話題変えてごめん。俺、今にして痛感するんだけど、よくまあ翼開長120cmもあるプテラノドン作ったよなぁ。そのあと急速にパワーダウンしてから、あの『ガー公』を初めの物語に持って来る造型なんかに気が重くなっちゃった・・。
元の教室の机に向かってるとさ、机越しに六分の一タイムマシンをセットの台に置いたままの風景が目障りでね・・んなこと言っちまってはまずいか・・」

夕子「『富士恐竜パーク』を思いついたころが懐かしいって感じかしら」
村松「タイムマシンもほとんどボール紙のやわなヤツだからさ、何んか今の俺の頼りなさと重なるんだよな。座席も固定出来ない仕組みだし、主役のフィギュアも服の着せ替えが面倒でね。ま、結論は俺の気力減退だ。60前後ってのは精神的に危ないって、特に団塊の世代前後の俺たちは言われているしね」

夕子「でも、のどに異常がなくて良かったね」
村松「タバコ再開しちゃった」
夕子「久しぶりに吸った時はまずかったって言ったのにね。あ、嫌なことがあったんだったね。そのストレスから・・」
村松「金食い虫だし、余裕ないんだから、またキッパリやめたいけどね。お袋のせいになんかしないで、自分の生活へのハリを取り戻さなきゃなんないな・・・」

夕子「外出がほとんどなくなったってことは、本屋もビデオ屋も行かないわけね」
村松「うん。俺は元々深くのめりこむ趣味はないからね。思い切って言うけど、『恐竜境』はお袋の容態がまだ軽い時期の開始だったから、今は無期限中止ってことにしようかって思ってるの」

夕子「単発ジオラマのほうが良かったね、今となっては・・・。いいじゃない、無期限中止でも」
村松「ホントに ? 」
夕子「うん。偉そうなようだけど、人それぞれ人生には起伏があるから、バブル崩壊じゃないけど、今がどん底と思えば、この先気がついたら何かにまた張り切っているってことになるかも知れないしね。ゴミ出しとかそんな生活の日課じゃなくてね。今焦るのは良くないよ。あなたが学生時代以来の神経症を克服したときみたいに、変な表現すると、だらだらしてればいいのよ」

村松「少し気が楽になったような感じだ」
夕子「でも、くれぐれも『前向きに』なんて考えないでね。いつごろからかのハヤリ言葉だからあんなの。・・・あ、それからまたガー公のことだけど、初めに謝っておくわ。ごめんなさい」

村松「え ? 俺、何んにも思い当たらないよ。何んで詫びなきゃなんないの ? 」
夕子「ガー公と村松のコミカルなからみのシーンなの・・。あのさ、あたし、主役の二人の安全ばっかり気にして、『移植電磁波』なんて設定したでしょ。だとするとね、村松が釣った魚をガー公に横取りされて腹を立てて、それでガー公に宙吊りにされるってこと、理屈の上で成り立たなくなるのよ」

翼竜群
翼竜『ガー公』登場シーン取消しも視野に入れた全面書き直しの案が出て来ました。rainbowmaskは画像抜きならば次回作にかかる筆力はありそうですが、模型作りは現状では意欲回復困難と私はみています。

村松「あ、そうか ! ・・・とすると、弱ったな。俺は造型が減って楽になるけど・・」
夕子「でもね、プランターを『翼竜の川』の水面に見立てる設定なんかは、出来たら用意して欲しいの。でね、電磁波は、人間側からの一方通行に設定して、やっぱり村松には釣りをやらせたいの」
村松「なるほど」
夕子「あなたが今つらいのはわかるけどね、食欲なかったら、あなたの20代半ばの頃みたいに、外で何も食べないで行動するっていう習慣思い出せば、動けないことないでしょ」

村松「出会いの頃、奇妙にとられた話思い出した。懐かしいな」
夕子「それとね、六分の一探検車模型、思い切ってどかしたらセットが広く感じられるような気がするんだけど・・」
村松「ううむ、お前さん、しっかりしてるな」

夕子「それからあなたがもうずっと前、気にしてた村松の釣り糸のことだけど、これも無理するの思い切ってやめてさ、あなた得意のアナログでいったらどうかって・・」
村松「・・・」
夕子「つまり、実写の川と合成するのかも知れないけどね、釣り道具一式用意して行くわけじゃないんだから、釣り糸はたとえばあり合わせの荷造り用の細いヒモなんかでいいと思うの。餌とかなんかはセリフだけにしてさ、それで釣り糸の画像作るときは、ボールペンなんかで直接描けば充分って思うけど」

村松「なるほど」
夕子「いい ? くれぐれも無理しないでね。でも、あなた最新版の出発シーン更新した時、改めて前の序章読み返して、感慨深い思いに浸ったって言ったでしょ。あなた、まだ『恐竜境』に愛着があるのよ。だから、前向きでなくて後ろ向きで充分だから、無理しないで、取り掛かろうと思うだけってとこから再スタートでいいのよ」
村松「いや、かたじけない。ありがたい。見直した。お前さん、最大の理解者だ」

夕子「あら、オチは無し ? 」
村松「うん。でも近々おごらせてもらうかな」
夕子「あら、初雪降るかしら。でも食欲ないのにあたしだけ悪いみたい・・」
村松「ナニ、俺は形だけデザートみたいの注文して、お前さんにあげるよ」
夕子「プロット作り直すわね。でも、急がせないから安心してね。詳しいことはまたね」



最終更新日時 2011.11.11 21:42:32

2011.07.17

バカにつける薬「操縦の話など」
[ 日常会話 ]  

村松「あのさ、もうだいぶけむったいと思うけどさ・・・」
夕子「ええ ! ? また何か質問 ? 」
村松「そんなに俺の質問って答えにくい ? 」
夕子「何んて言ったらいいのか・・・キツイ言い方かも知れないけど、小さな子が親に『何んで ? どうして ? 』って訊くのに似てるもん。だから答える時はサルかカバにもわかる答えかたしなきゃならないからさ・・・」

村松「ううむ、確かにヒドイ言い方だが的を射ている。でさ、俺のことを『しゃべるサル』とでも思ってチョイ教えて」
夕子「何んか嫌な予感だけど、どうぞ」
村松「あのさ、初め不思議に思ったのは、戦車の右左折の仕組み」

夕子「うわっ来たッ ! 」
村松「来たって、まるで雷の至近弾が落ちたみたいな言い方だね。でさ、戦車の履帯(りたい)はさ、起動輪や転輪とつながってて、要するに動かないだろ。それでどうやって右に曲がったりするのかって・・・」
夕子「うーん・・・。どうしよう。あ、そうだ ! あなた、お母さんの車椅子があったわね。電話、子機に替えるの面倒でしょうから、いっときケータイにかけて上げるよ。あなたのケータイ持って下へ降りて」

・・・・・・・・・・

ケータイが鳴る。

村松「あいよ、降りたよ」
夕子「車椅子、広いところへ出してみて」
村松「あいよ、台所に来たよ」

夕子「後輪のブレーキ両方ともかけてみて」
村松「あいよ、かけた」
夕子「それと、ケータイ落とさないように気をつけてね。じゃあ右ブレーキだけかけたままにして、左ブレーキの力をゆるめて」
村松「あいよ」

夕子「そのまま車椅子を押してみて」
村松「うわっとっと ! ! ケータイ落としそうになった。もう一回待ってね」
夕子「(バアカ。言うそばから、全くドジ ! )・・・・・・・・・・」
村松「もしもし、驚いたよ。右に曲がった」
本来なら驚くほどのことではないのですが、何しろ単細胞に出来ているので、根気よく相手をしてやるしかありません。

・・・電話、固定電話に切り替え・・・

夕子「ね。ごく簡単に言うと戦車も左キャタピラだけを動かすと右に曲がるの」
村松「・・・・・」
夕子「どうかしたの ? 」
村松「右ブレーキをかけたまま押すと事実右に曲がるけど・・・現実を目の当たり見ても・・不思議だ。それに車椅子は仮にも車輪が接地しているけど、戦車の車輪はいずれも地についてない。それなのに不思議だ。総じて交通機関の進行方向を変える装置とはたいしたものだ」

夕子「あのさ、戦車のキャタピラは確かにまん丸の円形じゃないけど、転輪などを囲んで一回りしている形を見ると、一つの大きな車輪のようなものでしょ」
村松「あ、なるほど。少しわかった。だから右キャタピラを止めて左キャタピラを回すと右に曲がるんだ。なるほど、そうか」

夕子「そういうこと」
村松「なるほど、そう言えばコンパスで円を描くときも、中心のほうをとめておいて、芯のついたほうを右に回すと右に曲がるんだ。中心のほうと芯のほうを同時に前進させると直進してしまって円は描けない。なるほど」

円を描くときは、何も右に曲がるか左に曲がるかは関係ないのですが、せっかく自分なりに理解に達しようとしているところへ水をさすと、この人の頭はすぐに崩壊するおそれがあるので、しばらく黙っていました。
そして、もう右左折の問題は終わりにしたいと思っていたのですが。

村松「あ、思い出した」
夕子「また何んか操縦の質問 ? 」
村松「いや質問じゃなくてね、昔、家(うち)の塾に来ていた女子がさ、こんなこと言ったことがあるの。『車を運転する時にハンドルを右にきるとか左にきるとか言いますが、たとえば右の場合も、ハンドルの円の上半分はだいたい右に動いていると思いますけど、下半分で見ると、左に動いているように見えるので、右回り、左回りの意味が良くわかりません』って訊いて来たんだ、まだ覚えてる。でも何んの授業だったかな」

夕子「それであなた何んて説明したの ? 」
村松「そこは断固、客商売に徹してね、『そう言えばそうですね』って言ったの」
夕子「そこまで迎合したんだ」
村松「ただそのままにしといたんでは、のちのち本人が問題を解くのに苦労しても困るからね、自転車が向かって左から右へ進むときの車輪の回転方向を右向きと覚えたらどうかなんて説明したっけかな。あ ! 思い出した ! サイクロイドだ。数IIIだな」

夕子「ああ、サイクロイドを軌跡として理解するために、自転車やお茶の筒なんかを例に説明するものね」

サイクロイド
サイクロイドの図。軌跡は円だと勘違いする生徒がいたそうです。

村松「そう言えば軌跡って、俺の時には中三でやったっけ」
夕子「あ、その話聞いたの覚えてる。でもあなたの頃は凄かったのね」

村松「サイン・コサイン・タンジェントの基本も中三だったほどだからね。ただしね、この時の軌跡は昔で言う『幾何』の応用で、サッパリわからなかった。やっぱり高校で『x , y 座標軸』を使った解説を教科書で読んで感激したね」
夕子「その気持ちわかる。基本はたとえば円の定義から軌跡の方程式に移るあたり・・じゃなかったっけ ? 」

村松「その通り。一定点から常に等しい距離rにある点の集合はどんな図形か、なんてね。解説の始まりが例題になってて、すんなり入れた」
夕子「こんなでしょ。定点の座標を( a , b )とし、条件を満たす点の座標を( x , y )とすると・・あ ! うっかりした。ブログでは累乗表わせなかったんだっけ」
村松「いいよ。円はごく入り口の基本だから。・・・ね、ところでさ、話題少し戻してもいい ? 」

夕子「え ! また操縦 ? 」
村松「今度は飛行機だけどさ・・」
夕子「飛行機はわかるでしょ ? 方向舵で舵取りするのよ」
村松「飛行中はわかるよ。でも、地上で方向変える時どうするの ? 」

夕子「あたしも詳しいことは自信がないけどね、確か旅客機みたいな大きな飛行機は、自動車の車輪と同じように動かせるハンドルがついてたんじゃなかったかしら。で、小型飛行機クラスになると、垂直尾翼の方向舵で方向変えるんだと思ったけど・・。また進歩して仕組みが変わったのがあったらごめんね」
村松「ふうむ・・・」
夕子「え ? 何、わかんないの ? 」

揚力

村松「方向変えるにはまず飛行機そのものを動かさなきゃならないから、プロペラ回すだろ。プロペラ回したら、用心しないと、方向変える前に揚力が発生して上へ浮き上がってしまう・・・なんてことないか」
夕子「それじゃあまるでヘリコプターだからね。プロペラの起こす風で機体を前進させる『推力』が発生するから、その時垂直尾翼の方向舵で機体の向きを変えるんだと思うよ」

村松「するとさ、地上走行しながら飛行機を右に曲げる・・ん ? 」
夕子「右に曲げるときは尾翼の方向舵をどうするかよね。それくらい自分で考えなさい」
村松「え ? そんな・・・。えーと・・・たとえば方向舵を機体後部から向かって右へ出すと・・・出すと・・・。右から風を受けるから・・・機体は右へ曲がる。・・・ん ? そう言えば水平尾翼にも、それから主翼にも何んか方向舵がついてたな」

間違いは程度によっては正さなければなりません。

夕子「ちょっと待って。水平尾翼のは昇降舵って言うの。機体の左右方向の制御じゃなくて、上下方向だから呼び方は変わるのよ」
村松「むむっ。すると昇降舵は主翼と尾翼にあるのか」
夕子「そうじゃないの。構造が違うの。ああ ! 疲れちゃった」

村松「あ、そう言えば飛行機ってバンクするよな。あれはたとえば右バンクってのは、水平尾翼の昇降舵・・・ではバンク出来ないなぁ・・・・・」

きりがないので終わりにします。この人、「オートバイ乗るヤツは飛行機も好きになって自分で操縦したくなる。ウルトラ・ライトプレーンから始めようか」とよく気取っていましたが、たとえお金の都合がついたとしても、やめたほうがいいと思います。



最終更新日時 2011.07.17 00:17:17

2011.05.27

バカにつける薬「聨合艦隊篇」
[ 日常会話 ]  

夕子「珍しい ! すぐ電話出たッ」
村松「ちょうど二階へ来たところ。いや、こちらもね、今さっきまで珍しくお袋と二人で『太平洋の嵐』のビデオ見てた。もうお袋は、ドラマを鑑賞する力はないけどね・・・。でもね、時々俺が解説したんだ。たとえば最後まで奮戦した空母『飛龍』に総員退艦命令が出た時、飛龍の司令官の山口多聞(やまぐち・たもん)少将と艦長の加来止男(かく・とめお)大佐が、縄で身体を縛りつける場面でさ、お袋に『二人とも航空母艦が沈む時に、ああして縛って、艦と運命を共にしたんだよ』って説明したら、涙ぐんでたね」

夕子「さすがお母さんね。認知症なんて言ったら失礼だけど・・・、昔の人は経験してる世代だけに、戦争は嫌だという気持ちが、上っ面じゃなくて伝わって来るね・・・。何んだか泣けて来ちゃった」
村松「ところで俺、何回見てもわかんないんだけどさ、夏木陽介のナレーションで、二航戦『飛龍』って言うんだけど、二航戦って、もしかすると、第二航空戦隊のこと ? 」

炎上する飛龍
米機の急降下爆撃で炎上する空母・飛龍

夕子「そうよ」
村松「じゃあさ、航空戦隊と航空艦隊ってどう違うの ? 」
夕子「ああぁ、またそういう話かぁ・・・。ねえ、あたしだってすべて知ってるわけじゃないし、ややこしくなるから、この話やめようよ」
村松「じゃあ、少なくとも俺より詳しいってことだろ ? 」

夕子「じゃあ、ごく大ざっぱに言うね。航空艦隊の中に航空戦隊が編成されてるってこと」
村松「・・・・・ ? あのさ、航空艦隊って言うからにはさ、たとえば第一航空艦隊ってのもあるの ? 」
夕子「そうよ。ミッドウェー海戦の時の機動部隊だったんだから」

村松「機動部隊 ? それなら聞いたことあるけどさ、じゃあ第一航空艦隊のことを機動部隊って呼ぶの ? 第一機動部隊とは言わないの ? 」
夕子「ああ、始まった。あのね、ウィキペディアにも書いてあると思うけどね、日本海軍では航空艦隊のことを機動部隊と呼んだの」
村松「じゃあさ、日本以外の国ではそうでもなかったってこと ? 」

夕子「ねえ、お願いだからそのへんにしといて。本格的に覚えるなら、ちゃんとした専門書読むしかないわよ」
村松「あのさ、ちょっと方向変えるけど、飛龍に乗ってた山口少将は、二航戦の司令長官なの ? 」
夕子「ううぅ、質問地獄に引きずりこまれそう。山口少将は二航戦の『司令官』なの。司令長官は第一航空艦隊の旗艦・赤城の南雲忠一(なぐも・ちゅういち)中将なの」

村松「司令長官 ? 司令長官は山本五十六(やまもと・いそろく)大将じゃないの ? 」
夕子「まだ質問責めにする気 ? 山本五十六大将は聨合艦隊司令長官でしょ。旗艦大和に乗っていたのよ」
村松「ううむ・・・。するとさ、ミッドウェー海戦の時の、何んだっけ、あ、機動部隊はさ、一航戦が空母赤城、加賀で、二航戦は、飛龍、蒼龍で四隻だから、これはあってる ? 」

赤城
空母・赤城(東宝映画「連合艦隊司令長官・山本五十六」より)

夕子「うん」
村松「すると、第一航空艦隊の司令長官の南雲中将は、第一航空戦隊の赤城にも乗っていたことになるな」
夕子「赤城に乗ってたの ! 同じ空母が二隻もあるわけないでしょ ! ねえ、もうおしまいにして、その話。お母さんが涙ぐんだって話のほうがすっと感動的よ」

村松「ううむ、俺は恐るべき無知だなぁ」
夕子「そんなの、いえ、そんなのなんて言っちゃ戦死した方々に失礼だけど、海軍だけでも面倒なんだからね、陸軍になったら、またこれは別に複雑にみえるよ。師団・旅団・大隊・中隊・小隊なんて持ち出しただけで大変でしょ。師団だって機甲師団なんてのもあるでしょ。あれ ? 旧陸軍では機甲師団って言ったんだっけ ? あたしもよくわからない」

・・・・・この話は彼が混乱したことで何んとか終わりました。でも、うるさい話はこれからまた始まるのです・・・・・

村松「何んだか俺、戦争特撮映画見るの、怖くなって来た。真珠湾攻撃の時も、艦載機みんなゼロ戦かとばかり思ってたからね、ひどいね」
夕子「いいわよ、そんな細かい区別なんて。要するに戦闘機・爆撃機・攻撃機が発艦してハワイのアメリカ太平洋艦隊を攻撃したってくらいで」
村松「ううむ・・・でも、真珠湾では魚雷攻撃が活躍したんじゃなかったっけ」

夕子「そうよ。『トラ ・トラ ・ トラ ! 』だったかな、山本五十六が部下に『魚雷で真珠湾をやれるかな』って訊くシーンがあったような気がするもの。真珠湾は浅海だから実行可能と判断するまでに少し苦労したんじゃなかったかしら」

改造軍用機
映画「トラ・トラ・トラ ! 」では練習機を改造し、ゼロ戦や九九艦爆に生まれ変わりました。

村松「でも俺が映画見た限りでは、魚雷一発積んだ攻撃機が、次々カリフォルニアやネバダを雷撃するとすぐ避退するシーンが目立ったけどな」

夕子「アメリカの戦艦を沈めるシーンが見所だったしね。・・・もういいかしら」
村松「戦艦って言えばさ、俺は何しろ大学受かったら特撮やろうって決めてたから、高校生の時かな、ウォーターライン・シリーズが出た時は、『これだ ! 』って胸がときめいたね。・・・もっともウォーターライン・モデル生かした映画、結局一本も作れないで終わったけどね」

夕子「特撮プールに浮かべるには最適だものね」
村松「あ、そうだ ! 」
夕子「また質問 ? 」
村松「今さら恥ずかしいんだけどね、『フルハル・モデル』ってのがあるだろ。あれ、何んのことかわかんない。知ってる ? 今さらノーチラスさんに訊くの気が引けるしね」

夕子「そのための交流でしょ」
村松「ノーチラスさんは本格のモデラーだよ。時々お邪魔してるけど、プラモデルの箱に入ってるパーツだけで作るんじゃなくて、別売りの細かいパーツ用意したり、あるいは自作して、精密なモデル作る本格派だからね」
夕子「じゃあ仕方ないから、あたしが簡単に説明するか。あのね、フルハル・モデルってのはね、喫水線の上だけのウォーターラインに対して、船体全部がそろった模型のことなのよ」

村松「でもどんな意味なの ? まさか、船体全部、つまりフルに接着剤使って貼るから、フルハル・・なんてこたないよね」
夕子「英和辞書調べたらどお ? 」
村松「載ってるかな。ちょっと待って」
・・・・・・・・・・
村松「あった。『ハル』というのは『hull』、船体って意味だ。なるほど、『full-hull-model』ってとこかな」
夕子「ねえ、今夜はこんな話ばっかなの ? 」
村松「『恐竜境』もまた中断だしな。土地・家屋の名義変更で、お袋がデイ・サービスに行ってるあいだに動かなければならなくなったこともあるし・・・。いや、こんなのは言い訳だな。ホントは意欲減退」

夕子「それじゃあ今度はあたしから何かあなたに訊こうかな」
村松「いいよ。どうぞ」
夕子「戦艦や軍用機の模型作る趣味なかったの ? 」
村松「なかったね。俺の頭は本来文科系で、メカニズムには弱かったんだ」

夕子「おもちゃ屋行っても全然買う気起きなかったんだ」
村松「箱絵を見るのは好きだったけどね。あ、それからこれはトラウマになるほどかどうかわからないけどね、それに死んだ親父の悪口になるけど、ある時プラモ屋行って、いきなり戦艦長門の艦形に見とれてたら、一緒に行ってくれた親父が『ああ、これは旧式艦だな』って言ったんで、買うのやめたことあるんだ。親父は陸軍だったからかどうか、海軍のものに余り興味なかったようだな」

長門
東宝映画「連合艦隊司令長官・山本五十六」より戦艦長門

夕子「じゃあお兄さんは ? 」
村松「兄貴はたいしたものだった。一通りのものに興味を持って買って全部自分で作ったな。覚えてるだけでも大和・武蔵・ゼロ戦、アメリカの戦車、いろいろ完成させて、棚に飾ったな。それからあの頃ハヤッたゴム動力の飛行機盛んに作っては飛ばしてたしな。翼の材料の竹ひごをロウソクの火にかざして慎重に曲げるのもうまかったし。何しろ『少年』の面倒な組み立て付録みんな作ったからな」

夕子「ふうん、不思議ね。あなたそれでよく今、手製の模型作るわね」
村松「あ、それね、やっぱり特撮趣味から来てる。それに、パーツを設計図見ながら組み立てるより、自分で設計図描いてから作るほうが面白いな」
夕子「翼長7.2mのプテラノドンの六分の一模型、曲がりなりにも完成させたんだものね」

村松「ところでそっちからの質問済んだら、もう少し訊きたいんだけど」
夕子「うわ ! 参って来た。いいわ、何 ? 」
村松「戦艦大和の艦首の形をさ、東宝映画に使った巨大模型で見ると、映画によって形をゴマカシているみたいなんだ。こないだ買った本見たら、本来は、のちの船首のハシリとなった『バルバス・バウ』って書いてあったんだ」

夕子「ああ、それなら大和の特徴の『球状艦首』のことよ」
村松「あ、じゃあ英和辞書で見れば載ってるかもね。それにしても俺はこういう専門用語ダメだから、思わず昔の『名犬ラッシー』の歌、思い出しちゃったね。 ♪ ラッシー、ラッシー、ラッシーラッシー、バウワウワウ・・・なんてね」

夕子「(無視)調べてよ」
村松「・・・。あった。これかな。バルバスは『bulbous』で球根状のっていう意味で、バウは『bow』で船首・艦首だ。なるほどね」
・・・・・二人とも疲れました。話題をよもやまの話に変えて会話を終わりました・・・・・

最後に。この人、仮にも国立大学出てるし、数学・物理学・化学でも受験してるのに、「俺はDVDレコーダーの接続出来ないから、近所の電気屋に金払って頼んだ。パソコンも万年ビギナーだ」と悲観しています。
それでいて、「理系のセンスで少なくとも英文法の理解は可能だ。俺がいい例だ」
とも言います。

高校数学をほとんど克服し、物理学で受験した割には、原子力発電の仕組みも知らないし、ホントはどこか抜けてるのか、よくわかりません。ただし、自分の頭のことでうぬぼれや思い上がりがないのは確かです。でも、ある意味でバカ正直だとも思えます。



最終更新日時 2011.05.28 01:01:29

2011.05.07

『恐竜境』あれこれ協議など
[ 協議と会話 ]  

ブログSF『恐竜境に果てぬ』企画ノートの話から始まります。
夕子「なんだ、せっかくノート持ってお母さんの面会に行っても・・・あ、ごめん、お母さんの相手してあげてるからかな」
村松「まあ、環境が環境だし、職員が来たり看護婦が来たり、気が落ち着かない。でもさ、ショート・ステイ、新しいとこに変えたんだよ」
夕子「あら、初耳」

村松「ここはちょっとしたホテルみたい。しかも個室でさ。あ、誤解すんなよ。要するに・・」
夕子「わかってるわよ。あなたの言うホテルとお母さんのショート・ステイのホテルみたいってのは全然違うってことくらい。伊豆の温泉旅館みたいに豪華なんでしょ ? 」

村松「さよう。相違ない。でも10日まで。いよいよ帰宅、デイ・サービス生活に戻る。さてと、協議に入るか。って言うより、新生代の航行描写、余りいい書き方が浮かばない」
夕子「あなたの一本調子のは確かに先史時代に入る興奮が高まらないね。最初にマンモスが見えて来た、次は剣歯虎だ・・・じゃあね。ここは田所に専門用語を少ししゃべらせたほうがいいね」

マシン異空間を突き進む

村松「どう書くの ? 」
夕子「それは最後はあなたの筆力よ。うーん、だけど、どう運べば少しはエキサイティングになるかってことね。たとえばこんなのどうかしら。あたしの口から出まかせだけど。今、異次元空間をタイムマシンが突き進んでいるから、田所に、たとえばよ、いい ? 」
村松「うんいいよ。話して」

夕子「『現在のスピードだと、量子物理学処理では、異空間を可視映像にするにも限界がある。異空間風景と新生代風景を同時に見せることが原因で、スクリーン映像はやや殺風景になる』なんて言わせるの、どお ? 」
村松「さえてるう ! 文字列抜くと合成も楽だし。今お前さんがしゃべった言葉そのまま使っちゃっていい ? 」

夕子「別にいいわよ。でも、ヒントになったなら、そんな感じで書き出してみたらどお ? 」
村松「ううむ・・・。まだ頭カラッポだ、その先が」
夕子「うーん・・・。じゃあさ、地質時代区分の名前も田所にしゃべらせて、そのあいだに、頭カラッポの村松のセリフ入れるのどお ? 」

村松「お前さん、ちょっと手本教えてくれよ」
夕子「ええ ! ? ・・・・・じゃあ、あくまでも箇条書きっぽくしか出来ないけど」
村松「いいよそれで」
夕子「何しろ画像の貢献度が大きいからね。うーん、どうしよう」

ここからしばらく、箇条書きスタイルで、お手本の描写を掲げてみます。
・・・・・・・・・・

田所「新生代第四紀洪積世後期に現われたマンモスだが、見えてるのは絶滅寸前の一万年前」
村松「(適当なセリフ)。入れたり入れなかったり。以下同じ」
田所「マシン、スピードアップ。第三紀に入った。鮮新世だ。300万年前。剣歯虎、スミロドン」
村松「適当なセリフ」
田所「漸新世から中新世。バルキテリウムはこの両時期にまたがるが、漸新世に現われた。2600万年前」
村松「適当なセリフ」
田所「新生代をそろそろ終わる。中生代白亜紀後期が近いから、一旦大隕石衝突の時期を確かめて、スピード調整しながら、時空線を逆行する」

・・・・・・・・・・
夕子「今打ったから送るよ」
・・・・・・・・・・
村松「来た。ん ? 何んだこの村松の適当なセリフって・・」
夕子「村松は頭カラッポだから、操縦桿握って、気まぐれにしゃべればいいの」
村松「あ、なるほど。・・・・・でも田所のセリフ、これだけでもいいね」
夕子「加筆訂正必ずしてよ」(この人、ほとんど自分のこと、からかわれているのに、天然ボケなのか、気にしていません。やっぱり頭がイビツなのでしょうか)

村松「あ、そうだ。ワードの字数見たらさ、意外に多くなかったよ。画像が多いのかな。この前の第一節の戦闘訓練のほうが九千文字超えて多かった」
夕子「それじゃ、前後編くらいでいけそうね」
村松「中生代到着まで入れるよね」
夕子「うん。ガー公たちが群で現われる光景まで」

翼竜群

村松「新しい画像の撮影、必要かな」
夕子「今までので何んとかならない ? 」
村松「俺が言うのも妙な気持ちだけど、村松の普通の後姿の合成用画像がない」
夕子「横向きでいいじゃない。それで一段落させるほうがいいと思うよ。だって、ガー公が登場すると、それからの新しい撮影なんかが目白押しよ」

村松「そうか。俺はいずれ独りになる。その時から、この趣味に打ち込むことを日常習慣に出来るかどうかも、課題の一つだ・・・」
夕子「急に感傷的になったわね」
村松「デリヘルもそろそろ卒業だし」

夕子「経済的でいいじゃない」
村松「ところでお前の息子、連休もちょっとしか帰らなかったけど、もしや彼女でも・・・」
夕子「どうも油っけがまるっきり抜けないわね。あなた、そんな話ばっか」
村松「あいつ、母親に似て、かっこいい男になったな。いるだろ ? 」

夕子「わからないのよ。誰かとメールやりとりしてたり、ケータイでしゃべったりしてるみたいだけど、男女の区別わからない。小さい頃から親子二人暮らしに慣れたせいか、もう親離れしてるしね」
村松「ケータイ盗み見しないの ? 」
夕子「こないだケータイ忘れて帰ったから、知らせてやったの。そしたらね、『中身見るなよな』って怒られた。もちろん見てないけど」

村松「怪しいな」
夕子「ウソじゃないよッ ! 」
村松「そうじゃないって、あいつが怪しいっての」
夕子「ネーム作ってるんじゃないかな。あなたみたいに『ケータイホーネット』なんて」

村松「母親に似て早熟かもな。お前も大学入ったとたんに、俺を捨てて、たちまちロスト・バージンで・・」
夕子「何よ ! 昔のこと蒸し返して、下劣な話までして。ケンカ売る気 ! ? 」
村松「冗談じゃない。今回も二ヶ月以上だったから、ホント参った」

夕子「あなたね、ここまで来たらもう、決別なんて言葉使わないでよ」
村松「ほお。安心させてくれること言うね。だけど女は信用出来ないからな」
夕子「悪うございました。だけどあなた、また懲りないことしでかしたね」
村松「全く俺はダメだね。相手が悪いって、わかってるのに、また人妻だ」

夕子「でもね、その相手の女(ひと)もズルいと思うよ。ラブレター平然と受けとって、それでも『うれしい』って言って、訪問介護し続けたんでしょ。この関係はご法度に近いから、断わるか何んかして介護をやめるべきだったのよ」
村松「・・・・・」
夕子「あら、落ち込んだの ? 」

村松「お前さん、やきもち焼かないね」
夕子「だって、あなたに何んて言うか、ハンディキャップって言うのか、子持ち女のあたしとは、距離を置かなきゃならないブレーキがかかってるでしょ。あたしは独占の資格ないもの。ただ、30年の付き合いだから、一番気のおけない相手には違いないよ。あら、ノロケちゃった。話題変えよう。とにかくね、タイムマシンが中生代に到着するまではかなり時間がかかるから、田所に思いつきの理論の話なんかさせるのよ」

村松「ええ ? また書けないよ」
夕子「あとで箇条書き送信するわ」
村松「ふうー。あれこれやることあるな」
夕子「迷惑ならよすよ」
村松「ええ ! ? そんなつもりじゃ・・」

夕子「わかってるわよ。でもあせらないでゆっくりね」
村松「おお、優しきお言葉、再びかたじけない。優しくなったついでに・・」
夕子「それ以上何もしてやらないわよ。この変態初老男ッ ! いっつも最後はこれね。じゃ、おしまいにするよ。お休み」
村松「こんな日が高いのに、はいはい、わかりましたよ。お休みなさい」
・・・・・・・・・・






最終更新日時 2011.05.07 02:52:37

2010.12.31

タイムマシン航行シーンの話
[ 協議と会話 ]  

夕子「ウソ ! 新生代の動物の加工、始めたの ! ? 」
村松「とりあえず著作権がうるさくない時代のをスキャンして始めたから、白黒に色つけするとこから」
夕子「あなたのやる気って・・・不思議なものね。」

村松「確かに我ながら不思議だから、これは日づけ書いとくね。28日夜遅くからにわかに新生代の動物の画像が欲しくなって、それで当然深夜3時ごろまで。で、翌朝つまり29日は、お袋の今年最後のデイ・サービスだったから、ほぼピタリ3時に寝床についたんだけど、目覚まし鳴っても起きられなくて、9時半に起きて、もう突貫工事でお袋の清拭(せいしき。オムツ交換などのこと)やって、着替えて、車椅子に移して、そこへ送迎の職員の人が、上がって来て手伝ってくれて・・・てんてこまい。でも、画像作る意欲が出たのは確かかも知れない。今んとこね」

夕子「白黒のって・・・」
村松「あ、画像だけ送る。うまく行けば一瞬で着くかも」

剣歯虎元画像

・・・・・・・・・・
夕子「あ、ホントだ、来た。これは・・・スミロドンとそれより弱い動物かしら・・・」
村松「当たり。俺が子供のころは剣歯虎(けんしこ)って呼んだけどね。あと、サーベル・タイガーなんて言い方もあるか」

剣歯虎レイヤー

夕子「これ、そのまま色つけするの大変なわけね」
村松「そう、不器用だから」
夕子「それでスミロドンのところだけ抜いたんだ」
村松「水面の色つけを楽にしたかったんでね。で、そのうち著作権無視してほかの図鑑のもスキャンするよ。実景と合成すりゃ、ばれにくいだろ。だけど、古い図鑑でも、白黒を色つけする快感が乗ってくりゃあ、そう苦痛でもないかもね。今んとこね」

夕子「『今んとこ』ね。断わりがつくね」
村松「翌日がお袋のデイ・サービスって日は、夜更かしマズいんだけど。それでデイ・サービスから帰った日の夜は、翌日ヘルパーさんが来るから、この夜がチャンスなんだけど、デイ・サービスのあるなしに関わらず、夕食もオムツ交換も、それから週2回洗濯したほうがいい日があったりして、自分の時間と意欲が起こるのがうまく合わない。・・・あ、もう少し画像送る」
・・・・・・・・・・

剣歯虎合成

夕子「来た。スミロドンと、キツネみたいのと、それから犠牲になった動物の死体かな、別々には切り取らなかったんだ」
村松「ヘタだからね。だから水面のとこが市松模様で消えちゃって、あとからコピースタンプツールってのでゴマカシた」
夕子「でもよく進んだわね」

村松「NHKがだいぶ前によくやってたヘタなCG恐竜にも劣るけど、・・・とにかく画家が描いたには違いないだろうけど、絵と実写の合成だからね。妙な感じ」
夕子「まだ意欲、持ちそう ? 」
村松「自信もって言えないけど、何しろ一番億劫だったのを始めたわけだからね。でもさ、変なもんだね。これやり始めたらね、今度はさ、田所たちがマシンに乗り込むシーンの撮影考えて、気が重くなっちゃってる。あれもフィギュアの配置と合成が要るからな」

・・・・・翌日・・・・・

村松「画像送るよ」

バルキテリウム合成

夕子「え ! バルキテリウム ! ? 凄い ! 」
村松「でもこれ、モロに『絵 ! 』って感じだろ」
夕子「それダジャレ ? ・・・でもいいのよ、これで。この画像をそのまま載せるんじゃなくて、マシン航行シーンにまた合成するんだから」

村松「あ、これはまだやりかけだけど、もう少し送るね」

マンモスレイヤー

雪原レイヤー

夕子「うわ、マンモスも ! ? ホントよくやったわね。新生代画像、これくらいで、いいんじゃない ? この雪原は・・・ ? 」
村松「北海道にいたころの真冬の風景使った。本当はガキのころの俺が、雪だるま作ってるところ。俺の姿や周りの家を消したの。でもガキのころのも航行シーンに使うから、色つけのためにとってあるよ」

北海道の風景

夕子「少しだけどほめてあげるね。マンモスの画像のために、よくこれだけあちこちから素材集めたわね」
村松「かたじけない」
夕子「と、ほめておいて、あたしの『くノ一(くのいち)』戦法よ。ひとことに新生代と言っても時代区分があるよね。マシンでさかのぼるんだから、新しい時代から古い時代へ進まなければだめよね」

村松「おいでなすった。恥をしのんで初めから白旗かかげる」
夕子「あなたがよく使う鮮新世は、スミロドンの時代よ。あのね、暁新世・始新世・漸新世・中新世・鮮新世の順『ぎょうしぜんちゅうせん』って覚えたの」

村松「気を悪くしたら悪いけど、その覚え方、何かにひっかけた意味でもあるの ? 」
夕子「良く訊いてくれたわ。数学の双曲線何んかの図形でいう『漸近線(ぜんきんせん)』を連想してさ、『漸近線を凝視せよ』って意味をこじつけて作ったの」
村松「うむむ、またしてもうぬの勝ちだ。フハハハ。それではこちらも反撃だ。『南総里見八犬伝』の八つの玉の名を言えるか ? 」

夕子「何んのチョコザイな。仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌。フフフ、おぬしまだまだだな」
村松「えい、悔しからぬことあろうや。それでは、フフフ、うぬがとうとう『わからない』とあきらめた歌舞伎十八番の『勧進帳』の九字の真言(しんごん)はどうじゃ ? 」
夕子「フハハハ、ってあたしも乗っちゃうわね。歌舞伎に暗くとも、それくらい知っておるわ。陰陽道を忘れたか。・・・あのね、漢字はダメよ。
りん・ぴょう・とう・しゃ・かい・じん・れつ・ざい・ぜん」

村松「うむむ。ともかく俺の負けだ ! 」
夕子「話戻すけど、とにかく出来る範囲で、制作が進むといいわね」
村松「うむむ。これまた我には困難なり。耐え忍ぶしか無きか」
夕子「まだ、かぶれてる」




最終更新日時 2010.12.31 14:10:56

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